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残暑の減量で失敗したくない方へ:正しい水分補給とスキムミルクの活用法【米フィットネス誌が伝授】

ここ数年、温暖化による気候変動で気温が上昇している。また、真夏日なども従来よりも長期間に及んで観測されるようになってきており、体調を崩す人も少なくない。特に減量を伴うボディビル選手や、アスリートにとって、夏の疲れがピークに達する残暑厳しいシーズンは過酷な状況に陥りやすい。

そこで、本記事では残暑における水分補給に注目し、米フィットネス誌がまとめた「脱水による減量失敗」を防ぐ方法についての報告を詳しく解説する。

本記事は、海外のフィットネス事情やトレーニング文化に関する情報をもとに構成された翻訳・編集記事です。日本国内の事情や環境とは異なる部分も含まれます。

(IRONMAN2025年10月号「from IRONMAN USA」より転載)

 

脱水によるパフォーマンスの変化

「根性論」が主流だった時代、「運動中に水を飲むな」という言葉をよく耳にした人も多いのではないだろうか。脱水状態に陥るだけで体重は4%も減少するとされているが、水分喪失による身体能力への影響は、これまでの研究で一貫性のない結果が報告されてきた。

脱水が随意筋収縮やベンチプレスの1RMに影響しないとする報告がある一方で、サウナ後のレッグプレス実験では筋出力の低下が確認されている。

別の研究では、長時間の運動による脱水が対象筋への血流量減少、炭水化物の酸化促進、筋グリコーゲンの早期枯渇、および乳酸生成量の増加を通じて、疲労度を増大させることが示唆されている。

また、7人の成人男性を対象とした別の研究では、全力で自転車漕ぎを30秒間行い、運動の開始前、運動中、運動後に「ウイングゲート無酸素運動テスト」にて筋出力がどのように変化するかが調べられた。

その結果、被験者の体重は発汗によって約3%減少し、さらに疲労の程度が70%増加した。また、上半身で17.17%の平均出力低下、下半身で19.2%の平均出力低下を示し、過去の研究で示された結果と一致した。このことから、脱水は無酸素性パワーを生み出す能力を低下させると考えられる。

カリウム喪失による悪影

脱水症による筋出力の低下はミネラル喪失を招くと考えられる。特に細胞内カリウムの濃度が低下すると、筋収縮に不可欠なカルシウムの利用効率を損なう。結果として細胞レベルでの筋収縮機能が低下し、筋力パフォーマンスが低下すると考えられる。

体温上昇との関係

体温の上昇に伴う発汗は脱水症状を引き起こす。脱水症状によって筋肉内の温度が上昇すると、筋線維中の水素イオン濃度が酸性に傾く。これにより、エネルギーを産生する酵素の活性が阻害される。その結果、筋肉疲労が増大し、運動強度が低下する。

喉が渇いてからでは遅い

ある調査によると、アスリートは運動中に失った水分の平均3分の2程度しか水分補給しないと報告されている。体重の3%以上の水分が失われると無酸素運動能力が低下するため、特にウエイトトレーニングや高温多湿の環境下で運動をするときは、セット間や種目間の休憩中に水分を小まめに摂取することを勧めたい。

喉の渇きはすでに脱水が始まっているサインだ。トレーニングを始めたら、喉が渇くのを待たずに少しずつ水分補給をしよう。

 

大会調整に利尿剤は使うべきか?

ボディビルダーの調整方法として、コンテスト直前に体内の水分量を減らして筋肉のカットやセパレーションを強くするものがある。しかし、中には利尿剤を乱用して極度の脱水症状が起き、緊急搬送されるケースもある。

ユタ大学の研究では、安静時の代謝率と利尿剤の影響が調査された。利尿作用のあるハーブサプリメントは軽度の脱水状態が見られたが、安静時の代謝にはほとんど影響がなかった。これに対し、医薬品の利尿剤(ラシックス)を被験者に投与した結果、安静時の代謝率が低下した。

この実験から、利尿作用のあるハーブサプリメントは体内の余分な水分を排出することに役立つ一方で、医薬品の利尿剤は作用が強力であり脱水を通じて安静時の代謝を低下させる危険性があることがわかった。

 

スキムミルクが脱水を予防する?

『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション』によると、牛乳は水よりも水分補給に効果があることが示唆されている。この研究では、被験者に発汗によって体重の2%を減少させた後、スキムミルク、水、またはスポーツ飲料(パワーエイド)を摂取させた。

その結果、スキムミルク群は摂取した水分の70%を体内に保持できたが、水やスポーツ飲料群は35%にとどまった。牛乳に含まれるミネラルやタンパク質が体内水分量の滞留に役立ったのではないかと推測されている。

減量中は牛乳を敬遠しがちだが、研究では乳脂肪分がほとんど含まれないスキムミルクが用いられている。安静時の代謝率低下を防ぐためにも、スキムミルクは水分補給の手段として活用できる可能性がある。

 

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