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「痩せたい」から「健康でありたい」へ 還暦からの挑戦でボディコンテストグランプリを飾る!【筋トレ】

長年にわたり看護師として働き、子育てと仕事に奔走してきた山本恵子(やまもと・けいこ/60)さん。9月28日(日)に高知県で開催されたベストボディ・ジャパン主催の『ベストボディ・ジャパン高知龍馬大会』、『モデルジャパン高知龍馬大会』のプラチナクラス(60歳以上)に出場し、優勝に輝いた。

【写真】摂食障害のような症状を乗り越え、健康的になった山本恵子さんのボディ

山本さんにとって、人生で初めてのボディコンテスト。還暦を迎える節目として挑戦したが、それは生まれ変わるような経験だったそうだ。

山本恵子さん

痩せたい、から「健康でありたい」へ

15歳で医療の道に入り、看護師として勤務。50歳のころ、心身の不調から食欲が増進し体重が増加してしまった。心を休めるためにも55歳で退職をし、57歳のときに自己流の食事制限に取り組んだ。

半年で体重を11kg落とすほどのストイックさを見せたが、食べることへの恐怖心や体調不良に悩まされるようになった。

「正式な病名はついていませんが、摂食障害のような症状でした。家族から食事制限をやめるように言われても、体重が減ることに執着していたんです」

そんな状況を救ってくれたのは「お母さんに健康で長生きしてほしい」という、子どもたちの声だった。この言葉が胸に刺さり、健康的な方法へと意識を切り替えることを決意したのが大きな転機だったという。

身についた運動習慣で、身体は進化

59歳のとき、家族の提案でスポーツクラブに通い始めた山本さん。さらに、ベストボディ・ジャパンの大会に出場経験を持つオーナーが運営するジムへとつながった。

地方大会も観戦に行き、同世代の女性たちが輝いている姿に刺激を受けて「自分も、あんな風になりたい」と感じたという。そして還暦という人生の節目に、家族への感謝の気持ちを形にするべく、大会挑戦を決意した。

現在は週3回のパーソナルトレーニングで、スクワットやブルガリアンスクワット、ベンチプレス、ラットプルダウンなど全身をバランスよく鍛え、さらにプールやヨガ、ストレッチも組み合わせて週5日の運動習慣を継続している。

「そもそも運動習慣がなかった私。プールではお友達ができたり、主人が一緒に行ってくれたりするので、継続できています。家族やトレーナー、ベストボディの講師の方々に褒めてもらえることが励みになっています」と山本さんは笑顔を見せる。

身体の変化も着実に現れている。肩甲骨がくっきりと浮かび上がり、腕の筋肉の輪郭が明確になったことで、胸元のラインにも変化が生まれた。

目標は「痩せること」ではなく「健康的に長生きし、家族に誇れる母親になること」。ボディメイクを通じて、家族みんなが笑顔で過ごせる未来を描いている。

山本さんの歩みは、年齢や過去の経験に関係なく、いつからでも身体は変えられることを教えてくれた。自分を大切にする一歩が、やがて周囲をも笑顔にしていくのだろう。

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取材・文:小笠拡子 大会写真:山口夏織

小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉観戦が大好きなので、毎月コツコツ大会鑑賞の貯金をしている。

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