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「勝ちに行く」昨年王者が壮絶トレーニングで減量とバルクアップを両立。連覇めざす。

「今年は過去一の仕上がりを見せます。日本一になる以外の目標はないです」
12月10日(日)、埼玉県三郷市文化会館にて行われる『Super Body Contest(以下、SBC) 2023 FINAL』に向けそう語るのは、昨年の同大会SBC部門総合優勝者(Champion of the show)であり、今年2連覇を賭ける尾花優(おばな・まさる/36)さん。2016年のコンテストデビューから今年で25回を超える大会出場歴を持ち、現在はSBC公認コーチとしてパーソナルジム“ViVi’s STYLE”代表トレーナーとしても活躍する。年々進化を続ける、そのボディメイク法を追った。

【写真】昨年の覇者、尾花優さんの“強”肉体美

「年毎に設定した課題に応じてやり方を大きく変え、試行錯誤を繰り返しています。BIG3をひたすらやってみたり、ダブルスプリットを365日休みなくやってみたり(笑)、逆にオフを多くしてみたり、シングルにしたり……理想像に向け、自分の身体でずっと実験しているような感覚です」

変幻自在のトレーニングにおいて一貫しているのは、やりたい種目ではなく、「なりたい身体になるために必要な種目」を選び、自身の最も辛いと感じることをやり続けてきたことだという。

「今は外に広がりのある身体をつくりたい、セパレーションの深い仕上がりにしたいという目的を追っているなかで、大切にしていることが2つあります。ひとつはモーメントアーム(支点となる体幹の重心からの力点となる手の位置)を最大にすること、ふたつめは可動域を最大限にとることです。ボディビルダーの方やアメフト選手の身体づくりを参考に、これらを意識しながら、静止した状態から爆発的に力を出す反復で限界まで追い込みます。この手法にしてから、アウトラインが大きく変わりました。反面、怪我と隣り合わせになりますし、毎回、筋肉が引きちぎられる恐怖との戦いです」

尾花さんのトレーニング法は、専門学校で学んだ基礎以外は“ほぼ独学”だという。誰かに言われるのではなく、厳しい条件を自ら課して乗り越えることが、心身の鍛錬において重要だと語った。また、減量法においてもその独自性は発揮されている。

「僕は、減量とバルクアップは両立させられると考えています。4000kcalから始めて、現在(11月末)でも3000kcalです。減量末期で米を1日1kg、タンパク質を600〜800kcal、脂質も50〜60g摂ります。週一で(体組成計の)Inbodyで過程を調整していくんですが、体脂肪率が10%を切ったら、もう測らず、お腹、腿、特に浮腫の変動を受けない“手首の腱の浮き上がり”の皮膚感で仕上がりを見ます」

平日はトレーナー業、土日はキッチンカーの出店、地元栃木県小山市のFMラジオ局にてパーソナリティも勤めながらのトレーニングという、多忙を極める尾花さんならではの活動量に基盤を置く、類を見ないハイカロリー減量。事実、今年は4月から減量に入ったが、筋肉量は約1.5kg増えているという。

「色んな人に『日常もトレーニングもやりすぎてておかしい』って言われるんですが、僕はそれを言われると『ああ、頑張れてるんだな』と思います。一番になる人って、絶対おかしいんですよ。異常なことを当たり前のようにやれるから、勝てるんだと思います。だから僕はおかしいと思われてるくらいでちょうどいいと思ってます(笑)。今年もやれる最大限のことはやってきました。だから、自信を持って『勝ちに行く』と言っています。見ててください」

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取材:にしかわ花 撮影:北岡一浩

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