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ヘビメタのギタリストがバキバキで芸術的なボディラインを魅せる!

立松 緑さん7月16日に行われたJBBF東京選手権・ボディフィットネス158㎝以下級で2位に輝いた立松 緑(たてまつ・みどり/35)さん。バランスのとれた美しいボディラインと圧倒的オーラを魅せた立松さんは女性ヘヴィメタルバンド『LOVEBITES』(オリコンウィークリー5位など、海外での人気も高いバンド)のギタリスト“midori”としても活動している。

【写真】立松 緑さんの美しいボディラインとギターを弾く写真

「アスリートの “芸術的な肉体美”に憧れをもち、偶然YouTubeで見たシャニーク・グラント選手の圧倒的な筋肉美と気品のある雰囲気に魅了されて、こんな世界があるんだというのを知ったと同時に自分もいけるところまでいってみたいという気持ちに火がつきました」と語る立松さん。2021年の11月にウエイトトレーニングを始め、翌年の7月に大会初出場した。

そんな立松さんは本格的にトレーニングを始めて半年経たないころ、‟ぎっくり背中”になってしまった。左の大円筋から胸にかけて痛みで力が入らない、左を下にして寝られない、バーベルもラックアップできないなどの症状があったという。
「ケガの名前も分からなかったので症状をトレーナーさんに相談して、結局自然治癒に任せることにしました。痛みは消えていませんでしたが、3日ほど様子見でオフにしたのち、痛みがほぼ出ない種目を選んでトレーニングを再開。全く痛みが出ない種目はフル重量でやっていましたが、大半は痛みが出ない範囲の軽い重量でフォームや効かせどころを今一度確認をしながら、丁寧に追い込むようにしていました。最終的に完全に違和感が消えるのに1カ月以上かかりました。大好きで頑張っていた背中や胸のトレーニングがほとんどできず、悔しいひと月でしたが、動作を見直すのに必要な時間だったのだと痛感しながら取り組んでいた記憶があります。今は‟ぎっくり背中”は再発しておらず、重量も問題なくフルで担いでいます」

20歳のとき、部活中にぎっくり腰になって以来の慢性化した腰痛も、トレーニングによって改善できたという立松さん。ケガを乗り越え、試行錯誤しながらボディメイクをしてきたからこそ、得たものがある。
「今少しずつ理想の自分に向かえているという確信があります。以前より自分らしい自分でいれてて、精神的にもとても健康になったし、自己管理も少し上手くなりました。トレーニングにも本気で取り組んでいるから仕事もより頑張れていると感じています」

トレーニングはギタリストの仕事との区切りをつけるため、時間を決めて集中している。
「試行錯誤し始めると気づいたら3時間トレーニングすることもありますが、基本的には部位によって1時間半〜2時間半、週3~5日しています。背中、ハム・お尻、肩、尻・四頭、胸腕の5分割です。下半身が弱めなので、頻度を高められるようにしています。ジムトレは基本的にはこれで回していますが、家でスキマ時間にサイドレイズやチンニングをしています。その日やる予定の箇所に、あまりにも疲労や筋肉痛を感じる場合は臨機応変に変更しています」

「狙った筋肉に全部刺激が乗るように、本セットに入る前にアイソメトリック等で刺激を入れたい所を確認し、神経を繋げる訓練をしてからセットを始めています。左右がある種目は左右差が出ないように鏡でも確認しながら動作しています」とトレーニング一つ一つを大切にしている。

立松さん自慢の肩と大円筋は、自身の身体の特徴を活かし試行錯誤を繰り返したからこそ、つくられたものである。
「肩幅が狭いので、とにかく遠くにダンベルを放り投げるようなイメージでサイドレイズをやるようにしています。肩前部周辺があまり強くなかったのですが、フロント寄りのサイドを鍛えるようになって少しずつ丸みが増してきました。大円筋は今季片手ずつのラットプルを始めました。また、ポージングで大円筋を意識する場面が多いのでアイソメトリックを繰り返したことで感覚が向上しました」

基本的に増量期も減量期も食事内容はほぼ同じで、年中クリーンでローファットな食生活をしている立松さん。しかし、炭水化物の代謝があまり良くなく、一定量を超すと下半身が浮腫み、運動やマッサージをしても何日もとれなくなることがよくあるという。
「そんなときはケトジェニックで数日過ごすと下半身から水が抜けやすくなります。一番凄いときはデスクワークをしていても脚から浮腫が消えていくのが分かるほどでした。ケトの脂はMCTオイルや、ナッツ、アボカド、魚類からのことが多いです」

大会に向けてのポージング練習の中で、筋肉のコントロールや身体の可動域も高められていき、トレーニングにも還元されると実感した立松さん。競技や音楽への熱い思いがある。
「女性のボディビル・フィットネスの競技は認知度が上がってきているとはいえ、周りを見ると、まだまだ理解されなかったり誤解されることも多いと感じています。自分が本業でやっているメタルという音楽もそんな節があるのですが、シーンを盛り上げたいという気持ちはいつも抱いています。競技に対しても同様で、私は選手としてはまだまだ未熟ですが、見た人がこの競技に魅力を感じてもらえるような選手になっていきたいです」

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取材:FITNESS LOVE編集部  撮影:中島康介 

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