筋トレで人生が変わる。こういった類の言葉を誰しも聞いたことはあるだろう。6月1日(土)、愛媛県新居浜市で開催された『マッスルゲート四国』に出場した小黒富美子(おぐろ・ふみこ/49)さんも、「筋トレで人生が変わった」一人なのだ。
「昔からぽっちゃりしていて、“スタイルの良い身体”とは無縁の体型だった」と話す小黒さん。さらに、20代のころに発症したパニック障害にも悩んでいた。結婚後、当時の相手と反りが合わずストレスを抱えたまま生活を送った結果、みるみる体重が増加。MAX体重は90kgになったという。
当時、子どももいた小黒さんは経済的に自立し、離婚するために起業を決意。「これまで自分が携わってきた、美と健康に関する分野での社長になるのに、デブのままでは説得力がない」と、ダイエットを開始。
大好きなお酒は飲むが、その分食べないという極端なダイエット方法で57kgまで落としたものの、無理が祟ったのか74kgまでリバウンド。「今思い返せば、不健康な減量方法でした。身体が引き締まっていくというより、しぼんでいっただけのように思います」と、当時を振り返る。
「同時に、昔から持っていたパニック障害も悪化しました。一人で電車に乗れなかったり、車を運転できなかったり。デブであることと、パニック障害持ちというダブルコンボは、コンプレックスでしたし、いつか克服したいことだったんです。さまざまなダイエット方法を試しましたが、ダイエットしてはリバウンドの繰り返し。最終的に筋トレしかないんだ、と2年前からパーソナルトレーニングに通うようになりました」
週に2日、上半身・下半身の日と分けてパーソナルトレーニングを受けていくうちに引き締まっていく身体。食べてもリバウンドせず、パニック障害の症状もかなり落ち着いてきた。「変わったね」と多くの人に声をかけてもらい、より一層気持ちが前向きになって、筋肉中心の生活になったという。
2023年の11月に行われた『マッスルゲート東京』で大会デビューをして以降、2024年の2月から、マッスルゲート神奈川・埼玉・東京・大阪・四国、と毎月のように大会に出場。今年から、大澤直子選手(2016年日本選手権女子フィジーク2位)にポージング指導をしてもらっているそうだ。
さらにトレーニングにおいては、部位ごとに分けて行い「本格的に身体を作り込んでいきたい」と話す小黒さん。メニューは、原田理香選手(2021年日本選手権女子フィジーク4位)に組んでもらっており、今年の春に原田選手のパーソナルを受けてから、千葉県から広島県の『レモンジム』まで定期的に通うのだそう。
今大会では、ウーマンズレギンスフィットネス158cm以下級6位、ウーマンズウェルネス一般の部4位と、最下位ではあったものの、彼女は晴れやかにこう語った。
「身体はまだ仕上がってないけど、舞台慣れしたくて、たくさんのステージに立たせていただきました。他の選手を見たら気持ちが引き締まるし、やる気スイッチが入ります。マッスルゲート埼玉大会で『ゴールドジムJAPAN CUP』への出場権をいただいたので、12月に向けて、しっかり身体を仕上げて予選通過を目標に頑張ります!」
取材:小笠拡子 撮影:北岡一浩