プロテイン フード&サプリ

プロテインってどれを選べばいいの?「ホエイ・ソイ・カゼイン・エッグ・スキムミルク」を徹底比較!管理栄養士が目的別の選び方を解説

「プロテインを飲みたいけれど、種類が多くてどれを選べばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

プロテインには、ホエイ、ソイ、カゼイン、エッグなど、原料の異なる種類があります。また、プロテインパウダーとは少し異なりますが、スキムミルク(脱脂粉乳)をたんぱく質補給に活用する方法もあります。

それぞれ原料だけでなく、消化・吸収の特徴や乳糖の量、栄養面にも違いがあります。大切なのは「どれが一番優れているか」ではなく、自分の目的や体質、食生活に合ったものを選ぶことです。

今回は4種類のプロテインとスキムミルクについて、それぞれの特徴と選び方を管理栄養士が解説します。

プロテインは何が違う?

プロテインを比較するときに注目したいのが、「原料」「消化・吸収」「アミノ酸」「乳糖」「栄養面」です。

特に筋肉づくりで重要なアミノ酸の一つが、必須アミノ酸の「ロイシン」です。ロイシンは筋タンパク質合成を促すうえで重要な役割を持っています。

また、プロテインによって消化・吸収の特徴も異なります。ホエイは速やかに消化・吸収される一方、カゼインは緩やかです。ソイやエッグも、それぞれ異なる消化・吸収の特徴を持っています。

さらに、牛乳由来のプロテインでも乳糖の量は同じではありません。スキムミルクは乳糖を多く含みますが、WPCやWPIは製造過程でたんぱく質を濃縮・分離するため、乳糖の量が少なくなります。

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしやすい人にとっては、この乳糖量もプロテインを選ぶポイントになります。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ホエイプロテイン

筋肉づくりなら最も選びやすい

ホエイプロテインは、牛乳由来のプロテインです。

大きな特徴は、消化・吸収が速く、摂取後に血中アミノ酸濃度が速やかに上昇することです。また、筋タンパク質合成に関わるロイシンを豊富に含みます。

健康な若年男性を対象に、ホエイ、ソイ、カゼインを比較した研究では、ホエイ摂取後に血中の必須アミノ酸やロイシン濃度が大きく上昇しました。

さらに、レジスタンストレーニング後の筋タンパク質合成も、3種類の中でホエイが最も高い結果となっています。

そのため、筋肉をつけたい人や、トレーニング後に効率よくたんぱく質を補給したい人には、まず選択肢に入れやすいプロテインです。

WPCとWPIでは乳糖量が違う

ホエイプロテインには、主にWPC(ホエイプロテインコンセントレート)とWPI(ホエイプロテインアイソレート)があります。

WPIはWPCより精製度が高く、たんぱく質以外の成分がより取り除かれています。そのため、一般的にWPIはWPCより乳糖が少なくなります。

乳糖が気になる人は栄養成分や原材料を確認しながらWPIを選ぶのも一つの方法です。

ソイプロテイン

植物性のプロテインを選びたい人に

ソイプロテインは、大豆を原料とした植物性プロテインです。

「ソイは吸収が遅い」と紹介されることもありますが、ホエイ、ソイ、カゼインを比較した研究では、ソイも比較的速く消化されるたんぱく質として扱われています。一方、摂取後の血中必須アミノ酸やロイシン濃度の上昇は、ホエイの方が大きい結果となりました。

また、ソイを摂取した場合にも筋タンパク質合成は増加していますが、運動後の筋タンパク質合成は、この研究ではホエイの方が高い結果となっています。

そのため、筋肉づくりにも活用できますが、特に植物性のプロテインを取り入れたい人や、乳糖を避けたい人に使いやすい選択肢です。

また、ソイプロテインは大豆からたんぱく質を濃縮・分離したものです。納豆や豆腐などの大豆食品とは分けて考え、普段の食事も大切にしましょう。

カゼインプロテイン

ホエイより緩やかに消化・吸収される

カゼインもホエイと同じく、牛乳由来のたんぱく質です。

ホエイとの大きな違いは、消化・吸収の特徴です。カゼインはホエイと比較して緩やかに消化・吸収されます。

そのため、速やかにアミノ酸を補給したい場合はホエイ、緩やかな消化・吸収の特徴を活かしたい場合はカゼインというように使い分けることができます。

食事と食事の間隔が長くなるときや、就寝前などにも選択肢になります。

ただし、「トレーニング後は必ずホエイ」「就寝前は必ずカゼイン」と決める必要はありません。まずは1日に必要なたんぱく質を確保し、そのうえで目的に合わせて使い分けましょう。

乳糖の量は製品によって異なる

カゼインプロテインは牛乳由来ですが、製造過程でカゼインを濃縮・分離するため、高純度の製品では乳糖が少なくなります。

ただし、ミセラーカゼインやカゼイネートなど製法によって違いがあり、商品によって乳糖の含有量も異なります。

そのため、「牛乳由来だから乳糖が多い」と考えるのではなく、乳糖が気になる人は商品の原材料や栄養成分を確認するとよいでしょう。

エッグプロテイン

乳製品以外の動物性プロテイン

エッグプロテインは、主に卵白を原料としたプロテインです。

卵たんぱく質は必須アミノ酸をバランスよく含む、良質な動物性たんぱく質です。

消化・吸収はホエイほど急速ではなく、比較的緩やかなタイプとして考えると分かりやすいでしょう。

卵白と全卵を比較した研究では、卵白由来のロイシンは全卵より速く血液中に現れています。一方、運動後の筋タンパク質合成は全卵を摂取した場合の方が高い結果となりました。

