「あずさちゃん、頑張れ!」
ボディコンテスト会場でしなやかな曲線美を応援するのは、なんと70歳代を中心とするシニアの方々。歓声を受けていたのは、『ベストボディ・ジャパン2025愛知・名古屋大会』ガールズクラス(18歳〜29歳)でグランプリを獲得した、ボディセラピストの吉澤梓(よしざわ・あずさ/28)さんだ。
フィットネスを通じた地域との絆 70歳代の応援団に支えられて
応援団は「名城公園プロギングメンバー」。プロギングとは、ジョギングをしながらゴミ拾いを行うフィットネス活動だ。吉澤さんはこの活動に参加し、ボディメイクとともに地域奉仕と交流を楽しんでいる。
「運動しながら、人生相談や日常の話ができるのが楽しくて参加しています。大会出場を伝えたら、『初めての観戦だけど、応援したい!』と横断幕を持ってきてくれました。皆さんは私より50年も人生の先輩ですが、いくつになっても人との出会いを大切にし、新しい場所に足を運び、興味を持ったことに挑戦されています。その姿勢にたくさんの学びをいただいています」
吉澤さんは、自身の存在をきっかけにプロギングの認知が進み、広がっていく循環が生まれるきっかけになればと願っているという。
医師の警告に一念発起して生活改善
吉澤さんが筋トレを始めたのは、1年前。きっかけは健康への危機感だった。血液検査の結果で貧血。過労と精神的な疲弊からくる不摂生な生活で、糖尿病と不妊のリスクも警告された。そこから食事改善と筋トレに取り組み、セミパーソナルジムに通い始めた。
「トレーニングの知識がゼロだったので、無理なく続けられる環境を選びました。MAX62kgだった体重から徐々に体型が変化し、『さらに結果を出すには明確な目標と期限があったほうがいい』と勧められてコンテストに出場を決意しました」
そして今年、岡山大会に続き本大会でもグランプリを獲得。目標を持った継続的な習慣化の大切さを感じているという。
「以前はジムに週3日通っていましたが、現在は仕事の関係で週1日に減らし、自宅でお尻を中心としたバンドトレーニングやストレッチを欠かさず行うようにしています。
食事は自作の鶏胸肉と野菜が具沢山のトマトスープをメインに、大好きな甘いものとも共存している。
「過度な制限はせず、ドーナツやチョコレートも食べたいときには適量を楽しんでいます。ホルモンバランスの影響などで食べすぎた翌日は運動量や水分摂取を調整しています。こうした工夫で、忙しいなかでも体型や健康を維持しています。ボディメイクは一朝一夕では結果が出ません。だからこそ、無理のない習慣化と継続を大切にしています」
独立開業にむけて 広がり続ける挑戦
現在、吉澤さんは名古屋市中区に自身で開業予定のドライヘッドスパ専門店「Luce」の準備に奔走中だ。
「仕事面では自分のサロンを成長させ、訪れる方に心身ともに癒やしを提供できる環境をつくりたいです。ボディメイク面では、日々の習慣を大切にしながら、無理なく体型や健康を維持・向上させていくことを目指しています」
フィットネスや大会挑戦を通じて、様々な出会いや人生の転機を迎える人は驚くほど多い。自分を向上させようという努力や情熱が、それを後押しする縁を引き寄せるのかもしれない。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』『Womans'SHAPE』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。
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