昨年は80kg以下級に出場し、ファイナリストたちの厚みを間近で見て、自身の筋量不足を痛感したという。そこからトレーニングや減量を見つめ直して挑んだ、今年の日本クラス別選手権。近藤孝仁は階級を上げ、85kg以下級で優勝を果たした。本来は来年と考えていた日本選手権への挑戦が、現実味を帯びてきた。
[月刊ボディビルディング2026年11月号より]
【写真】デカい!逆三角形!ボディビルダー・近藤孝仁選手が作り上げた肉体美

2026年日本クラス別ボディビル選手権85kg以下級優勝の近藤孝仁
――昨年の80kg以下級から階級を上げての優勝です。
近藤 昨年、『月刊ボディビルディング』に取材していただいたときに「来年の目標はベスト3」と言っていた中で、結果的に優勝できたので素直に嬉しいです。
――昨年の段階で、階級を上げることは意識の中にあったのですか?
近藤 昨年の段階では、まだそこまでは考えていなかったです。ただ、去年は初戦として、7月に東日本選手権に出たんですよ。そのときの検量で82kgくらいでした。そこから日本クラス別まで2カ月ほどあったんですが、体重が82kg前後で推移していたので、「このままじゃ80kgを切れない」という感覚が自分の中にありました。
――意図的にこの1年間、バルクアップに取り組んだということはありますか?
近藤 それはあります。昨年の80kg以下級では須山(翔太郎)さんが優勝されました。ステージ裏でその体を目の当たりにする中で、自分の厚みのなさをすごく感じました。「この1年で絶対にバルクアップして、来年はバルクで勝負する」という気持ちでトレーニングしていました。
ビッグ3は、また一から見つめ直して、重量を上げていくという意識を持ちました。食事も米をもっとたくさん食べました。一番多い時期で、炊き上がりの米を400g、5食です。
――今回の優勝で、日本選手権も視野に入ってきたのではないでしょうか。
近藤 筋量的に、80kg以下級へ出たときの体では、日本選手権では到底通用しないと思っていました。だから、今年はバルクを絶対に落とさない減量をしようと決めていたんです。「来年、日本選手権に挑戦できるよう、絞りが甘いと言われようが、絶対に筋量を落とさない」という意識で減量に取り組みました。それもあって、今年は85kg以下級に出たかったんです。
――減量中に筋量を落とさないという点で、自分の中で注意したことは何ですか?
近藤 まず、食事量は絶対に落とさないことです。今でも、ほぼ減量初期と同じくらい米は食べています。重量を落とさないという点では、僕の中ではビッグ3、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトを基準に考えています。精神論になってしまいますが、トレーニング前には、人一倍集中しようという気持ちを持って臨んでいます。
――食事量を減らさない中で、体重の減少が止まったときには、どのように変化をつけるのですか。有酸素運動を増やす?
近藤 僕は基本、バイクで出勤しているんですけど、一度目に体重が止まったら自転車にします。二度目に止まったら、食事を少しサイクルさせます。落として、落として、上げて、というように。
――実際に、当日の仕上がりは、昨年と比べてご自身の感覚としてはどうでしたか?
近藤 正直、ステージに立ってみないと分からないという感じでした。自分で鏡を見ても、本当に変わっているのかなという感覚はありました。ただ、特にハムストリングや臀部は、去年のほうが薄いなと思いながら当日を迎えましたね。
――では、本格的な日本選手権参戦は来年という感じなんですね。
近藤 今年、日本選手権は見送るつもりだったのですが、出場を検討しています。日本選手権のトップクラスの選手達にはまだ現段階では通用しないという自覚はありますが、どれくらいの差があるのかこの目で確かめたくなっています。そして、その差を1年間で埋めて、来年はファイナリストを本気で狙っていきます。
PROFILE|近藤孝仁(こんどう・たかひと)
1989年12月21日生まれ/36歳/埼玉県出身/身長174cm/体重83kg(オン)、95kg(オフ)/2025年東日本ボディビル選手権大会優勝。2025年埼玉ボディビル選手権大会優勝。2025年日本クラス別ボディビル選手権80kg以下級6位。2026年日本クラス別ボディビル選手権85kg以下級優勝
取材・文:藤本かずまさ 撮影:中原義史











