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「ケガする人も増えている」パーソナルトレーナー急増の裏側と業界改革の動き サイヤマングレートが指摘する業界課題

パーソナルトレーニング市場の拡大とともに、トレーナーの数も急増している。一方で、知識不足による誤ったフォーム指導や不適切な補助によってケガにつながるケースも少なくないという。こうした現状について、人気筋トレYouTuberのサイヤマングレートさんと、パーソナルジムBEYOND代表トレーナー・山根駿さんが語り合った。

「それ危なくない?」ジムで感じる違和感

サイヤマンさんは、一般ジムの現場で危険を感じる場面が増えていると語る。

「ジムに行っていても、『それ危なくない?』って思う場面は結構ありますね。補助の仕方が分かってないとか、フォームが崩れたまま重量を扱っているとか。本人は頑張っているんだけど、逆にケガのリスクを高めているケースもあると思います」

山根さんも同様の危機感を抱いている。

「パーソナルトレーナーの数は増えていますが、その一方で十分な知識を学ばないまま現場に立ってしまっているケースもあります。結果として、フォームが悪いまま続けてしまったり、不適切な補助でケガにつながってしまったりすることもあります」

本来、健康や身体づくりのために始めたトレーニングが逆効果になってしまうことは、業界全体にとって大きな問題だという。

「無料は覚悟が弱くなるのでは」率直な疑問

こうした課題を背景に、山根さんが所属するパーソナルジムBEYONDでは業界の品質向上のために、自社に限らず全てのトレーナーを対象に教育を強化している。その一環としてトレーナースクールの無料化に踏み切ったが、サイヤマンは率直な疑問を投げかける。

「無料って聞いたときは正直驚きました。すごいことだとは思うんですけど、無料だと覚悟が弱くなるんじゃないかなって。お金を払うと『絶対回収しよう』って思うじゃないですか。でも無料だと『まあいいか』で終わる人も出てくるんじゃないかなっていう不安はあります」

自身もホームジムや活動環境に投資を重ねてきた経験から、「投資することで本気度が上がる」という感覚は強いという。

「誰でも通えるわけではない」教育側の考え

一方で山根さんは、無償化は単なるハードルの低下ではないと説明する。

「無料にしたから誰でもOKというわけではありません。必ず面談を行って、目的や覚悟を確認しています。むしろ従来の『お金を払えば通える』形よりも、選抜は厳しくなっている部分もあります」

重視しているのはスキル以前の人間性だという。

「トレーナーは対人の仕事なので、知識だけでは成り立ちません。考え方や責任感、人としての在り方がすごく重要です。そこが伴っていないと、いくら技術があってもお客様の人生を良くすることはできないと思っています」

2カ月で変わるのは「完成」ではなく「基盤」

スクール期間は2カ月と比較的短いが、その位置づけは「完成」ではない。

「トレーナーとしてのキャリアは長いものです。その中で最初に正しい基盤を持てるかどうかは非常に大きい。この2カ月はスタート地点を作る期間だと思っています」と山根さん。

サイヤマンも話を聞く中で理解が深まったという。

「最初は『無料って大丈夫?』って思ったけど、話を聞くと本気の人を選ぶ仕組みなんだなって思いました。無料だから軽くじゃなくて、無料だから全部取りに行くっていう覚悟の人が向いてるんだと思います」

広がるフィットネス市場、問われる「質」

フィットネス人口の増加は健康意識の高まりを示すポジティブな変化でもある。しかし同時に、指導の質が問われる時代に入っているともいえる。

サイヤマンさんは最後にこう語った。

「フィットネスって本来、人生を良くするものじゃないですか。それが間違った指導でケガにつながるのはもったいない。だからこそ、ちゃんと学んだトレーナーが増えることはすごく大事だと思います」

市場拡大の裏で浮かび上がる教育課題。トレーナーの質向上は、今後のフィットネス業界にとって重要なテーマの一つになりそうだ。

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