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【筋肉が増えなくなったら試すべき】ネガティブフィードバックを防ぐ3つの食事スケジュールとホルモン制御【米フィットネス誌に学ぶ】

ホルモンは分泌量が増えれば増えるほど良いというものではない。血中のホルモン濃度が高まりすぎると、体は自ら分泌を抑制する「ネガティブフィードバック・システム(負のフィードバック機構)」を働かせる。筋肥大を目指すボディビルダー、アスリート、トレーニング愛好者は、この仕組みを正しく理解し、トレーニングや栄養、休養計画を立てる必要がある。

そこで、本記事では米フィットネス誌がまとめたネガティブフィードバック・システムに関するレポートを徹底解説する。

本記事は、海外のフィットネス事情やトレーニング文化に関する情報をもとに構成された翻訳・編集記事です。日本国内の事情や環境とは異なる部分も含まれます。

(IRONMAN2025年10月号「from IRONMAN USA」より転載)

 

アナボリズムとカタボリズム

競技選手の中には、シーズンを終えオフ期に入っている人もいるだろう。ボディビルダーは、1年をオフ期と減量期に分け、食事の量や質を変化させることが一般的だ。

オフ期は食事量が増え、ハードなトレーニングで筋発達を促進する。逆に、減量期に入ると筋量を維持しつつカロリー制限をすることで体脂肪を減らし、理想のコンディションを目指す。

ボディメイクはアナボリズム(同化作用)やカタボリズム(異化作用)と切っても切れない関係にある。どちらも生命維持に不可欠な代謝活動であり、これによってエネルギーを産生・貯蔵し、体重の増減、老化のような身体の変化をもたらす。

 

ネガティブフィードバック・システムとは

エアコンの空調とネガティブフィードバック・システムは似ている

 

エアコンの空調

ネガティブフィードバック・システム

私たちの身体は、恒常性により身体の負担を減らしている。しかし、その機能の一つであるネガティブフィードバック・システムはトレーニングの停滞を招く可能性がある。

トレーニングで筋線維が傷つくと、身体は修復反応を開始する。同時に、将来同じ負荷に耐えられるよう、筋出力の向上と筋線維の肥大化、すなわち筋発達を促す。

しかし、この適応反応は永遠ではない。トレーニング歴が長くなり、強度も高くなるにつれて、多くのトレーニーが停滞期を迎える。これは、同化作用がピークに達し、それ以上の筋肥大を防ごうとする異化作用が起きたからと考えられる。

このような停滞期を抜け出す方法はいくつかあるが、ここでは食事からのアプローチを紹介したい。

 

生命維持機能を呼び起こすには

筋発達を促すには、アナボリックホルモンを活性化させる必要がある。その鍵となるのが意図的な飢餓状態を起こすことだ。

現代とは違い、かつてのヒトは飢餓と豊食を繰り返す環境に適応してきた。食べ物が足りなければ食欲を抑え、体内の貯蔵エネルギーを活用し、次の豊食期に備えていた。

しかし、飽食の現代社会ではこうした適応反応はほとんど機能していない。このアナボリックな状態にするには、意識的な食事制限や断食が有用だと考えられている。

 

断食でアナボリズムが高まるメカニズム

断食や食事制限

カタボリズムの活発化摂取エネルギーが不足すると、体内に貯蔵された脂肪や筋タンパク質を分解し、エネルギー源として利用する。

アナボリズムの応答カタボリズムに対し、エネルギー物質の過度な消費を防ぐためにアナボリズム(同化作用)が高まる。このとき、細胞内ではサイクリックAMPと呼ばれる因子が活性化される。

ホルモン分泌の促進サイクリックAMPが脳の視床下部や下垂体を刺激し、成長ホルモンなどの分泌が促進される。

 

食事サイクルで停滞打破

食事サイクルで停滞打破

ネガティブフィードバック・システムによる停滞を解消する戦略として、「オーバーカロリー期」と「食事制限期」を交互に繰り返す方法がある。定期的な空腹状態は、特に肝臓の解毒機能を促し、ステロイドホルモンの体内調節を円滑にすると考えられる。