この研究はエッグプロテインパウダーそのものを比較したものではありませんが、たんぱく質の吸収速度だけで食品の特徴をすべて評価できるわけではないことを示しています。

エッグプロテインは乳糖を含まないため、乳製品を避けながら動物性のプロテインを取りたい人にとって選択肢になります。

一方、卵アレルギーがある人は利用できないため注意しましょう。

スキムミルク(脱脂粉乳)

たんぱく質+カルシウムを補いたい人に

スキムミルクは、牛乳から脂肪分を取り除いて粉末にした食品で、「脱脂粉乳」とも呼ばれます。

一般的なプロテインパウダーほどたんぱく質を濃縮したものではありませんが、低脂質でたんぱく質を摂取できるのが特徴です。

文部科学省の日本食品標準成分表では、脱脂粉乳100gあたり、たんぱく質34.0g、脂質1.0g、カルシウム1,100mgが含まれています。

スキムミルクの大きなメリットは、たんぱく質だけでなくカルシウムも一緒に取れることです。

乳糖はWPCやWPIより多い

一方、スキムミルクには乳糖が100gあたり47.8g含まれています。

一般的なWPC80の乳糖含有量は100gあたり約4〜8g、WPIでは約0.5〜1gが目安とされており、スキムミルクにはWPC80の約6〜12倍の乳糖が含まれる計算になります。

ただし、プロテインの乳糖含有量は製法や製品によって異なります。

スキムミルクは牛乳から脂肪分を取り除いて粉末にした食品で、WPCやWPIのようにたんぱく質を濃縮・分離したものではありません。そのため、同じ牛乳由来でも、スキムミルクは一般的なWPCやWPIより乳糖を多く含みます。

牛乳を飲むとお腹が張る、ゴロゴロする、下痢をするといった症状が出やすい人は、自分の体調を見ながら利用しましょう。

「効率よくたんぱく質を補給したい」ならプロテイン、「たんぱく質とカルシウムを一緒に取りたい」ならスキムミルクというように、目的に合わせて使い分けることができます。

5種類のプロテインを比較

種類原料消化・吸収乳糖主な特徴
ホエイ(WPC)牛乳速い少量含む※ロイシンが豊富
ホエイ(WPI)牛乳速い非常に少ない※高たんぱく・乳糖が少ない
ソイ大豆比較的緩やかなし植物性たんぱく質
カゼイン牛乳緩やか製品による※緩やかな消化・吸収
エッグ主に卵白比較的緩やかなし乳製品以外の動物性たんぱく質
スキムミルク脱脂粉乳ホエイ+カゼインを含む多いたんぱく質+カルシウム

※WPC、WPI、カゼインプロテインの乳糖量は、製法や製品によって異なります。

結局どれを選べばいい?

それぞれの特徴を踏まえると、目的別には次のように選ぶことができます。

筋肉をつけたい・トレーニング後に飲みたい

→ ホエイプロテイン

植物性のプロテインを選びたい

→ ソイプロテイン

ゆっくり消化・吸収されるものを選びたい

→ カゼインプロテイン

乳製品を避けながら動物性プロテインを取りたい

→ エッグプロテイン

たんぱく質とカルシウムを一緒に取りたい

→ スキムミルク(脱脂粉乳)

 

このように目的を決めると、自分に合ったものを選びやすくなります。

一方で、プロテインの種類以上に大切なのが、1日に必要なたんぱく質を確保することです。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、年齢や性別などに応じてたんぱく質の推奨量や目標量が設定されています。

プロテインは、食事で不足するたんぱく質を手軽に補うために活用できる食品です。

プロテインだけでなく普段の食事も大切

 

バルクアップ

プロテインパウダーは、たんぱく質を手軽に補給できるのが大きなメリットです。

一方、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などの食品からは、たんぱく質だけでなく、さまざまなビタミンやミネラルなども摂取できます。

例えば、ソイプロテインを飲むことと、納豆や豆腐を食べることは同じではありません。

また、今回紹介したスキムミルクのように、食品によってはたんぱく質とともにカルシウムなどを取れる食品もあります。

そのため、「どのプロテインを選ぶか」だけに注目するのではなく、普段どのような食品を食べているのかも振り返ってみましょう。

基本となる考え方はシンプルです。

食事を整える → 足りないたんぱく質をプロテインで補う

そのうえで、自分の目的や体質に合ったプロテインを選ぶことが、無理なく継続するポイントです。

まとめ

プロテインは種類によって、それぞれ特徴があります。

筋肉づくりやトレーニング後ならホエイ、植物性ならソイ、緩やかな消化・吸収を活かすならカゼイン、乳製品以外の動物性プロテインならエッグが選択肢になります。

また、スキムミルクは一般的なプロテインパウダーとは異なりますが、たんぱく質とカルシウムを一緒に補給できる食品です。ただし、乳糖はWPCやWPIより多く含まれます。

「どれが一番優れているか」で選ぶのではなく、目的、体質、普段の食事に合わせて選んでいきましょう。

■著者プロフィール

申泰鎮(シン・テジン)
管理栄養士・健康運動指導士。高校時代のボクシング経験をきっかけにスポーツ栄養士を志す。現在はボクシングジムや大学ラグビー部で、増量・減量・コンディショニングに対応した栄養サポートを実施。自身もフィットネスレース「HYROX」に挑戦しており、競技者としてトレーニングや栄養管理を実践している。競技者から一般層までを対象に、食事・サプリメント・体づくりに関する実践的な支援を行う。執筆や講演活動も多数。

-プロテイン, フード&サプリ
-,





おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手