JBBF選手 コンテスト

ビキニでもドレスでも映える背中と脚! 徳島から世界を目指す28歳 夫の存在が筋トレ開始のきっかけ

JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)の競技であるビキニフィットネスとフィットモデル。コスチュームも異なるこの2カテゴリーで、昨年日本トップクラスの成績を残した関裕美(せき・ひろみ/28)選手。フィットモデルでは『オールジャパンフィットモデル選手権』163㎝以下級優勝、ビキニフィットネスでは『グランドチャンピオンシップス2025』5位。カテゴリーが違えば求められる身体も違うが、関選手はいかにして両カテゴリーで結果を残すことができたのか。徳島から世界を目指す関選手のボディメイク法とは。

【写真】関裕美選手のビキニもドレスも美しい!広がった背中と締まった脚

――まずは、2025年シーズンを終えての率直な感想をお聞かせください。

関 正直に言うと、自分が日本一になれるなんて思ってもいませんでした。一昨年の結果が振るわず、昨年も気持ちが揺れ続けていました。オフシーズンはかなり食べてしまいましたし、「とりあえず減量だけしよう」と2月からダイエットを始めたのです。でも思うように減量が進まなくて、8月頃まで本気で出場をやめようかと悩んでいました。一昨年以上に「もう出なくてもいいかな」とすら思っていました。

――それでも出場を決めた理由は何だったのでしょうか。

関 やっぱり、どこかで諦めきれなかったのだと思います。完全にやめる決断ができないなら、やれるところまでやってみようと。勝ちたいというより、「今シーズンの自分を見てみたい」という気持ちの方が強かったですね。その結果、オールジャパンのフィットモデルで優勝、グラチャンのビキニで5位の成績をいただくことができて感謝しかありません。

――ビキニのオールジャパンは、いかがでしたか。

関 正直、仕上がりはギリギリ間に合っているのかどうかも分からない状態でした。競技をはじめた頃からお世話になっている、兵庫県のMAXGYMのコーチに身体を見てもらい「絞りは、間に合ってない感じではないよ」と言っていただいたものの、かなり不安で。住んでいる徳島県から、会場である岩手県への移動日、飛行機に乗る前に兵庫県でハイパーナイフを施術してもらったのです。その反動だったのか、翌日はこれまで経験したことが無いほどに浮腫んでしまって。朝起きて鏡を見た瞬間「これはダメかも」と思いま
した。身体もしんどかったですし、心も折れそうでした。

――原因は何だったと感じていますか。

関 いつもは大会の2日前に必ずハイパーナイフを施術するのですが、今回は前日で、しかも飛行機に乗る直前でした。そのあとの長距離移動による疲労が重なったのではないかと自己分析しています。ホテルに着く頃には今までにないくらい身体もしんどかったです。明らかに疲労からの浮腫みだと思いました。結果的に余計なことをしてしまったなと、深く後悔しました。

――結果は思うように振るいませんでしたが、その後のコンディションはとても良かったそうですね。

関 はい。大会後の火曜日は、これまでで一番いいかもしれないというくらい良い状態でした。先週に会場でお会いした方々から「何があったの?」「魔法でも使った?」と言われたくらいです。あの浮腫みさえなければ、と何度も思いました。

――その翌週、日本一に輝いたオールジャパンのフィットモデルについて教えてください。

関 大会までの1週間、特別なことは何もしませんでした。普段通りのトレーニングと食事管理を続けただけです。あとは毎日のようにポージング練習をしていました。会場の兵庫県は徳島県から近いので、身内がたくさん応援に来てくれるという焦りも多少はありましたが「優勝しなくてもいいかな」と冷静に過ごしました。勝ちに行きすぎなかったことで、逆に力まず自然体でいられたのだと思います。

――周囲の反応はいかがでしたか。

関 前述しましたが「何の魔法を使ったの?」とたくさん言われました。でも本当に何もしていなくて。ドレスの到着が大会の一週間前だったので、減量よりもポージングに集中しました。月曜から金曜まで1~2時間スタジオで練習し、主人や姉に毎日見てもらいながら細かいところまで修正していきました。決勝のVウォークが完成したのは本当に直前でしたが、結果的に集中力が高まって良かったのかもしれません。

――グラチャンでは、5位という結果でしたね。

関 決勝のステージに立てるとは思っていなかったので、ステージ裏で決勝進出者の番号を呼ばれたときは本当に驚きました。帰りの飛行機のチケットを早めの時間に取っているくらいでしたから(笑)。「自分でいいのか?」という気持ちもありました。でも本当にありがたい経験でした。

――決勝戦では、どのような課題を感じましたか。

関 自信に裏付けられた『オーラ』が必要だったと思います。決勝メンバーの中でも筋量は負けていないと感じましたが、審査員の視線を引きつける存在感が足りませんでした。決勝では緊張して、思うようなポージングができなかった点も悔やまれます。もっと堂々としていればよかったですね。自信をもって見てもらえるIウォークをいつでもできる胆力をつけたいです。

