「体型に関して色々言われてましたが、おちゃらけて返すという処世術を身につけてました。それが私のキャラだと思ってました」
以前の取材で「組体操はいつも土台役だった」と過去のエピソードを語ってくれた尾藤紘美(びとう・ひろみ/47)さん。かつて体型を巡る言葉に傷つきながらも、自分を守るために“笑って流す”生き方を選んできた。それでも心の奥では、ずっと変わりたい気持ちが消えなかった。そしてボディコンテストの『マッスルゲート』、さらには全国大会の『ゴールドジムジャパンカップ』に挑戦。ウーマンズウェルネス部門で7位に入賞した。
【写真】尾藤紘美さんが大迫力の下半身で魅せるバックポーズを含む6枚

きっかけはダイエット。でも「痩せるため」だけの筋トレは楽しくなかった
筋トレを始めた理由は「ダイエット目的」。多くの人と同じように、「痩せたい」という思いからスタートした。しかし、最初はまったく楽しくなかったという。
「ダイエット目的の筋トレは全然楽しくなくて、いつも同じ種目でつまらなかったんです」
“続けなければ変われない”と分かっていても、ただ体重を落とすだけの時間は、心がついてこない。そんな時期もあった。
尾藤さんは、これまでにいくつもの失敗を経験している。
「最初の頃は、トレーナーから言われたメニューの中からやりたくない種目をやらなかったり、レップ数も言うことを聞かなかったり……。その次は、カロリーを削り過ぎてホルモンバランスを崩してしまいました」
無理をすれば結果が出るわけではない。むしろ、身体が壊れてしまえば何も続かない。その経験を経て、尾藤さんは“しっかり追い込んで身体を造形するための筋トレ”へと気持ちを切り替えていった。
追い込んだ後の「辛いのに気持ちいい」が、やみつきになる
コンテストを目指すようになってから、トレーニングは一変した。
「ボディメイクのための筋トレが楽しくて、追い込むトレーニングが終わった後の“辛い後の達成感”がやみつきになりました」
頑張った分だけ身体が応えてくれる。その感覚を知ったことで、トレーニングは「我慢」ではなく「夢中になれる時間」になっていった。
尾藤さんが目指すのは、コンテストカテゴリーの「ウェルネス」らしい下半身の迫力と美しさを併せ持った身体だ。
「脚は筋肉で発達して、ウエストは締まって、丸い肩。背中もしっかり広がりが出るようになりたいです」
憧れの存在として挙げるのは、JBBFで活躍する大谷美咲選手、岸野悠佳選手。“あのレベルに近づきたい”という強い想いが、日々のトレーニングを支えている。
得意部位は脚だと思っていた。だが、ステージに立ったことで「まだまだ足りない」と痛感したという。
「横の張り出しだけじゃなく、前面の丸みもつけていくように課題を見つけました。スクワットでしっかりしゃがんで効かせられるように、追い込んでいます」
ストレッチも含めて、効かせきるための準備まで徹底する。
「強いと思っていた脚」を、ウェルネスとして通用する脚へ──。尾藤さんは今、そこに本気で向き合っている。
ジャパンカップを終えた率直な感想は、悔しさと冷静な自己分析だった。
「絞りが甘く、ポージングもまだまだ過ぎて……。今年のオフは早めから減量やポージングもしっかり取り組まないと、また同じ身体と結果になると思いました」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。










