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「ハンディのある身体でも頑張れる!」原因不明の1型糖尿病と向き合いビキニフィットネス優勝した28歳

三好紗衣子さん自身の病気への理解と、その病気と闘う子どもたちのために、ボディメイクに打ち込む人がいる。岡山県在住の三好紗衣子(みよし・さえこ/28)さんだ。

【大会写真】三好紗衣子さんのパンと張った脚&サイドポーズ

三好さんは22歳のときに「1型糖尿病」を発症した。要因のひとつに生活習慣があるとされる2型糖尿病と混同されることが多いが、1型は原因不明で、子どもや若者が突如発症することも少なくない。三好さんも、そのひとりだった。

インスリンを体内で分泌できないため、食事のたびにインスリン注射を打つ。インスリン治療を中断すれば、そのまま命に関わる。

「身体が不自由な中、絶望的な毎日でした。そんなころ、1型糖尿病についてもっと勉強しないといけないとネットで検索していたときに、目に留まったのが丸山典子さんさんでした」

丸山典子さんも16歳で1型糖尿病を発症、病気と向き合いながら35歳から10年近くに渡りビキニ競技の第一線で活躍を続けたビキニアスリートだ。

「病気の怖さを知った上で世界まで羽ばたいている姿や、美しい身体に惹かれました。運動好きな私も、丸山さんに続く選手になりたい!人生を変えようと、SNSですぐに丸山さんに連絡を取らせていただき、病気とどう向き合ってトレーニングをしているかを聞いたりしました」

昨年から本格的にトレーニングを開始。JBBFの元トップビルダー、片岡敏徳氏に師事し、「病気があっても強くなれる、いや、強くなる」の一心で打ち込み、昨年8月のJBBF中四国大会では、ビキニフィットネス部門で見事優勝を果たした。

トレーニングはほぼ毎日。胸(腕)の日に始まり、背中→肩(腕)→脚→ハムストリング&お尻のルーティンで、各日とも4~6種目、それぞれ10レップあげられる程度の重さで各5セットずつ実施している。

「トレーニングオフは決まっていなくて、身体が疲れたなというときに休みを取っています」と三好さん。ただ、病気と向き合いながらのトレーニングでは、注意すべき事柄も多い。同じ病気を持ち、トレーニングに取り組んでみたいという人に向け、三好さんは以下のアドバイスを送る。

「1型糖尿病はインスリンが欠かせない病気であり、また低血糖に十分気をつけないと死に直面する危ない病気です。主治医の先生と二人三脚で必ず行うことと、自分の体調をよく知った上で始めなければいけません。コンテストに挑戦する選手は必ずトレーニング頻度や強度にストイックになると思います。なってもいいですが、必ず自分の血糖値を都度、確認した上でトレーニングすること、そして必ずブドウ糖は肌身離さず持ち運ぶことを徹底していただければと思います」

実際、三好さんも低血糖で倒れたり、激しい冷や汗や動悸に襲われたりしたことが何度もあり、そのたびにブドウ糖に助けられたそう。

「凄い選手ばかりで、まだまだ未熟な私ですが、いつの日か一流の選手になれるように、『ハンディのある身体でも頑張れる!』という姿を魅せられるように、日々頑張っていきたいと思っています。インスリン生活や治療費など、いろいろなことに悩まされている1型糖尿病ですが、いつの日かたくさんの方に知ってもらい、たくさんの子どもたちが傷つくことのない日が来ることを願って、私はこの活動を続けていきます」

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取材:FITNESS LOVE編集部  写真提供:三好紗衣子

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