美味しい食事が溢れる現代。ダイエットや栄養管理に「高い壁」を感じる人は少なくない。
「仕事柄、様々な健康課題を抱える方と関わっています。いつまでも口から食事がとれ、自分の足で歩き続けたい。そんな先を見据えた健康維持の大切さを実感し、ジムに入会しました」
【写真】吉岡絢子さんのなめらかな美白スレンダーボディと見た目も美味しそうな特養料理

トレーニングを始めた経緯をそう話すのは、特別養護老人ホームで管理栄養士として働く、吉岡絢子(よしおか・あやこ/46)さん。揚げ物・おやつを含む毎食の「検食」など、美味しい食事と切り離せない環境に身を置きながら、ボディコンテストに挑戦。2025年には『ベストボディ・ジャパン甲府大会』でグランプリに輝いた。
食べ物に囲まれる生活のなか、どのような工夫で美しい肉体を作り上げているのかを尋ねた。
減量と「検食」の両立
管理栄養士の職務には、提供される食事の味や安全性を確認する「検食」がある。
「減量中でも、揚げ物やカレーや洋食の煮込みなどの高カロリーな献立を避けることはできません。食べ物を無駄にすることは決してしませんので、食べ方に工夫をしています」
検食では、よく噛んで味わいを分析することに集中。味や食感を正確に確認できる最低限の量にとどめ、確認が済んだ残りは、他の職員に協力してもらうなどで調整しているという。
「思わず食欲に負けそうになるときは、『今じゃない、後で(大会後に)食べられるから』と目標を胸に自分を律しています」
知識を武器に 咀嚼から排出までを考えた食事
仕事で摂取せざるをえないカロリーを踏まえ、プライベートの食事は、徹底してクリーンな食材を選択。肉は脂肪分の少ない部位を厳選し、食材の調理法は「生・茹でる・蒸す」に限定する。ここでは、管理栄養士という職業がアドバンテージとなる。
「食と栄養の知識を体系的に活用できますし、得た情報や、いただいたサンプルなどまず自分自身で試しています。数値の栄養価だけでなく、咀嚼・消化・排出までのプロセスを意識して食事をとることで、身体が変わっていく過程を楽しんでいます」
早朝4時45分からの自分時間 環境を味方につけるマインド
母でもある吉岡さんの朝は早い。4時45分には起床し、トレーニングと海沿いの散歩を交互に行うのが日課だ。ハードなスケジュールに思えるが、吉岡さんにとっては「自分のスイッチを入れる大好きな時間」だという。
「仕事と子育てを両立するなかで自分の時間を作るとなれば自然と早朝になりますが、早起きは得意です」
初出場の2024年には、予選落ちという悔しさも味わった。しかし、そこからグランプリを獲るまでの過程で得た「自己管理の楽しさ」が大会出場を続ける原動力になっている。
「いつまでに何を達成するか、その過程を自己管理できることに魅力を感じています。大会を通じて得る失敗も喜びも悔しさも、すべてが学びです。これからも身体づくりと大会出場を通して心身ともに強くなりたいです」
吉岡さんのInstagramでは、地域から寄せられる旬の野菜や果物からつくる華やかで美味しい食事とととに、鍛えた肉体が発信されている。入所者の「食の喜び」を支えながら、ストイックに理想を追い求める姿は、健康的に生きることの楽しさと美しさを体現している。
執筆者:にしかわ花
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』『Womans'SHAPE』寄稿。記者・ライター、メディアプランナー、エッセイスト。
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取材:にしかわ花 写真提供:吉岡絢子
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