APF選手 コンテスト

「そんなに筋肉つけて大丈夫?」THE RAMPAGE後藤拓磨、初のボディコンテストで3冠 ダンスへの影響は「むしろ調子がいい」

10月18日(日)、東京都の武蔵村山市民会館で開催された「APF ALL OUT CHAMPIONSHIPS 2026」。16人組ダンス&ボーカルグループ「THE RAMPAGE」のパフォーマー、後藤拓磨(ごとう・たくま/27)さんが、ボディコンテスト初出場で3冠を獲得した。フィジークモデルのファーストタイマー+174.5cm、ニューカマー+172cm、クラス20+171cmで優勝。ライブと減量を両立しながら、トップ選手から教わる筋トレにも夢中になった日々を聞いた。

【写真】後藤拓磨さんのバキバキに割れた腹筋

後藤拓磨さん

5カ月の減量。2時間から2時間半踊るライブと両立

大会に向けた減量期間は5カ月。ツアー期間とも重なっていたため、食事は初めから大きく減らさず、1日3500kcalからスタートした。エネルギー量に換算すると、牛丼並盛で約5杯半分に当たる。

ライブでは2時間から2時間半ほど踊り続ける。運動量が多く、しっかり食べていても身体がげっそりしてしまうように感じることがあったという。日によって変わる運動量を見ながら、食事を調整した。

減量の中盤からは有酸素運動も取り入れた。ライブで身体を動かすことも重なり、絞りは進んだが、その分、筋肉を保つ難しさもあった。体脂肪を落としながら、踊るためのエネルギーと筋肉を維持する。その両立に工夫が必要だった。

減量末期の摂取カロリーは、1日2300kcalを基本とした。トレーニングをする日と休む日でも食事量を調整し、ライブの運動量を踏まえながら、食べる量を削りすぎないように減量を進めた。

30度から15度へ。トップ選手から学んだ「鍛え分け」

普段は六本木のWARRIORS GYMで鍛え、持田教利選手らトップ選手と接する中で刺激を受けている。持田選手には、大会当日のサポートも受けた。

大会出場を決めてからは、LDHの動画配信サービス「CL」の企画「MUSCLE LAB」で、トップ選手に教わる機会も得た。その経験について尋ねると、「学びしかないですよ」と答えた。

なかでも印象に残ったのが、フィジークのあるトップ選手から受けた胸のトレーニングの指導だ。

限られた時間の中でも、快く指導を引き受けてくれたという。長時間にわたってハードに追い込むような機会ではなかったが、短い時間に多くの発見があった。

教わったのは、背もたれを起こしたベンチに仰向けになり、両手のダンベルを開閉して胸を鍛える「インクラインダンベルフライ」。もともとフライ系の種目が好きで、後藤さんはベンチの背もたれを30度に設定して行っていた。そこで勧められたのは、それより低い15度だった。

「実際、胸の上部の筋肉の刺激の入り方もやっぱり良くて。同じ上部の種目でも、『中部寄りの上部』みたいな形で、かなり細かく分けて教えてくださった」

「こんなに分けるんですか」と、発見というより驚きに近かったという。慣れ親しんだ種目にも、まだ知らない工夫がある。30度から15度への変更は、後藤さんにとって目から鱗が落ちるような体験だった。

筋肉をつけて踊れる? 本人は「むしろ調子がいい」

筋トレに熱中する一方で、身体づくりの中では常に、本業のダンスとの関係も考えている。THE RAMPAGEのメンバーから「そんなに筋肉付けて大丈夫?」と聞かれることもあるが、本人の実感は「むしろ調子がいい」。現時点では、筋肉が重くて踊りにくいという感覚はないという。

「もちろん踊りが本業なので、そことは相談しながら身体を作っていくんですけど」

後藤さんにとって、筋肉をどう動かすかを考えることは、身体の構造や使い方を知ることにもつながっている。けがを防ぎながら活動を続けるためにも、身体について考えることを大切にしているという。

重いものを持ち上げるだけでなく、狙う部位や動きの細部を探るフィジークの身体づくり。その過程で自分の身体を研究することが、ダンスとも相性がいいと感じている。

「パフォーマーとしても長くやる上で、筋トレとの関係性は、いいことしかないなと思っているので」

ダンスを長く続けたいという思いと、筋トレをもっと深く知りたいという好奇心。後藤さんの身体づくりでは、その二つが結び付いている。

【ワンポイント用語】
■THE RAMPAGE(ザ・ランペイジ):LDH所属の16人組ダンス&ボーカルグループ。2017年、シングル「Lightning」でメジャーデビュー。後藤拓磨はパフォーマーとして活動している。
■APF(エーピーエフ):Asia Physique Federationの略。フィジーク、ビキニ、ランウェイモデルなど、多彩なカテゴリーのボディコンテストを開催する団体。
■ALL OUT(オールアウト):トレーニング用品やフィットネスウェアなどを展開するブランド。今回の「APF ALL OUT CHAMPIONSHIPS 2026」のメインスポンサーを務める。
■フィジークモデル:サーフパンツ姿で、身体の形やバランス、適度な筋肉の発達、ポーズや立ち居振る舞いなどを審査する部門。
■ファーストタイマー:APFのフィジークコンテストに初めて出場する選手が対象のクラス。
■ニューカマー:初心者向けのクラス。APFでは、2022年以降に同クラスで3位以内に入賞した選手は再出場できない。
■クラス20:20~29歳の選手が対象の世代別クラス。
■WARRIORS GYM(ウォリアーズジム):東京都港区六本木にあるフィットネスジム。持田教利選手らが外部トレーナーとして指導を行っている。
■持田教利(もちだ・かずのり):ボディビル選手兼パーソナルトレーナー。ボディビル、クラシックフィジーク、メンズフィジークなど、複数のカテゴリーで優勝経験を持つ。著書に『キカトレ ~初心者でも無理なくボディメイクできる持田式「効かせる」テクニック~』(扶桑社、2025年)がある。
■インクラインダンベルフライ:背もたれに傾斜をつけたベンチに仰向けになり、両手に持ったダンベルを左右に開き、胸の上で閉じるように動かす種目。主に胸の筋肉である大胸筋を鍛える。
■LDH(エルディーエイチ):EXILEやTHE RAMPAGEなどが所属し、アーティストのマネジメントや音楽・ライブ制作などを手がける総合エンタテインメント企業グループ。名称は「Love」「Dream」「Happiness」の頭文字に由来する。
■アジャスタブルベンチ:背もたれなどの角度を調整できるトレーニング用ベンチ。今回の指導では、背もたれの角度を30度から15度に変えて行った。

執筆者:久米大郎
数学書の編集者、フィットネスライター。都内の出版社に勤務する傍ら、自らもボディビル競技に取り組む。2024年マッスルゲート埼玉大会ボディビル65kg以下級3位、2025年東京ノービスボディビル選手権大会男子ボディビル55kg以下級2位。筋トレ情報サイト「FITNESS LOVE」では、競技者としての経験と編集者の視点を生かし、選手の挑戦や身体づくりの工夫を伝えている。徳島県徳島市出身、神奈川県大和市在住。

取材・文:久米大郎

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