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米国フィットネス専門誌が警告!タンパク質、摂取し過ぎれば毒になりかねない話

ボディメイクを実践する人にとって、積極的に食生活の中でタンパク質を摂取していくことが重要であることは言うまでもない。しかし、タンパク質を取れば取るほど筋肉がつくといった誤った考えに陥ってしまうケースも少なくない。

そうした誤った考えに囚われないように、タンパク質は摂取し過ぎれば毒になりかねないという警告を米国フィットネス専門誌が伝えている。個人の特性や環境に合わせた適切なタンパク質摂取量を知るためにも、摂取しすぎた場合のリスクを知っておこう。
(IRONMAN2026年2月号「from IRONMAN USA」より転載)

栄養摂取は量・質・タイミングが命

トレーニーの中には、「トレーニングをすればするほど筋肉が増える」と思っている人も少なくないだろう。そして同様に「タンパク質を取れば取るほど筋肉が増える」と考えることもあるかもしれない。

しかし、私たちの身体はそう単純ではない。トレーニングにおけるオーバートレーニングと同様に、栄養における過剰摂取もまた、期待した効果をもたらさないばかりか、逆効果となるリスクを持っている。タンパク質摂取において重要なのは最大量ではなく最適量なのだ。

タンパク質は、傷ついた筋肉の修復、骨の健康維持、臓器の形成、酵素やホルモンの生成などで欠かせない存在だ。タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されているが、体内で合成可能な「非必須アミノ酸」と、食事から摂取しなければならない「必須アミノ酸」がある。

しかし、全ての食材が等しく必須アミノ酸を含んでいるわけではない。過不足なく取り入れるためには食材を選ぶ知識が必要になる。筋発達を目指す上でタンパク質が必須であることは常識だが、その量や質、タイミングに配慮しなければ、最大限の効果を得ることはできないだろう。

 

必須アミノ酸

ヒスチジン

リジン

スレオニン

メチオニン

フェニルアラニン

トリプトファン

イソロイシン

ロイシン

バリン

 

参考

2020年から2025年にかけた米国の調査(アメリカ人のための食生活指針)
によれば、19~59歳の男性はすでに推奨量を超えるタンパク質を摂取し
ているというデータがある。

2つのタンパク質のメリットを活かす

動物性タンパク質

鶏肉、牛肉、魚介類、卵、そして乳製品などの動物由来のタンパク質は、完全タンパク質と呼ばれる。これは、ヒトが体内で合成できない9種類の必須アミノ酸の全てを、十分な量とバランスで含有しているからだ。つまり、動物性タンパク質は、単体の摂取で傷ついた筋線維の修復や、免疫システムの維持が可能なのだ。動物性タンパク質中心の食事は、アミノ酸が不足することがなく、メニューも組みやすいという利点がある。

植物性タンパク質

米、小麦、トウモロコシ、豆類(大豆、レンズ豆など)、ヘンプ(麻)といった植物由来のタンパク質は、その多くが不完全タンパク質に分類される。すなわち、必須アミノ酸のうちの1つ以上が欠けているか、あるいは含有量が著しく低いのだ。

例えば、スーパーフードとして知られるヘンプや大豆は、植物性の中では稀な完全タンパク質に近いが、それでもリジンやメチオニンといった特定のアミノ酸が相対的に少ない傾向にある。穀物類はリジンが不足しがちで、トウモロコシはトリプトファンも欠乏している。したがって、必須アミノ酸をバランス良く摂取するためには、複数の植物性タンパク質を組み合わせなければならない。

こうすることで、ベジタリアンであっても、筋肥大させたりやエリートレベルのパフォーマンスを発揮したりすることができる。事実、ベジタリアンのボディビルダーやトップアスリートは数多く存在する。メニュー構成の難易度は比較的高くなるが、ベジタリアンでも筋肥大は決して不可能ではないということを知っておこう。

タンパク質を計画的に取ろう
【タンパク質の割合】 1日の総摂取カロリーの10~35%
【プロテインパウダー】 種類が多く、自分のニーズに合ったものを選べる
カロリー管理が簡単/調理方法が豊富
【プロテインバー】 手軽に食べられる/おやつとして
食べ応えあり

 

健康には不可欠、消化器官への影響は?

