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ボディビル65kg以下級で王者に輝くために磨いたのは筋肉だけではなかった【2020ジャパンカップ勝利の舞台裏】

昨年11月29日(日)に開催され、盛況のうちに幕を閉じた第1回ゴールドジムジャパンカップ。2021年は11月27日(土)、28日(日)に開催される。ここでは、2020年ゴールドジムジャパンカップ、勝利の裏側に迫ったIRONMAN2021年2月号からボディビル65kg以下級を制した内野充選手を紹介する。

取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介、北岡一浩、藤本かずまさ

【写真】内野充選手の見事な筋肉美

内野充選手

2009年の埼玉県選手権60㎏級がデビュー戦になるので、キャリアは11年になります。そこではクラス優勝、オーバーオールでは2位という成績でした。同年には東日本クラス別60㎏級で優勝させていただきました。その翌年から現在までは、ずっと日本クラス別に出ています。最初の3年間は60㎏級、4年目からは、65㎏級に階級を上げました。階級を上げたばかりのころは予選落ちが続いたのですが、2、3年と続けていくうちに決勝に残れるようになりました。

去年は9月の日本クラス別に向けて、2月から減量を始めていました。しかし、大会が中止になり、ジムも閉館になったので「どうしようかな?」と思ったのですが、私はトレーナーなので、身体作りの一環として夏に向けてダイエットだけはやろうと。そのダイエットを継続しているときにジャパンカップの開催が決まり、出場することにしました。

「こういった時期に減量するのは危ないんじゃないか」と思う人もいらっしゃると思います。ですが、ある程度の量を食べながら減量していけば、身体にそこまで大きな負担はかかりません。具体的には、月2㎏以上のペースになると「つらい減量」になってしまうと思います。そうならないように、大会時期から逆算して月1~1.5㎏ペースで進めていくと、そこまでの負担はかからないと思います。

また、こういうときだからこそ身体作りの大切さ、フィットネスの素晴らしさをみなさまにお伝えできればという気持ちもありました。自分の身体を作品として見ていただくことで、「私もやってみたい」と思ってくださる方が1人でも増えたらいいなという思いで出場しました。今回、出場するにあたっては、ポージングを全て見直しました。9月の上旬に福岡のARIAKEGYMに出向いて、木下(俊昭)先生に指導していただき、全てのポーズを修正しました。これまで私はマンツーマンのポージング指導は受けたことがなく、我流に近い部分がありました。

10年以上続けてきたポージングをイチから変える作業になったので、最初は全然しっくりきませんでした。自分の頭の中でイメージしているポーズと教えていただいたポーズのズレを修正するのに苦労しました。大会まで2ヵ月半ほどあったのですが、全ての時間をポージング練習に充てたといっても過言ではありません。

まだ100パーセントの状態ではありませんでしたが、そのポージングを実戦で行えたのは、今後に生かせる大きな経験になりました。それまで自分が考えてきたこと、実践してきたことを自分自身で根本からを否定するのは、なかなか難しいものがあります。そこに疑いをかけてくれる方の声というのはすごく重要だと感じました。

また、調整期間が当初予定していた9月から11月末まで伸びたのも、私にとっては良かったです。減量をより突き詰めることができました。階級を上げると、(体重を残したいという気持ちになり)仕上がりが甘くなりがちになります。今回は、このくらいのペースで減量を進めていくと、身体にかかる負担も少なく、筋量も残せることが掴めました。体重は減ったけど身体はかえって大きく見えるということも確認でき、体重を落とすことを怖がる必要はないということに気付けました。

優勝するのは2009年の東日本クラス別以来のことです。今年の日本クラス別に向けても、かなり弾みがつきました。まだ大それたことは言えませんが、ポージングを磨いてトップ層に食い込んでいきたいと思います。

また、ボディビルを始めたころからの目標として、アジア選手権、世界選手権に出てみたいと思っています。あと一歩のところまできているので、これからも頑張っていきたいです。

【写真】内野充選手の見事な筋肉美

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