挫折や迷いの先に掴んだ優勝を、
確かなものに

――各大会を通じての反省点は、どうでしょうか。

関 オールジャパンのビキニでは、コンディション管理の甘さがありました。フィットモデルでは準備不足を集中力で補えたけれど、再現性があるかは分かりません。グラチャンは自信不足だったと感じています。

――改善点は、どのように考えていますか。

関 「余計なことはしない、普段通りに過ごす」の徹底ですね。有難いことにグラチャン終わりからゲストポーズや講習会など、オフシーズンでも人前に立つ機会が増えました。いつもは好きなものを好きなだけ食べて過ごしてしまうオフシーズンですが、トップ選手のように『いつでもステージに立てる状態を維持すること』を意識して、食事管理に気を付けています。そして何より、自分の身体づくりに自信が持てるよう、日々のトレーニングやポージング練習を積み重ねることが重要だと感じました。

夫の存在が筋トレのきっかけ
ハードな日々の精神的支柱に

――トレーニングを始めたきっかけでもある、関西メンズフィジーク176㎝ 以下級で準優勝なされたご主人・素灯(もとほ)さんの存在も大きいのですね。

関 コロナ過で運動不足だった私をジムに誘ってくれて、それからはずっと一緒にトレーニングしてくれています。本当に感謝していて、心の支えです。夫が出場する大会で、女子選手たちを目にして『私もやってみたい!』と感じ、選手の道へと進みました。

――現在のトレーニング頻度と内容について教えてください。

関 家業の鉄工所で働いており、平日のトレーニングは仕事終わりの夜に行っています。週5~6日、1回1時間半から2時間です。部位分けは厳密ではなく、前回のトレーニングから4日以上空かないように、身体のバランスをみて強化したい部分をトレーニングしています。脚は前後で分け、週2回。審査員からのフィードバックで「筋肉のバランスがいい」「ここが弱点という箇所が無い」と仰っていただけているので今のバランスを保持しつつ、オフシーズンの今は胸も鍛えています。上半身はワイドだと褒められますが、自分では胸の厚みが薄いと感じたので、今はベンチプレスを35~40㎏で6~8回、丁寧に扱っています。脚の日のスクワットは65㎏~ 70㎏で6~8回。アウトラインを作るサイドレイズは、2・5㎏~5㎏で30回を4セットほぼ毎日やっています。

――減量方法について教えてください。

関 減量末期でも摂取カロリーを基礎代謝以下に落とさないように気を付けています。有酸素はせずに、トレーニング後の時間はポージングに充てるようにしていますね。以前1カ月ほど有酸素を試しましたが、疲労が溜まり逆に体重が落ちませんでした。朝はプロテイン・バナナ・プルーン。昼と夜はお米・鶏むね肉・ブロッコリー・オクラで固定です。
1日の4食は毎日アプリで管理してPFCも計算していますが、特に重視しているのは1日の総摂取カロリーを守ることですね。

――減量のために、ご夫婦で登山をされているのだとか。

関 昨年は夫と一緒に、減量のために剣山系の三嶺(みうね)に登りました。標高が1894m もあり、上りはあまりのキツさに途中で下山したくなりましたね。朝から何時間もかけて歩いて、2500kcalほど消費していてびっくりしました。今年は主人が減量しているので、標高が1982m もある西日本最高峰の石鎚山にチャレンジする予定です。

フィットモデルと
ビキニを極める二刀流

――フィットモデルとビキニを両立する理由は、何でしょうか。

関 単純に両方好きだからです。もともとはフィットモデルのドレスが着てみたくて競技をはじめましたが、同じ身体づくりをしているのにどちらか一つしか出ないのは勿体ないかなと思いました。MAXGYMのコーチに「せっかく減量して大会に出るなら、両方出てもいいんじゃない?」とアドバイスしていただいて。せっかくなら、全部のタイトルを取りにいこうと思いました。

――フィットモデルとビキニの違いは、どのように出していますか。

関 同じ身体でも身体の使い方、ステージング次第で見え方が全く変わると思っています。ビキニは華やかで自信に満ちた印象を与えるポージング、フィットモデルはエレガントで優雅、指先まで力んでいない立ち振る舞いを意識しています。日々の身体づくりは変えず、ポージングとウォーキングの変化やヘアメイクで違いを表現しています。

――今年の大会出場については、どのようにお考えでしょう。

関 昨年の大会結果を踏まえて、国際大会の派遣選手に選ばれたら挑戦したいと考えています。日本代表として、世界で戦ってみたいですね。

――フィットネスにおける、関さんの最終目標は。

関 『徳島から世界へ』です。フィットモデルとビキニの両方で上を目指したいですね。自分の作り上げてきた身体が、世界ではどこまで通用するのかを試してみたいです!

関裕美(せき・ひろみ)
1997年4月8日生まれ/28歳/身長:163cm/体重:49kg(オン)、60kg(オフ)/会社員
2023年関西フィットモデル選手権オーバーオール優勝
2024 ALL JAPAN フィットモデルチャンピオンシップス163cm以下級4位
2025 ALL JAPAN フィットモデルチャンピオンシップス163cm 以下級 優勝
GRAND CHAMPIONSHIPS 2025 ビキニフィットネス5位

取材・文:山口夏織 大会写真:中原義史 トレーニング撮影:岡 暁

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