11月23日(日・祝)『ベストボディ・ジャパン日本大会』のベストボディ部門ガールズクラスで、山本咲希(やまもと・さき/29)さんがグランプリを獲得した。結果が告げられた瞬間、ほっと肩の力が抜けたような表情を見せた山本さん。「本当にうれしいです。周りで支え応援してくれた方々のおかげでここまで来られたので、感謝の気持ちでいっぱいです」と穏やかに話した。

山本さんは昨年の日本大会で3位。今年は、シーズン初戦となった千葉大会でグランプリ、続く東京大会でもグランプリを獲得し、関東大会では準グランプリと安定した上位成績を残してきた。いずれの大会も「日本大会に向けた通過点」と位置づけ、ステージ上での姿勢、視線、歩き方、フリーポーズ、規定ポーズといった表現一つひとつを丁寧に積み重ねてきた。
「身体づくり、仕草やフリーポーズのポージング、規定ポーズ、すべてを妥協せず取り組んだ1年でした」
昨年の日本大会3位という結果が、悔しさではなく具体的な課題に変わり、それぞれを一つずつ埋めていった努力の積み重ねが、静けさを纏って輝いた。
今回のステージでは、過度なアピールや強い演出はなく、自然体の表情と整ったラインが印象的だった。体幹の安定感、ウエストからヒップにかけてのシルエット、落ち着きのある美しい立ち姿。そのどれもが過度に主張するものではなく、しかし圧倒的な“品格・健康美”を感じさせる。
まさにベストボディ・ジャパンの審査基準を完璧に体現したステージで、600点満点でのグランプリに輝いた。
「ボディメイクは、感謝と精神性の鍛錬」、そしてプロとして次のステージへ
山本さんは、週1〜2日ほど薬局で薬剤師として勤務する一方で、予備校経営、教材や教育アプリ開発、医療サービス事業、経営者向け講演活動など、多方面で活動している。今年はさらに若い経営者育成のためのホールディングス設立、経営する予備校のFC展開など、仕事面でも大きく飛躍した1年だったという。
「仕事との両立が大変そうと言われることが多いのですが、ボディメイクがむしろ仕事への活力になっています」と述べるように、両立というより相互作用に近い関係を感じているようだ。
「日本一を獲るには、今までの自分ではダメ。仕事かボディメイクか、ではなく"仕事もボディメイクも"これまでで一番の成果を出すというマインドを貫きました」
そうして努力を続けると、自分でも驚くほど感謝の気持ちでいっぱいになったという。「水抜きで1日に75mlしか水分が取れなくても、イライラしたり辛いという気持ちになるどころか、そのほんの一口の10mlの水を飲めることに心からの感謝の気持ちを覚えたのです」
こうした積み重ねで磨いたものが、舞台での安定感につながり、今回の結果へと結びついたのかもしれない。
大会後、今後について尋ねられると「プロの権利を獲得させていただいたので、初代プロとして団体に貢献しながら、自分自身もボディメイクを深めていけるよう取り組みたい」と落ち着いた口調で語った。プロとしての役割と責任を受け止める姿勢がうかがえた。
取材・文:FITNESS LOVE編集部 撮影:高坂裕希 写真提供:山本咲希










