「体質改善」。よく耳にする言葉だが、一体どのようにして改善するのか?何をもって改善と言うのか?元Yoga&Fitness編集部員が、世間が決めた健康像や当たり前を疑い、体質改善を東洋医学の観点から深掘りしていく新シリーズ。読めば自分の身体に対する考えが180度変わるかもしれない。以降3回は特別編をお届け。
東洋医学と出合い、無理な食事制限や過度な運動をせず、1年間で18kg減量したTomomiさん。現在は、その経験をもとに、東洋医学と心理学をベースにした体質改善プログラムを主宰している。これまで1000人以上の身体を診てきたTomomiさんだが、もともとは自身も、“努力しているのに整わない”虚しさを抱えていたという。
「外から見ると“エネルギッシュ”、“順調そう”に見えていたかもしれません。でも、実際は元気を装っていて、内側ではずっと違和感を抱えていました」
これまで1000人以上、体質指導を行ってきたTomomiさん。東洋医学に出合う前は、自分の外側と内側のギャップに悩んでいたこともあったと教えてくれた。
「当時は学生をしながらインターンとして働いていたので、人前では元気に振る舞っていました。でも家に帰ると、何もしたくない、涙が止まらないという理由のない不安感がありました。夜は眠れないのに、朝は起きられない、こんな状態が続いていました」
体調面でも冷えやむくみ、重だるさを感じていた。特に、甘いものを強く求めてしまう時期が続いていたという。
「不安なときとか、ひとりになったときとか、“ちゃんとしなきゃ”と頑張った後ほど、甘いものが止まらなくなっていました。今振り返ると、甘いものは“安心剤”のような存在だったんだと思います」
小さい頃、泣き止ませるために甘いものを与えられていた経験があったというTomomiさん。本来の“甘味”は身体に安心感を与えてくれるもの。“甘いもの”は悪者なのではなく、過剰な欲求は身体からのSOSかもしれない。食べてしまう自分を責めるのではなく、甘いものが欲しくなる背景に目を向けてみること。
「特に、“努力しているのに整わない”“頑張っているのに報われない”という虚しさを強く感じていました。食事制限も、サプリも、流行りの健康法も、一通り試しましたが、どれも一時的で、“根本は変わっていない”ような感覚でした」
身体を整えたいと思って始めたことなのに、頑張るほど苦しくなる。これは、きっと多くの人にも覚えがある感覚なのではないだろうか。転機になったのは、東洋医学を通して、「足すこと」よりも、「引くこと」を学んだときだったそうだ。
「最初は、真逆のことをしていました。“食べなければ痩せる”“頑張れば結果が出る”と思って、極端に食事を減らしたり、抜いたりしていたんです。実際、一時的には体重も落ちました。でも、イライラや不安も増えて、冷えやむくみも悪化して、結局、リバウンドしてしまい、もっと痩せにくくなっていました」
東洋医学では、身体は「部分」ではなく、全体の流れとして見ていく。アーユルヴェーダには、「アグニ(消化力)」という考え方があり、どれだけ身体に良いものを取り入れても、消化できなければ負担になると考える。
「減らすこと自体が間違いだったわけではなくて、“自分の状態を見ずに減らしていたこと”が違ったんだと思いました。引き算って、やみくもに削ることじゃなかったんです。余計な負担を減らすこと。消化できない量を減らすこと。思考の執着を減らすこと。そういう意味だったんだなって。食事だけじゃなくて、環境や人間関係も含めて、“引き算”していった感覚です」
「良くしよう」と思って始めたことなのに、いつの間にか「どれだけ我慢できるか」の戦いになってしまうことがある。でも、本来の“引き算”は、「我慢」ではないのかもしれない。ご飯を食べない。甘いものを禁止する。そういうことだけではない。「こうしなきゃ」という思い込みや、自分を責める気持ちが緩んでいくと、身体は自然と流れ始める。東洋医学に出合って、初めて“心と身体はつながっている”ということを理論として理解したと話すTomomiさん。
「私は、“間違った方向に頑張っていたんだ”と気づいたとき、すごく腑に落ちました」
東洋医学を学び始めて、1年で−18kg体重を落としたTomomiさんだったが、なかなか変化が出ずに焦る時期もあったという。
「本当に意味あるのかな?」
そんな停滞期をTomomiさんはどう乗り越えていったのだろうか。
次回は、【後編】「停滞期の乗り越え方」を書いてみたい。
取材協力/監修 Tomomi
東洋医学・アーユルヴェーダ・心理学をベースにした独自の体質改善法を実践。自身も1年で−18kg、体脂肪率−10%を経験。その経験をもとに、これまで1000人以上の「心と身体の体質改善」をサポートしている。YouTube登録者数15万人以上。

執筆:松本奈美(まつもと・みなみ)
元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インドで生活し、『WORLD PEACE YOGA SCHOOL 200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了。現地でアーユルヴェーダや自然療法に触れる。
インド体験記やインド医師への取材によるナチュロパシー(自然療法)特集、インドネシアのモリンガ特集などを執筆。
2024年より体質改善分野の執筆・制作に携わり、2025年からは体質改善講師としても活動を開始。東洋医学(アーユルヴェーダや中医学)の視点をもとに、「自分に戻るための体質改善」をテーマに活動を行っている
-ライフスタイル, ヨギー
-旅からみえた体質改善














