2歳から10年間続けた新体操から柔道へ転向し、大学では筋肉美を競うボディコンテストの世界へ――。現在、NHKキャスター1年目として活動する小林菜夏(こばやし・ななつ/23)さんには、異色の競技歴がある。大学時代にボディメイクへ挑戦した背景にあったのは、自分自身を変えたいという思いだった。
【写真】小林菜夏さんが大学4年生のときに出場したスポルテックカップでみせた筋肉ボディ

新体操から柔道へ 弟の姿に刺激を受け新たな世界へ
小林さんが最初に取り組んだ競技は新体操だった。2歳から約10年間にわたって競技を続けた後、中学2年生の終わりごろから柔道を始めた。
きっかけとなったのは、弟が柔道に打ち込む姿だった。一生懸命に練習を続け、次第に結果を残していく弟を間近で見ているうちに柔道への興味が強くなっていったという。柔道家・阿部詩選手の存在からも刺激を受けた。
それまで取り組んできた新体操とは大きく異なる競技だったが、弟の姿を通して柔道のかっこよさにひかれ、自分も新しい世界に飛び込んでみたいという気持ちが芽生えた。
高校時代も柔道に取り組み、卒業後は日本体育大学へ進学した。
柔道を離れ「今こそ自分を変えるとき」
大学では大好きだった柔道を続けないという決断をした。長く打ち込んできた競技から離れたことで、当時は自信を失っていた時期でもあったという。
そんな小林さんが新たに目を向けたのが、以前から興味を持っていたボディビルやボディコンテストだった。
もともと自分に強い自信を持てるタイプではなかったからこそ、自分自身を変えたい、自分磨きにつなげたいという思いがボディメイクを始める原動力になった。
柔道とボディメイクでは身体の鍛え方も大きく異なる。一方で、それまで柔道を通じて培ってきた身体づくりの経験は、新たな競技にも生かすことができた。異なる目的に合わせてトレーニング方法を変えながら、これまで積み重ねてきたものを土台として身体をつくっていった。
日本体育大学のボディビル部に入部したのは大学1年生の秋ごろ。以前からコンテストへの興味があったことに加え、柔道を離れて自信を失っていた自分を変えたいという思いもあり、入部して間もない段階から大会への挑戦を決めた。
初舞台に選んだのは2023年のマッスルゲート埼玉大会。入部から数カ月という短い期間でトレーニングと減量に取り組み、ステージに立った。
身体そのものを「一つの作品」に
小林さんにとって、ボディコンテストの魅力は単に筋肉の大きさや身体の細さを競うことだけではない。
実際に競技に取り組む中で感じるようになったのが、鍛え上げた身体そのものが衣装の一部のようになり、自分自身で一つの作品をつくり上げていくような感覚だ。トレーニングや食事、減量、ポージングなどを積み重ね、その成果をステージ上で表現するところに、この競技ならではの楽しさを感じている。
ボディコンテストでは身体のラインを審査するため、肌の露出が多い競技用コスチュームを着用する。競技に馴染みのない人には、その姿だけが注目されることもあるかもしれない。それでも小林さんは、身体づくりからステージでの表現までを含めた、一つの競技として見てもらいたいと考えている。
現在は仕事の都合などから今シーズンの大会出場を見送っているが、競技から離れたわけではない。選手としては、いつか世界大会の舞台に立つことを目標に掲げている。
そしてボディメイクは、必ずしも大会出場や特定の目標を達成するためだけのものではないとも考えている。
身体を鍛え、自分自身を磨いていく過程を楽しむこと。それによって自信を持てるようになったり、自分自身の変化や成長を実感できたりすることも、ボディメイクが持つ魅力の一つだ。
新体操から柔道へ、そしてボディコンテストへ。競技は変わっても、新しい世界へ飛び込み、自分自身を磨き続ける姿勢は、小林さんの中で変わることなく続いている。
■プロフィール
小林菜夏(こばやし・ななつ)
NHK盛岡放送局のキャスター・リポーター。「マッスルアナウンサー」の愛称で親しまれ、フィットネスビキニ選手としても活動中。競技開始わずか5カ月で初出場した「2023年マッスルゲート埼玉大会」で優勝を果たし、同年の日本ジュニア選手権で4位に入賞。その後も「JBBFオールジャパン・ビキニフィットネス選手権」や「SPORTEC CUP」など全国規模の大会に挑戦している。担当番組は、テレビ『おばんですいわて』内のスポーツコーナー「sports show time」(月・金曜 18:10〜)や、ラジオ『ラジオ610』(木曜 18:10〜)など。
取材・文:FITNESS LOVE編集部 大会写真:中原義史










