2025年1月3日。山岡聖怜(やまおか・せり)さんはマリーゴールドのリングでプロレスラーとして産声を上げた。幼少期からウェイクボード、レスリングの下地があり、しかもそれぞれの競技でトップクラスの成績を残してきたことも手伝って、“スーパールーキー”としてデビューを果たした。現在19歳だが、アスリート歴は15年近くになる山岡さんにボディメイクについて聞くインタビュー、後編はボディメイクにおける食事、そして現在ボディメイクをしている中高生へのアドバイスを聞いた。

怪我で上半身のトレーニングはあまりできていないという山岡聖怜さんだが…(撮影・橋場了吾)
自分で食事をコントロールできる日は、野菜、鶏むね、卵が中心の食事
レスリング時代、山岡聖怜さんは試合に合わせて増量期と減量期を作っていた。一度増量し、2週間で7kgほど落とす。この繰り返しの際には、どのような食事をしていたのか。
「増量するときは、とにかく肉とご飯でしたね。実は小さいころは偏食がすごくて、野菜とお菓子だけを食べていた子どもでした。でも、自分のレスリングの師匠に合宿のときにバーベキューの肉をたくさん食べるように言われて……いつの間にか食べられるようになって、今では好き嫌いがなくなりました。減量期は、少しずつ食事の量を減らしていって、ごはんも玄米に変えて、肉も鶏にして。最終的には、水を炭酸水に変えて、という感じでしたね。自分の場合は水抜きをすると動けなくなるので、さらに減量しないとだめなときは、ごはんを抜いて酵素を摂るようにしていました。その酵素が苦手で……飲まなかったら、親にばれて怒られました(笑)。今でも、体重の増減をコントロールしやすい体質ではありますね」
プロレスラーになってからはある程度肉をつけていくことが求められた山岡さんだが、食事には注意を払っている。
「お付き合いでごはんを食べに行くことがあるんですけど、どうしても重たい食事になりがちじゃないですか。なので、それ以外では野菜、鶏むね肉中心にして、お米も摂るとしても玄米にしていますね。あとは卵ですかね」
前編の通り、山岡さんは5月から怪我の治療に入り、今は下半身のトレーニング中心のメニューをこなしている。とはいえ、上半身もたくましさを保っているが、自分自身は納得がいっていないという。
「今は左肩が動かせないので、上半身はあえてあまりやっていないというか……左右差がつくのが嫌で。実は何もしなくても筋肉はつきやすいので、筋トレをプラスすると逆に戻すのが大変になっちゃうんです。今は10月24日の両国国技館大会の復帰を目指しているんですが、間に合うかどうかわからない感じですね」
中学生までは鍛えすぎない、高校生になってから筋トレを始めるのが理想

デビュー戦から見事なジャーマンを放った山岡さん(©マリーゴールド)
山岡さんのアスリートキャリアは、怪我との戦いもある。
「自分の場合は、(気持ちが)めちゃくちゃ下がりますね。下がるところまで下がって、病みまくっていた時期もあります。レスリングをやっていたときは、肩が悪くなって、良くなったと思ったら前十字靭帯をやっちゃって、手術してから1年間は運動ができないと。レスリングの場合、1日練習しないと3日していないのと同じと言われていて、1年できなかったら3年じゃないですか。やっぱりそれは、それなりに上の位置(日本大会で5位以上を4度獲得)で戦っていた自分のプライドが許さないんですよね。復帰したとしても何も成績を残せなかったらどうしようとも思いましたし、同期が活躍しているのを見るのも、(精神的に)きつかったですね。だからこそ、ゼロからキャリアを作ることができるプロレスと出会えて、ジュリアさん(マリーゴールドの旗揚げに参加し、現在はアメリカの団体・WWEで活躍中)という憧れができたのは大きかったですね」
レスリングの下地があり、練習時の動きも新人離れしていた。デビュー前から“スーパールーキー”と呼ばれた山岡さんには、プレッシャーとの戦いも加わった。
「大きなメディアに取り上げられるようになったのも初めてでしたし、まだデビューもしていなかったので、(試合会場の)プロレスのリングがどんな感じかもわからなかったですし。正直、推されていない人は羨ましいです。自分の力で這い上がった選手は、推されている人の気持ちはわからないと思うので、お互い“ないものねだり”なのはわかるんですけど、自分は推されていなくても上に行く自信はあるので、その点では(ロッシー)小川さんを恨んでいます(笑)」
※ロッシー小川氏…マリーゴールド創設者にして団体の代表者
このように山岡さんは、競技こそ違えど常に最前線で動き続けてきたアスリートだ。その山岡さんに、現在ボディメイク真っ最中の中高生にアドバイスをお願いしたところ、「あくまで自分が経験してきた範囲内で」という前置きでこう答えてくれた。
「中学生までは成長期なので、栄養を取りながらトレーニングをして、ジャンプ系の運動がいいかなと思います。それで、高校生から筋トレを始めるのが理想的なんじゃないかなと。食事制限ではなくて、ちゃんと野菜を食べて、カルシウムも大事ですね。あとは睡眠も大事です。規則正しい生活をすることで、筋肉のつき方・身長の伸び方・体型が決まるのかなと思います」
執筆者:橋場了吾
札幌市出身。ラジオ局で社会人としてのキャリアをスタートさせ、
イベントプロデュースの傍ら、プロレスラー、タレント、ミュージシャンなどのインタビューを行う。










