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「トレーニング」だけでなく「栄養戦略」がカギを握る!管理栄養士が解説する「HYROXアスリートが意識したい栄養素」

8月にHYROX千葉大会に出場予定で、一般競技者からトップアスリートまで、さまざまな選手の栄養サポートを行う管理栄養士・健康運動指導士のTejinが、「HYROXアスリートが意識したい栄養素」について解説します。

HYROXとは?

HYROXは「ランニング+ファンクショナルトレーニング」を組み合わせた国際的フィットネスレースです。

「1kmラン→ワークアウト→1kmラン→ワークアウト」を合計8回繰り返すシンプルかつ標準化された競技形式で、世界中で急速に人気が高まっています。

ワークアウト種目は、

・スキーエルゴ
・スレッドプッシュ
・スレッドプル
・バーピーブロードジャンプ
・ローイング
・ファーマーズキャリー
・サンドバッグランジ
・ウォールボール

で構成されており、持久力だけでなく全身の筋力や筋持久力も求められるのが特徴です。

一般競技者からトップアスリートまで幅広い層が参加しており、「世界共通ルール」でタイムを競う競技として注目されています。

参考:HYROXについて | HYROX

HYROXの競技特性

腕立て

HYROXは約60〜90分前後にわたり、高強度運動を繰り返す競技です。

ランニング能力だけでなく、

・下半身筋持久力
・全身持久力
・筋出力
・心肺機能

など総合力が求められます。また、

・大量発汗
・筋損傷
・着地衝撃
・糖質消費

も大きく、コンディショニングの差がパフォーマンスへ直結します。

そのためHYROXでは、「トレーニング」だけでなく、「栄養戦略」が非常に重要です。

HYROXアスリートが意識したい栄養素

炭水化物

バルクアップのための食事では何が大切?(基礎知識編)

HYROXではランニングと高強度ワークアウトを繰り返すため、大量のエネルギーが消費されます。

特に、

・スレッドプッシュ
・バーピーブロードジャンプ
・ウォールボール

などは解糖系への依存度が高く、筋グリコーゲンの消耗が激しい種目です。

炭水化物不足になると、

・後半の失速
・集中力低下
・筋分解
・回復遅延

の原因になります。

また、エネルギー不足状態が続くと、相対的エネルギー不足(REDs:エネルギー不足によるコンディション低下)やケガリスク増加にもつながります。

特にトレーニング量が多い選手は、「糖質をしっかり取る」ことが重要です。

たんぱく質

たんぱく質は筋肉の材料となるだけでなく、筋損傷からの回復や免疫機能維持にも重要な栄養素です。

HYROXでは、

・ランニング
・ランジ
・ウォールボール

などによる下半身へのダメージが大きく、回復が不十分になるとパフォーマンス低下やケガの原因になります。

一方で、過剰摂取は胃腸負担や脱水リスクにつながる可能性もあるため注意が必要です。

1回で大量に取るのではなく、分食を活用しながらこまめに摂取することがポイントです。

詳しくは以前解説した記事も参考にしてみてください。

■参考:

 

鉄分

鉄は酸素を運搬するヘモグロビンの材料となる栄養素で、持久力やスタミナに深く関わります。

HYROXではランニング量が多いため、

・足裏の衝撃による赤血球破壊
・発汗による鉄損失

が起こりやすく、鉄不足に注意が必要です。

鉄不足になると、

・疲れやすい
・息が上がりやすい
・持久力低下

などの原因になります。

特に減量中の選手や女性アスリートは意識したい栄養素です。

鉄分は、

・赤身肉
・レバー
・マグロ
・アサリ

などに多く含まれています。

電解質(ナトリウム・カリウム・マグネシウム)

HYROXは運動強度が高く、大量発汗しやすい競技です。

電解質が不足すると、

・脚攣り
・集中力低下
・脱水
・パフォーマンス低下

につながります。

特に汗量が多い選手は、水だけでなくスポーツドリンクや塩分補給も重要です。

マグネシウムは筋収縮や神経伝達に関与しており、不足すると筋肉の攣りや疲労感につながる可能性があります。

マグネシウムを多く含む食材として、

・ごま
・アーモンド
・わかめ
・豆腐
・納豆
・バナナ

などが挙げられます。

カルシウム

HYROXでは長時間のランニングによって骨へ繰り返し衝撃が加わります。

カルシウム不足は疲労骨折リスク増加につながる可能性があり、骨のコンディショニングにも注意が必要です。

特に減量中や食事量が少ない選手は不足しやすいため、

・乳製品
・小魚
・大豆製品

などを活用したい栄養素です。

ビタミンK

ビタミンKはカルシウムを骨へ取り込む働きに関与します。

ランニング量が多いHYROXでは骨ストレスも大きく、カルシウムと合わせて意識したい栄養素です。

納豆はビタミンKを豊富に含む代表食品として知られています。

抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・E)

高強度運動を繰り返すHYROXでは、体内で活性酸素が増加します。

過度な酸化ストレスは、

・疲労蓄積
・回復遅延
・免疫低下

につながる可能性があります。

果物や野菜を十分に摂取し、抗酸化ビタミンを補うこともコンディショニングには重要です。

まとめ

HYROXでは、
「走れる身体」と「高出力を維持できる身体」の両方が求められます。

そのため、

・炭水化物によるエネルギー確保
・たんぱく質による回復
・鉄や電解質によるコンディショニング
・骨や筋肉を守る栄養管理

などを総合的に考える必要があります。

また、どれだけ良いサプリメントを使用しても、

・十分な総摂取エネルギー
・バランスの良い食事
・睡眠
・リカバリー

が不足していては、パフォーマンス向上にはつながりません。

HYROXはトレーニング量が多く、消費エネルギーも大きい競技です。

「体重を落とすこと」だけではなく、「最後まで動ける身体を作る」という視点で栄養管理を行うことが重要です。

またHYROXは、日々の積み重ねがそのままパフォーマンスへ反映されやすい競技でもあります。

特別なことだけを行うのではなく、

・毎食しっかり食べる
・睡眠を確保する
・水分補給を怠らない

といった基本を継続することが、結果的に大きなパフォーマンス差につながります。

■著者プロフィール

申泰鎮(シン・テジン)
管理栄養士・健康運動指導士。高校時代のボクシング経験をきっかけにスポーツ栄養士を志す。現在はボクシングジムや大学ラグビー部で、増量・減量・コンディショニングに対応した栄養サポートを実施。競技者から一般層までを対象に、食事・サプリメント・身体づくりに関する実践的な支援を行う。執筆や講演活動も多数。

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