高タンパク質食の恩恵

メモ

筋肉を育てる

私たちが行うトレーニングは、あくまでも筋線維を傷つける行為でしかない。ハードなトレーニングによって傷ついた筋細胞には、修復のために通常以上の材料が必要になる。摂取したタンパク質はアミノ酸にまで分解され、血流に乗って損傷部位へ運搬されることで、初めて筋合成のスイッチが入る。

一方減量では、摂取カロリーを制限しつつ、タンパク質を十分に確保するのが一般的だが、この方法は道理に適っている。タンパク質は、炭水化物や脂質と比較して、消化・吸収の過程でより多くのエネルギーを熱として消費する。また、高タンパク質食は満腹中枢を刺激し、食欲を抑制する効果が高いのだ。

血圧を正常に保つ

アミノ酸の一つであるアルギニンは、体内で一酸化窒素の生成を促進する。一酸化窒素は血管を拡張させ、柔軟性を保つ作用があるため、血流の改善、血圧の安定化につながる。2023年に行われた研究では、高タンパク質食が高血圧の改善に有効である可能性が示唆されている。

健康寿命を延ばす

タンパク質は、高齢社会で深刻な問題となっているサルコペニアへの対策としても有効だ。筋肉量が減少すれば、転倒や骨折のリスクを高め、最終的には寝たきり状態や致死率の上昇を招く。特に動物性タンパク質は骨の健康維持にも貢献するため、積極的に肉や魚を食べるよう心がけたい。

高タンパク質食のリスク

メモ

腎機能への負担が大きい

タンパク質は、代謝される際に窒素を含んだ副産物を生成する。アミノ酸が分解される際に生じた窒素老廃物は、尿素などの形に変換され、腎臓で濾過された後、体外へ排出されなければならない。つまり、タンパク質摂取量が増えるほど、腎臓に大きな負担がかかってしまう。健康な腎臓であっても、長期間にわたり限界に近い状態で稼働し続ければ、その機能は徐々に疲弊していく。もし腎機能に問題を抱えている場合、機能障害へとつながる危険もある。

脱水症になる恐れがある

身体づくりのためとはいえ、タンパク質の摂取量が増えれば、体内ではそれだけ多くのタンパク質を分解しなければならない。 タンパク質の代謝副産物である尿素やアンモニアは、体外に排せつされる必要がある。しかし、これらを尿として排出するためには、大量の水分が必要となる。体内の水分が不足している場合でも、身体は毒素の排出を優先し、組織細胞から水分を奪ってでも尿を作ろうとする。その結果、身体は慢性的な水分不足、すなわち脱水状態に陥るのだ。高タンパク質食を実践するならば、通常の倍以上の水分を補給するべきだろう。

腸内環境が悪化する

高タンパク質食を継続している人の中には、便秘に悩まされる人も少なくないだろう。肉類やプロテインパウダー中心の食事は、食物繊維が不足する傾向にある。腸内細菌の餌となる食物繊維が不足すれば、腸内環境が悪化しやすくなる。

食後に膨満感がある、便秘や下痢を繰り返す人は、食物繊維が不足している可能性がある。腸内環境の悪化は筋肥大だけでなく減量にも影響する。心当たりがあれば、食事内容を見直し、消化器官に負担をかけないような食事内容に改善しよう。

 

1日に必要なタンパク質量はどれくらい?

タンパク質の適切量は、個人の活動レベルによって異なる。しかし、身体が一度に吸収できる量には上限があるため、体重1㎏ あたり3.5gを超えるような極端な摂取を行っても、筋肉の合成速度も比例して上昇するわけではない。

体重1㎏ あたりの必要量


デスクワークが中心0.8g以上


アスリート1.6~2.2g

 

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