寺山諒の胸トレの組み方
「最初に重量を扱い全体の質の向上を狙う」

基本的にはヘビーな種目から軽い種目へと移っていくようにメニューを組んでいます。最初の種目で重量を扱えるようになることで、種目全体の水準が上がるという考え方を大事にしています。
1種目目のベンチプレスは、自分の持てる重さの基準を確認するための種目として採用しています。フォームは、動作中の自然な踏み込みでお尻が浮く程度で、わざとお尻を挙げて高いアーチを作るようなことはしません。可動域をしっかり取った上で重たいものを持つことで、結果として筋肉に効くという意識が大事です。
自分のトレーニングでは、RM換算表を活用するのがポイントです。今の自分の挙上回数なら1RMは何kgなのかを見たり、同じ4回だったとしても、最後のレップが軽かったか重かったかで表の見方を工夫したりといった感じです。「1RMで何kg挙がる」ということがわかると、自信が持ててセットも組みやすくなります。
第2種目のインクラインベンチプレスでは大胸筋の上部を狙います。インクラインだからと言って難しいことを勘帰るのではなく、重力に対して真っ直ぐ逆らうことを考えます。そうすることで、自然とベンチの角度の違いによる効果を得られると思っています。
3種目目はハンマーインクラインチェストプレスです。プレスが3種目続くので、安定感を得ることや力の発揮が難しくなる頃合いです。ここまでで大胸筋はパンパンになっているので、押すだけで刺激することができるマシンを選んでいます。あとは、このマシンは少し内側に絞り込むような軌道になるので、その点もフリーウエイトとは差別化されます。

続いて、4種目目のインクラインダンベルフライでは、ストレッチをかけていきます。ここまででプレスが3種目連続しているので、違う負荷を与えるのが狙いです。インクラインにすることで、フラットのダンベルフライよりも肩が楽になったり、胸が立ち上がりやすくなったりというメリットを感じています。自分の中では、胸のトレーニングでは、わざと胸を張るのではなく、息を吸ったら自然と胸が挙がる感覚を大事にしています。そういう意味では、インクラインダンベルフライはフラットよりは自分に合っています。
最終種目はディップスです。この種目は、大胸筋株を狙うことと、肩関節周りの操作を習得することが目的です。自分の体が上下するという特徴を活かすことで、ただいい姿勢や呼吸を保てば、ピンポイントで下部に刺激を入れることができるのがディップスの良いところです。
てらやま・りょう
1995年9月12日生まれ、東京都出身。身長170.4㎝。パーソナルトレーナーとして活動。日本ボディビル界トップクラスのバルク派として活躍中。2024年日本男子ボディビル選手権5位。2025年日本男子ボディビル選手権4位。2025年ジュラシックカップグランドクラス優勝
文:舟橋位於 ポートレート写真:岡部みつる 大会写真:中原義史 Web構成:中村聡美











