何かを始めるのに遅すぎるということはない。様々なボディコンテストで活躍する宮村真紀(みやむら・まき/53)さんは、夫の敏洋さんもメンズフィジーク選手という夫婦揃って若々しい生活を送っているが、意外なことに真紀さんは40歳まで虚弱体質で運動とは無縁だったという。
走るとお腹とお尻の肉がワサワサ揺れる
真紀さんは幼少期から虚弱体質で学校は休みがち、社会人になってからも年休を使い切ってしまうほど会社を休むことが多かった。
「35歳を過ぎたあたりから体力の低下が加速しているのを感じて、精神的にも弱く自分に自信が持てない。さらに中年太りで会社も休みがちという感じでした。このままではまずいと、40歳になったことをきっかけに筋トレを始めました」
ボディビルやパワーリフティングをしていた(現在はメンズフィジークに出場をしている)夫・敏洋さんの若々しい姿に影響を受けて筋トレを始めた真紀さん。
「私が筋トレを始めた当時(13年前)は女性が筋トレをするというのがあまりメジャーではなかったので、どのような身体になるのか想像ができませんでした。しかし浮き輪のようにお肉が付いたお腹周り、垂れ下がったお尻が気になる、走るとお腹とお尻がワサワサ揺れるのをどうにかしたかったのでジムに入会しました」
最初は週2回の1時間程度の有酸素運動中心でのスタート。少しずつウエイトトレーニングの頻度を増やしながらボディメイクを始めていき、44歳でコンテストデビューを果たすも最初は予選落ち。そこから火が点いて翌年優勝を手にし、どんどん熱中していったという。
「最初は扱う重量が伸びていくことがモチベーションにつながり、徐々に身体の変化が出てきたことで楽しくなっていきました。大人になってから成長が目に見える経験はあまりないので新鮮な感覚でしたね。さらに周りからの評価が変わり、身体が元気になっていく感覚があって、そこからは夢中になっていました」
転職、そして開業

旦那の敏洋さん(左から2番目)とジムを開業。TV取材を受ける
45歳で会社員からフィットネストレーナーに転職。49歳には敏洋さんとジムを開業した。
「ずっと人よりも劣っているというコンプレックスを抱えて生きてきましたが、筋トレを始めて体力が付いたことで『何かに挑戦しようと思える自信』を持つことができるようになりました。今では昔の知り合いに会うと『何があったの?』と驚かれます(笑)。普通の人からすると当たり前のことかもしれないのですが、365日健康でいることが私にとってはすごく前向きになれる要因になっています」
SNSに写真をアップすると「奇跡の50代」とリプライをもらう真紀さん。
「年齢は関係ないということを体現し続けたいです。40歳からでも、虚弱体質からでも、何か踏み出せば変わります。世の中努力をしても報われないことがあるかもしれません。しかし筋トレは努力が報われるし、健康になる。多くの方に取り入れてほしいです。筋トレが生活の一部になるための普及をしていきたいです」
取材:FITNESS LOVE編集部 写真提供:宮村真紀