情報に振り回されない

今回紹介した食事サイクルは、筋量増加だけでなくコンテストに向けたコンディション調整にも役立つと思われる。しかし、現状で減量計画が順調なのであれば、この方法を無理に試す必要はない。

減量期に入ると心の余裕が無くなり、多様な意見や情報に振り回されがちだ。計画が成果を出している限り外部の情報を制限し、自信を持って最後までやり遂げよう。実践中のプログラムで結果が得られているうちは、他の方法に安易に切り替えないことが成功の秘訣だ。

空腹時のトレーニングも効果的

空腹のまま運動すると、エネルギー源を得るために体内ではカタボリズムが高まり、筋肉や脂肪細胞に蓄えられているタンパク質や脂質をエネルギー源として消費する。

同時に、そのようなカタボリックな反応を抑えるために、体内ではホルモン環境が調整されてアナボリックな反応が高まるようになる。

そのタイミングでトレーニングを終え、その後の食事で十分な栄養素を摂ることができれば、効率的に筋肉に栄養が届く。

インスリンの急上昇を防ぐ

インスリンの急上昇は、アナボリックホルモンの活性化を阻害する可能性がある。そのため、加工食品や砂糖を含む食品は避けるべきだ。水分補給にはコーヒー、紅茶、無糖のホットチョコレートなどが良い。

【食事制限期の注意点】■ 完全断食はNG

アナボリズムを高めるための食事制限では、1週間にわたり完全な断食をすることは勧めない。「普段より食べる量を減らす」程度の意識でも効果が期待できる。低GIの果物や野菜を中心とし、少量のタンパク質を摂ろう。

【オーバーカロリー期の注意点】

■ なんでも食べるのはNG
普段の食事もオーバーカロリー期も複数の食材から栄養を摂ることが理想だ。タンパク質は、全ての必須アミノ酸を含む食材を選択する。

また、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をバランス良く摂取する。これらの必須脂肪酸は、細胞の成長促進だけでなく、ホルモン合成にも欠かせない。

■ 高強度トレーニングが前提
オーバーカロリー期にトレーニングを怠れば体脂肪が増えるだけだが、高強度トレーニングを継続することで代謝が促され、筋量を増やすことができる。

ボディビルダーと食事サイクル

減量期のボディビルダーは、厳格な食事制限の末に皮膚が張り付いた質感を出す。中にはコンテスト直後に制限していた炭水化物を摂取することで最大限のアナボリック状態になる人もいるが、大会に慣れている人は直前の食事サイクルを調整し、コンテスト当日にピークを合わせることができる。

多くの選手がコンテスト開始の数時間前から高炭水化物食を摂取し、減量で萎んでいた筋肉を一気に膨らませて最高のコンディションを作るのだ。

 

ライフスタイルに合わせたプログラム

仕事や日々のスケジュールによって生活パターンは人それぞれ異なるので、自分にとって最も実践しやすいタイプを選んでみよう。異化分解を防ぐため、食事を制限する時間は10~16時間が望ましい。

タイプ 1

1日の食事スケジュールを調整できる人

1日の中でサイクルを回す

この方法では、起床後の朝から夕方までカロリーを控え、夜は好きなだけ食べる。
トレーニングを行う日は空腹状態で行い、その後の食事でアナボリック作用を引き出す。

タイプ 2

毎日最低限の食事量を確保したい人

炭水化物の量を調整する

低炭水化物の日
ブロッコリー、カリフラワー、かぼちゃなど
高炭水化物の日
パスタ、米、オートミールなど
炭水化物とタンパク質の比率は1:1から1:1.5が目安。

タイプ 3

食事制限の日を作れる人

食事制限日とオーバーカロリー日を交互に繰り返す方法

食事制限日
夕食のみ通常通り
オーバーカロリー日
日中はカロリーを控え、夕食に重点を置く

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