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25歳・研修医が全国大会の舞台で魅せたバックポーズ 涙のビキニフィットネス挑戦

福島恵実さん昨年のゴールドジムJAPAN CUPでビキニフィットネス35歳未満158cm以下級3位などの活躍をみせた福島恵実(ふくしま・えみ/25)さん。初々しさの中に力強さを兼ね備えたポージングを見せた福島さんは研修医1年目。医師との両立、そして今後のフィットネスとの向き合い方を聞いた。

【写真】25歳・福島恵実さんの美しいバックポーズ

大会が終わったらハイヒールを捨てて、もう一生減量なんてしない

「ハマったら周りが見えなくなってしまいます」

当時、医学部6年生だった福島さんが時間を費やしたのは“筋トレ”だ。

「20歳のころ、サーフィンを始めたときは毎朝4時に起きてサーフボードを持って海に出かけていました。海から戻って大学の講義といったルーティーンでした。ハマったら一直線という感じの性格です。それからコロナ禍で筋トレを始めると、どんどん楽しくなっていきました」

卒業試験、就職試験など、大学生活のなかでも多忙を極める6年生の時期に、ジム仲間から大会出場の誘いを受け、出場を決意。「大会が終わったらハイヒールを捨てて、もう一生減量なんてしない」と思うほどの辛い日々を過ごしたという。

「朝早く起きて有酸素運動、病院での実習を受けて、ジムで筋トレというルーティーン。加えて、むくみやすい体質なので、水分を多く摂ろうと1日6リットルのノルマを課したのですが……、実習中は水を飲めないので、昼休憩などで2リットルを一気飲み。お腹タポタポで気分が悪いという状態。初めての減量で何をすれば正解なのか分からない状況でした。泣きながら有酸素運動をしていました」

努力を重ねたが、一朝一夕で何とかなる世界ではなく、福島さんはJBBF西日本フィットネス選手権でピックアップ審査は通過したものの決勝に残れなかった。大会前は、「終わったら辞めよう」と決意していたが、気持ちは変わったという。

「悔しいという感情が勝ってました。大学生活最後の思い出くらいの気持ちもあったのですが、次は勝ちたいと思う自分がいました」

大学を卒業し研修医となった福島さんは「もう負けたくない」という一心で、早めに減量を開始。マッスルゲート奈良で見事リベンジに成功し、優勝。続くゴールドジムJAPAN CUPでは全国大会の舞台で3位入賞を果たした。

「研修医1年目でヒイヒイしながら仕事していましたが、先輩や同期のおかげで何とか乗り越えることができました。大会1週間前になると泣きながら昼ご飯を食べることもありました。でも頑張ってよかったです」

広背筋の走行に合わせて、ダンベルやマシンの軌道を意識することで効きを良く

医学生のころに筋トレを始めた福島さんにとって良かったことは知識が活きたことだという。

「解剖学が一番好きな分野だったので、特に注力していました。そのなかで筋トレを始めたときに広背筋の走行に合わせて、ダンベルやマシンの軌道を意識することで効きを良くしたり、肩の神経伝達を考えながらメカニカルストレスを与えたりと知識と経験がつながる瞬間に出会えたことはモチベ―ションにもつながりました」

また、福島さんはボディメイクの経験から、医師としても伝えていきたいことがあるという。

「減量をするようになって、食事を調味料から材料まで管理するようになりました。そのとき、自分にとって合う食材、合わない食材を把握できるようになり、身体の調子が整うようになりました。食物アレルギーへの関心が高く、皮膚と食事の関係性などを勉強していきたいです。それと適度に脂質を摂ると体感がいいというのも発見でした。こういった経験を医学的にも伝えていけるようになりたいです」

さらに糖質についても取り方にポイントがあると続ける。

「減量の際にスローカロリーを意識した、血糖値が上がらない摂取方法を模索しました。主食なら、うどんや白米よりは蕎麦や玄米を選び、甘い物なら焼き芋を冷たく冷やしておやつ感覚で食べることで血糖値の上昇を緩やかにできること。これが自身の減量だけでなく、研修医としても活かすことができました。糖尿病に悩んで糖質を一切取るのが怖くなり、鬱になった患者さんに血糖値を抑えながら糖質を摂る方法をお伝えできたんです。調味料や、果物等についてもまとめた表をお渡しして食事のアドバイスをさせていただきました。食べるものを上手に選択することで、食べることに対する不安感を軽減できると思いお伝えさせていただきました」

これから医師としてだけでなく、ビキニフィットネス競技者としても楽しみな福島さんだが、今年はコンテストはお休みする予定とのこと。

「1年目に先輩や同期に迷惑をかけたので、2年目は医師として一人前になるために頑張ろうと思います。仕事のストレス発散に筋トレは必要なので、今は週4日のペースで通っています。大会もまた挑戦したいです」

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取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩

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