11月26日(日)に開催されたマッスルゲート別府大会で、ビキニフィットネス一般の部とマスターズの部の2冠を獲得した島尾美穂(しまお・みほ/38)選手。「4、5年前までは自分のことが本当に嫌いでした」と語った島尾選手は、ボディメイクや競技を始めたことでその考えが変化していった。そんな島尾選手が身体を大きく変えることができた経緯とは?また、自身の経験から語る「身体を変えるためのアドバイス」とは?
「4、5年前までの私は、とても自己肯定感が低く、鏡で自分を見るのがとても嫌なくらい自分のことが本当に嫌いでした。だから、写真でも笑えないし、普段も笑顔を作ることがとても苦手で、人前に立つことなどは考えられませんでした。今やっと少しずつ笑顔が作れるようになりましたが、よくほっぺたがつってしまうほど、表情筋が衰えていました」
さらに、当時の食生活も健康とは言い難いものだった。
「現在の職(トレーナー)に就く前は、好きなものを好きなときに好きなだけ食べていました。昔ソフトボールをしていたこともあり、そのときから大食いで食べることが大好きで(笑)。お菓子、ケーキ、パン、カップ麺、丼ものなど、1日4食くらい何でも食べていました」
「だんだん、自分の身体がサイズアップしてるような気はしてましたが、あまり気にしてなくて、ちょっと動けばまた戻るだろうくらいに考えていました。ただ、暴食をしてしまうのは学生時代からで、昔から鬱気味な症状や口内炎には悩まされてました。そのときは栄養などにも完全に無知な状態でした」
そこから島尾さんがボディメイクを始めたきっかけとは?
「現在勤めさせていただいている湯布院のTSUDAトレーニングジムに4年前に会員として通い始めたときに、オーナーの津田さんのデカい声と明るさを目の当たりにして、『私もこんなに目をギラギラさせて笑いたい!笑顔の自分になりたい!』と圧倒されました。そこから3カ月後にはTSUDAトレーニングジムに転職することになって、トレーニングにのめり込んでいきました」
身体が変わっていく中で、嬉しい言葉をかけられることもあったという。
「身長161㎝で、体重はMAX59kgから、現在のコンテストコンディションで49kgまで落ちました。トレーニングを始めた当初はパワーリフティングに挑戦していたので、細く美しくは求めていませんでしたが、昨年の春ごろに、『2023年はビキニフィットネスに挑戦するぞ!』と決めて、現在の身体を作り上げてきました。ビキニフィットネス競技にあえて挑戦することで、今まで否定してきた自分とちゃんと向き合うことができるのではないかと思ったことが競技への挑戦を決めた一番の理由です。身体が変わっていく中で、『重たいものでトレーニングしても、やり方が正しければ細く引き締まっていくんだね』と女性会員さんに言われたことは嬉しかったですね」
島尾選手の姿を見て、ジムの女性会員たちの意識も変化していくように。
「重たいもの担いでもそんな簡単に筋肉なんて大きくならないことをみなさん分かったようで、ジムの女性会員さんは躊躇なくバーを担いでスクワットを高重量でできる方が多いです。ジムでは選手じゃないたくさんの女性会員さんたちがフリーウエイトトレーニングができている、ということが何より嬉しいことです」
島尾選手が実際に行っていたトレーニングとは?
「トレーニングはベンチプレス、スクワット、デッドリフトを中心に行うことで、大幅に筋力をアップさせることができました。そこからレップ数やセット数を増やすことで筋肉量が上がっていったと思います。とにかく全身を使って重量を上げることを目標にトレーニングしていました」
「今は週3から4日トレーニングしており、脚とお尻の日、背中の日、胸と肩の日と分けています。ただ、身体の調子に合わせて組み合わせを変えることはあります」
現在は定期的に息抜きをしながら、基本的にクリーンな食事を意識している。
「現在は、朝に白米、鮭、納豆、卵を食べ、昼と夜は白米と鶏胸肉を食べるというメニュー(野菜は添える程度)で過ごしています。また、代謝を上げるためと息抜きのために減量期でも2週間に一度、牛丼もお菓子もパンも和菓子もなんでも食べる3000kcalの爆食をしています(笑)。食べた以上のカロリー消費を目指したトレーニングが力いっぱいできるというメリットもあるんですよね」
島尾選手は自身の経験から、トレーニングがもたらす効果を実感するようになった。
「正しいトレーニングを続けていくことで、自分の身体をコントロールしたり、機能向上につながると思っています。その結果、旅行を楽しんだり美味しいものを食べることができたり、新しい挑戦をしたりと、人生を豊かにすることができると思います」
そんな島尾選手に、身体を変えるためのアドバイスをもらった。
「変えたいと思った『今』動く。そのスピード感が、自分の人生の速度です。でも大事なのは継続。ジムに通いたいと思っている人は、誰かが教えてくれるジムに通うことをお勧めします」
12月10日に開催されるゴールドジムJAPAN CUPに出場する島尾選手。意気込みを聞いた。
「この一年、選手としての挑戦を一番近くでとてもとても厳しく支えてくださったジムオーナーの津田さんに、恩返しができるような結果を残せるよう頑張ります!」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介