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身体中がバリッバリ!訪問看護師兼トレーナーがカロリーを大幅に増やしながらの減量に成功

宮里拳吾さん今年の2023年マッスルゲート愛知メンズフィジーク172cm以下級優勝、クラシックフィジーク新人優勝を飾った宮里拳吾(みやさと・けんご/33)選手。 宮里選手は初出場大会でオーバーオール獲得、昨年のゴールドジムジャパンカップでも準優勝の「ザ・フィジーク選手」として名を馳せながら、今年はクラシックフィジークにも電撃参戦で優勝。アップグレードを続ける筋肉量と圧倒的な絞りは、いかにして生まれたのか。 

【写真】宮里選手のバリッバリに絞れた肉体

 「大会を終え、一番はもちろん“うれしい”に尽きますが、それは結果だけでなく、去年に比べてコンディションに自信を持って臨めたという満足感です。去年はまだ絞りが甘かった。「絞る」という気持ちが強すぎて、摂取するカロリーを落とした上に有酸素を増やしてしまい、逆に絞れないという苦い経験をしました。なので今年はカロリーを大幅に増やし、特に糖質は倍近く増やして、『たくさん食べ、たくさん動く』の基本に立ち戻りました。結果、身体も楽になり運動量も減量期の最後まで維持できました」 

 元々、仕事や生活との両立の上で非常に短時間(週に4時間、1回30分程度)しかトレーニングに時間を割けない中でのボディメイクをしてきた宮里選手。今年になり、それが週5日、1日1時間はとれるようになったという。 

 「他の競技者の方と比べればそれでも圧倒的に少ないでしょうが、課題であったミッドセクションや胸にも力を注ぐことができました。内容もかなり変えています。通常は“高重量を最大量の継続”が基本だと思うのですが、今回はストレスを溜めないこと、筋トレやボディメイクを楽しむことを目標に、トレーニングはその日のジムの混み具合や気分で種目を選択して時間内で追い込むことを、また、食事に関しては家族で出かけるときは減量を緩めてしっかり楽しむことを実践しました。ただ、昨年に胸の薄さを課題として感じていたので、胸のトレーニングの日以外にも胸の種目を入れるなどの工夫はしました」 

 筋トレとの出会いは、部活のバレーボールのための補強が最初であり、そのころはベンチプレスやジャンプスクワットなど瞬発力の強化がメインで、週に1、2日程度からのスタートだった。 

「明確にボディメイクという意識が生まれたのは、同じジムに所属していたフィジーク選手の姿に心を奪われ、思わず声をかけたときですね。そのころは大会といえばボディビルしか知らず、その方との交流や観戦でフィジークにハマり、翌年に自身でもチャレンジした流れです」 

 「デビュー戦の『JBBFオータムオープンOKINAWA』ではオーバーオールをとることは出来たのですが、減量はひたすら我慢につぐ我慢というように、やり方としては無茶苦茶でした。僕は現在、訪問看護師でパーソナルトレーナーという二足のわらじを履いていますが、そういう経験もあり、お客様への指導も“無理をさせない、楽しく続けられる”を主軸にしています」 

 今回、クラシックフィジークにも出場した経緯は、昨年出場したジャパンカップで五味原領選手のステージングを見て「美しい」と見惚れて憧れをもったこと、そして、「どうしてもフリーポーズがしたかったから」だという 

 「テーマ曲としたMrs.GREEN APPLEの『Soranji』は人間の弱さ、ただ、そこが愛しく尊いということを表現した曲で、看護師として生死に深く関わってきた自分には感銘を受ける曲調、歌詞でした。フリーはこの曲でというのは絶対に決めていました。皆さんにもぜひ、聴いてほしいです」 

 そして、今回の大会を振り返り、“もっと迫力ある身体になりたい”という思いがさらに強くなったと意気込みを見せた。 

 「来年もフィジークとクラシックの両刀でいきますが、鍛える過程でカテゴリーの審査基準から逸脱するとしたら、それはむしろ名誉です。そもそも大きすぎて、というのはトップ中のトップの悩みであり、死に物狂いで辿り着ける境地だと思っていますし、最終的には喜納穂高選手や五味原選手と肩を並べられるほどデカくなりたいです」 

 今後は、オフ期間もトレーニング内容を再考し、今度は計画性を明確に持つ方向に切り替えて、来年のマッスルゲートやジャパンカップに臨んでいくと語った。新進気鋭にしてすでに貫禄を見せつつある宮里選手の視線は、明確に頂点を見据えている。 

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取材・文:にしかわ花 大会写真:上村倫代 写真:本人提供

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