「環境は自分次第で変えられます。常に最高のチョイスをしてチャンスを掴む。この環境に全ての出会いに、いつも感謝しています」。自身の目標の身体づくりのため、トレーニングの環境を変え、約10カ月で身体を進化させた米田寿美(こめだ・すみ/43)選手。2022年9月にトレーニング環境を変え、2023年7月に兵庫県ビキニフィットネスオープン大会40歳以上45歳未満で見事優勝を果たした米田選手に短期間で身体を変えた取り組みについて伺った。
徳島県から兵庫県のジムへ車で片道2時間!週1で通う
米田選手は2021年からトレーニングを開始。以前はランニングが好きでフルマラソンやハーフマラソンに出場していたが、コロナ禍で大会がなくなったのをきっかけにトレーニングに転向。2022年8月までは地元徳島で週1回のパーソナルトレーニングを受ける程度だったが、「トレーニングでもっとかっこいい身体になりたい」と思うようになり、2022年9月より徳島から兵庫県加古川市にある、数々のボディコンテストトップ選手を輩出したMAXGYMに通い始め、本格的にトレーニングを開始した。
「団体変更の相談を2022年8月に長瀬陽子選手(JBBFビキニフィットネスのトップ選手)にしました。『なりたい身体があるなら遠回りする必要はない』とMAXGYM木下先生をご紹介いただきすぐに相談へ。初日にMAXGYM所属で頑張ると決め、大会出場を目標にトレーニングを開始しました」
トレーニングは週5回、1回1時間から2時間、背中、肩、脚、ヒップをローテーションで行っている。そのうちの週1回は車で片道2時間かけてMAXGYMに通い、木下先生のパーソナルトレーニングとポージングレッスンを受けているという。
「トレーニングは大好きですが、不器用なので基本的にMAXGYMで教えていただいたことをひたすら繰り返し自主練でも行なっています。高重量が苦手なので、鍛えたい部位を意識し効かせられるように努めています」
目標の身体はビキニフィットネスに必要とされる「細くくびれたウエストや丸いヒップ、肩、背中、脚の筋肉をバランス良くつける」こと。
「私はとにかく脚が弱く重量が扱えません。今も苦戦しています。高重量が扱えなくても効かせられるトレーニングをしようと、木下先生のパーソナルでは毎回脚をリクエストしています。とにかく弱い脚を中心に取り組みながら早い段階で良くなってきた背中とヒップもしっかり強調できるようにパーソナルを組んで下さいました。脚はまだまだですが、コンプレックスだった、ぺちゃっと垂れた薄いお尻は、この1年で良くなった部位だと思います」
「バランスのとれたプロポーションと女性らしい品」。これらをステージで見せられるようにトレーニングだけではなく、並行してポージングレッスンにも力を入れて取り組んだ。特にMAXGYMの渡利寛子トレーナー(JBBFボディフィットネスのトップ選手)のレッスンを毎回受けたことが米田選手のポージングに大きく影響したという。日に日に精度を上げ、9月に開催された身長、年齢別の日本一を決める大会オールジャパンマスターズフィットネスチャンピオンシップス・ビキニフィットネス40歳以上160cm超級で初出場ながら見事入賞4位を獲得した。
MAXGYMに通うため、仕事とライフスタイルを変化
徳島県から兵庫県へ通うため、仕事環境、ライフスタイルを変えた米田選手。
「トレーニングを辛いと感じたことは一度もありませんが、徳島から兵庫県加古川のMAXGYMに通っていると時間や費用に余裕があると思われることが多く、“子育てやお仕事は?”と聞かれることがあり、嫌な気持ちになることがありました。決して時間や費用に余裕がある生活ではないのですが、やると決めたら徹底的にやる性格なので、エステティシャンの仕事をフリーに転向、通うためにライフスタイルを変えました。予約の合間にトレーニングや家事をするようにしています。競技をするようになり、子どもたちの夜の練習の間にトレーニングなど、時間を有効に使うようになりました」
米田選手の娘2人は姉妹で競泳をしており、「週6日の練習と大会シーズンは自分の競技とのスケジュール調整も大変」だが、「スポーツをする娘たちだからこそ私の一番の理解者、彼女たちの存在が私の原動力でもあります。また、ビキニに挑戦できるのは理解のある家族や応援してくれる友人たちのおかげです」と周りの人への感謝を語ってくれた。
増量期も減量期も基本的に同じ食事
「どちらかというと減量は得意です」という米田選手。その減量方法とは?
「パンやお菓子は好きですが、増量期も減量期も基本的に同じ食事をします。タンパク質や糖質の量は必ず測るようにしています。こまめに取るのが理想ですが、仕事柄決まった時間に食べられないので、ストレスにならない程度に食を管理しています。お米やお肉、野菜はしっかり摂取、ラーメン、ハンバーガー、ポテトなどは2年くらい食べてない気がします。食事内容が変わらない分、減量になると減り方が緩やかなので、減量期でもトレーニングはしっかり、有酸素をタイミングを見極め行います」
大会10日前に訪れたピンチ
「かっこいい私でステージに立つ」これだけを目標に10カ月間、毎日トレーニングやポージングに取り組んだ米田選手。
「MAXGYMを訪れた当初は細くて、私の周りはビキニにチャレンジすることを無謀な挑戦と感じていたと思います。唯一木下先生だけは“頑張りましょう!”と言葉をかけてくれたのを今でも覚えています」
だが、兵庫オープンまで残り10日となった7月6日、突如体調を崩し入院。
「兵庫オープンに対する気持ちがとても強く、ショックが大きすぎて病院で大泣きしたのを覚えています。9日間の入院予定を告げられて最初は諦めましたが、1日前でも出場はできると木下先生にメンタルを支えていただき諦めずに入院生活を送った結果、6日で退院することができました。必ず退院し兵庫オープンに出たい。私にとって兵庫オープンは出場した3大会の中で一番思い入れのある大会になりました」
MAXGYMに出会い、全てが変わった米田選手。目標を決め、ブレずに取り組む、行動することが米田選手が急成長した理由かもしれない。
米田選手の次の目標は昨年惜しくも準優勝だった兵庫オープン163cm超級、兵庫選手権オーバーオール、この2大会で優勝すること。
「毎年ハイレベルな大会で言葉に出すこともおこがましいですが、リベンジしたいです。大好きな兵庫オープンと兵庫選手権を取れるまで何度でも挑戦します!(笑)」
MAXGYMや兵庫県ボディビル・フィットネス連盟が好きな米田選手は、競技1年目から選手をしながら、実行委員として運営の仕事も手伝っている。
「私の大好きな兵庫オープンをたくさんの方に知っていただき、観戦していただきたいです!」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介 写真提供:米田寿美
-コンテスト
-JBBF, オールジャパンマスターズ, 兵庫オープン