9月23日、東京芸術センター・天空劇場で行われた「INBA/PNBA INTERNATIONAL GRAND PRIX OF ASIA NATURAL CHAMPIONSHIPS TOKYO」のプロ戦。Angels Openで優勝したのが、飯田真優(いいだ・まゆ/23)さんだ。華やかな羽をまといステージで頂点に立つ姿から想像できない過去があった。
「がっちりしてるね」と言われ続けた過去
美しいメリハリボディを披露した飯田さんだが、以前は70kg手前まで体重があったという。
「めちゃめちゃコンプレックスがありました。肩幅も広かったので、『がっちりしてるね』ってずっと言われていて。あまり自分のことを表に出さずに生きていこうと思っていました」
筋トレを始めたのは19歳ごろ。身体を動かすこと自体は好きだったものの、意外にも筋トレは「好きじゃなかった」という。
進路を考えていたとき、母親から身体やフィットネスについて学べる専門学校を勧められたことがきっかけだった。
「最初は栄養の方に興味がありました。学生のころも筋トレをがっつりやっていたわけではなくて。大会があることも知っていましたけど、全く興味がなかったです。むしろ反対というか(笑)」
その後、トレーニングを始め、約16kgの減量も経験した。
しかし、体型が変わったこと以上に大きかったのが、自分自身に対する気持ちの変化だった。
当時、精神的に落ち込んでいた時期があり、「そこから這い上がるための目標」としてコンテストへの挑戦を決めたという。
「キラキラした舞台」以上に自信をくれたのは、その過程
もともとは人前に出ることが苦手。それでもステージに立ったことで、少しずつ自信を持てるようになった。
「もちろんキラキラした舞台に出られたという自信もあったんですけど、それまでの過程で、自分の中に結構自信がついたんです。そこからトントントンと調子が上がっていったというか、少しずつ自信をつけていきました」
今回出場した「Angels」は、大きな羽を身につけてステージを歩く女性カテゴリーだ。飯田さんが感じる魅力は、Angelsというカテゴリーの自由度にある。
「良くも悪くも、決まりがあまりないと思っていて。もちろん羽などにある程度の規定はありますけど、どう表現するかは人それぞれ。個が生きるというか、自分が好きなマインドで挑めるカテゴリーだと思っています」
かつて「自分を表に出さないで生きていこう」と考えていた飯田さんが、自分自身を表現するカテゴリーで優勝した。
その変化は、単に体脂肪を落としたという数字だけでは語れない。
「若いうちに、自分を表現する経験を」
現在はトレーナーとしてだけでなく、フィットネスコンテストに関わる講師活動も行っているという飯田さん。
日本では「自分を表現すること」に苦手意識を持つ人が少なくないと感じている。
「日本人はシャイな方も多くて、自分を表現したり、自分を表に出したりすることを苦手にしている方が多いと思うんです」
自身もまさにその一人だった。
だからこそ、若い世代にもトレーニングやコンテストに挑戦してみてほしいという。
「自分のことが嫌いという方もいると思いますし、ステージに立って自分をよく見せるなんて難しいと思うかもしれない。でも、そこまでの過程で自信が持てるようになると思います」
そして飯田さんが、競技を通して得られるものとして強調したのは、身体や順位だけではなかった。
「やるまでの過程ではつらいこともあるけど、支えてくれる人のありがたみや感謝をすごく感じます。それを若いうちから経験できるのは、すごくすてきなことだなと思っています」
体重70kgだったころには、人前に出ることすら避けたいと思っていた。そこから身体を変え、ステージに立ち、自分自身を表現することを知った23歳。今回のプロ戦では、自身が魅力を感じているAngelsで優勝という結果を残した。身体を変えるために始めたフィットネスは、飯田さんにとって、自分自身との向き合い方まで変えるものになっている。
【INBA/PNBAアンチドーピング活動】
INBA/PNBAはWADA(世界アンチ・ドーピング機構)のアンチ・ドーピングコードおよび禁止表に準拠し、WADA認定ラボによるドーピング検査を実施しているナチュラルボディビル団体である。大会では尿検査を行う。
文・撮影:FITNESS LOVE編集部











