「ステージに立った瞬間、頭が真っ白になりました。レッスンで習ったポージングを全部忘れて、ただ『ステージって温かいんだな』ってぼんやり思っていました」
【写真】上村果穂さんの縦線の入ったウエストやなめらかな曲線が映えるステージ写真
そう笑いながら振り返るのは、『ベストボディ・ジャパン岐阜2025大会(5月5日/日・祝に開催)』のミス・ベストボディ部門レディースクラス(30歳~39歳)で初出場ながら3位入賞を果たした、上村果穂(うえむら・かほ/30)さん。トップ選手への憧れを胸に、30歳の節目を機に一歩を踏み出した上村さんの出場背景は、努力と情熱に満ちている。緊張の中で掴んだ3位という結果は、上村さんの6年にわたるボディメイクの集大成だ。
幼少期から鍛えた身体、母の影響で始まったフィットネス
上村さんのトレーニングの原点は、意外にも小学生時代に遡る。母親が50歳を超えてもシックスパックを誇るトレーニング愛好家で、上村さんもその影響を受けて育った。
「母の鍛えた姿に憧れて、ビリーズブートキャンプをやったり、腕立て100回、腹筋100回とか、自分でメニューを組んでました」
そんな環境で、鍛えることは上村さんにとって生活の一部だった。本格的なボディメイクを始めたのは6年前。コンテスト出場を意識しつつも、なかなか踏み切れずにいたが、30歳を機に決意。「節目の年になるので、ここで挑戦しなければと踏ん切りがつきました」と語る。
過酷なトレーニングと食生活改革で輝く身体へ
出場を決意してからの上村さんのトレーニングは、猪突猛進そのものだ。2箇所のパーソナルトレーニングをかけもちで週4日、1日は自主トレの計週5日を欠かさず励んだ。仕事やプライベートの予定をトレーニング優先で調整するハードな日々だったが、身体は驚くほど快調になったという。
「不眠気味だったのが、トレーニングを始めてからぐっすり眠れるようになりました。朝の目覚めもスッキリして、身体が軽くなりました」
身体もみるみる変化していった。特に肩周りの変化は顕著で、1カ月で目に見えて実感したという。
食生活も一変した。元々少食で菓子パンやお菓子ばかり食べていたそうだが、栄養管理を学び、それまでほとんど口にしなかった米を1日3食食べ、魚や肉でたんぱく質を摂取。
「最初は慣れなかったですが、鹿児島出身なので甘い刺身醤油で魚を食べたら美味しくて、それで続けられました」
食事管理に熱心に取り組む姿が周囲にも伝わり、応援の輪が広がった。
「真剣にやってるって伝わると、みんなが励ましてくれて、それが本当に力になりました」
有酸素運動も当初行っていたが、過度に痩せて肋骨が見える状態になったため中止。筋肉を維持しながら、バランスの取れたボディメイクを追求した。こうした努力が実を結び、岐阜大会での入賞につながった。初戦の緊張を糧に、上村さんは次の目標を見据える。
「長野大会、東京大会、首都圏大会とレベルアップして、日本大会でいい結果を残せるように頑張ります」
新しい挑戦とひたむきな努力は、人生を輝かせてくれる。
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取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。
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