上腕二頭筋という名前を知る前から、多くのトレーニーたちが、いわゆる「力こぶ」に魅了されてきた。小さいころから、特に男の子はダブルバイセップスのポーズをとって大人を微笑ませてきたものだ。どうして肘を曲げて力を入れると上腕部が盛り上がるのか。この筋肉の構造と機能がわかると、ますます腕のトレーニングにはまってしまうかもしれない。
<本記事の内容>
二頭筋と三頭筋の境目をはっきり見せるには?
正面から見ても三頭筋が太く見える「外側頭」の鍛え方
三頭筋の長頭にはケーブル・キックバックがオススメ
ニュートラルグリップ・カール
上腕二頭筋は2つのヘッドを持つ筋肉で、その深部に上腕筋がある。上腕筋が肥大すると、深部から上腕二頭筋が押し上げられる。肘を曲げることで収縮するわけだが、収縮が起きたときに力こぶが盛り上がる。上腕二頭筋が腕の表側なら、上腕三頭筋はその裏側に位置している。よく発達した腕は上腕二頭筋と上腕三頭筋の境目がくっきりと分かる。そんなセパレーションを強調するためにおすすめなのがニュートラルグリップ・カールである。手の甲が外側を向くようにケーブルのハンドル、あるいはダンベルを握る。これが手首のニュートラルポジションで、この角度を保ったまま丁寧にカール動作を行う。この種目を行うことで上腕二頭筋の外側のヘッドが刺激を受け、腕の幅が広がり、上腕三頭筋とのセパレーションをはっきり刻むことができるはずだ。
外側頭のためのニュートラルグリップ・エクステンション
上腕三頭筋の外輪郭を形成するのが外側頭だ。外側頭が肥大すると、正面から見ても上腕三頭筋の大きさが分かる。外側頭を刺激するにはニュートラルグリップ・ライイング・ダンベルエクステンションがいいだろう。 この種目では、まずベンチ台に仰向けになり、手の甲が外側に向くようにダンベルを握る。手首の状態をそのまま維持しながら、肘を曲げてダンベルを頭の横に下ろしていく。動作中、上腕部は天井に向けたまま固定する。ダンベルを頭の横に下ろすときは肘が開いてしまわないように注意しよう。
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長頭のためのケーブルキックバック
上腕三頭筋の内側の輪郭を際立たせるには、上腕三頭筋の長頭をサイズアップさせる必要がある。外側の輪郭と内側の輪郭がはっきりしてくると「馬蹄型」の上腕三頭筋を完成させることができるのだ。内側の輪郭を形づくる長頭を刺激するなら、ケーブルを使ったキックバックがおすすめだ。キックバックは、一般的にはダンベルを使って行われることが多いが、ダンベルだと負荷がかかるのはトップポジションに限定されるという欠点がある。そこで、終始負荷がかかった状態を維持するためにケーブルを使ってのキックバックをぜひ採用してほしい。ケーブルにはロープハンドルを取り付けてもいいし、あるいはハンドルを取り付けずに、ケーブルをそのまま掴んで行ってもいい。ケーブルを握ったら上体を前傾させ、上腕を床と水平に保ち、肘の位置を固定する。この姿勢を保ったまま、肘の曲げ伸ばしによって前腕で弧を描くように動作する。トップポジションでは意識して上腕三頭筋を収縮させるようにしよう。
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文:Raphael Konforti MS, CPT 翻訳:ゴンズプロダクション