5月24日、パピヨン24ガスホールで開催された『マッスルゲート博多大会』。この大会で初めて、ウーマンズウェルネス一般の部に挑戦し、見事3位入賞を果たしたのが山脇恵(やまわき・めぐみ/42)さんだ。
下半身の筋量が求められるウェルネスカテゴリーに合わせて、下半身のボリュームを意識したトレーニングを徹底。高重量での追い込みに加え、狙った部位を丁寧に鍛える姿勢が印象的だ。
「今回の大会は、初めてカテゴリーを変えての出場だったので、下半身を中心に鍛えました。週4〜5日、1回2時間のトレーニングで、合トレ相手に補助してもらいながらスクワットやレッグプレスで高重量を扱っていました。お尻のボリュームを出したかったので、筋トレに加えてバンドを使ったトレーニングも取り入れていました」
食事管理についても、工夫を重ねていた。
「減量になると便秘になりやすいので、今回は特に食物繊維を多く摂るよう意識しました。レタスやきのこ類を鶏胸肉や砂ずりと合わせて調理していました。甘いものが欲しくなったときは、ストレスをためないよう和菓子を選んで食べていました」
得意部位は肩。小さな筋肉に対しても真摯に向き合っていた。
「肩は高重量低レップと低重量高レップを組み合わせて鍛えるようにしていました。丁寧に、でもしっかりと追い込むことを意識しています」
大会前には食事会などの誘惑も多く、調整に苦労したという。
「今回は、職場の懇親会や同級生・友人との食事会が重なった時期だったので、大会後に変更してもらったり、周りに協力してもらったりしました。特にパートナーにはかなり協力してもらって……時には窮屈な思いをさせてしまったかもしれません」
そう語る山脇さんだが、結果としてカテゴリー変更後初挑戦で3位入賞。「びっくりしました!」と笑顔を見せる。そんな山脇さんがボディメイクを始めたきっかけは、当時付き合っていた彼氏の言葉だった。
「『太り過ぎ』『ぽっちゃり』『太ってるから結婚できない』って言われたのがきっかけでした。最高で体重83kgありましたが、別れて3年以上たってから再会する機会があり、そのとき絶対に『痩せたね』と言わせたかった。その想いで必死にボディメイクを続けました。結果、3年ぶりに再会したときの第一声が『痩せたね』だったので、本当に頑張ってよかったと思いました」
心ない一言をきっかけに、ただ傷つくのではなく自分で行動を起こしたのだ。
「これからは、もっと下半身を強化して、お尻のボリュームを出していきたいです。ポージングも練習して、次の大会ではもっと仕上げて挑みます。そして、納得のいく結果が出たら次のステップに進みたい。目標は、JBBFのビキニフィットネスで活躍する小竿愛子さんのようになること。北九州で活躍されて、まだ筋トレ歴も浅いのに世界選手権に出場されている姿に憧れています!」
“結婚できない”と言われた過去が、人生を変える原動力となった。だが今は他人の評価ではなく、自分自身と向き合い、さらなる目標に向かって進んでいる。
どんなに苦い言葉も、受け止め方次第で人生を変える力になる。過去の悔しさをバネに、自分と真剣に向き合い、目標を掴んでいく山脇恵さんの姿は、「変わりたい」と願うすべての人に、その一歩を踏み出す勇気を与えてくれるのではないだろうか。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
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取材:佐藤佑樹 写真提供:山脇恵さん