「下半身の絞りが甘く、カットがなかなか出ず、お尻のたるみも改善しきれませんでした」
ボディフィットネス選手として活躍している佐藤和歌(さとう・かずか/50)選手は昨年を振り返った。全体的な筋量は増えて、オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス(45歳以上160cm超級)では優勝したが、下半身は2023年からの課題だったという。少しでも改善したい、と12月の世界選手権に向けて、片足ずつ追い込めるメニューを中心に、集中的に取り組んだという。
「世界選手権では、ポージングを見ていただいた際、コーチの木下喜樹先生から『9月のオールジャパンのときより、お尻が大分良くなりましたね』と言っていただけました。ただ、やはりまだまだ甘いので、引き続き課題です」
同じくコーチとして帯同していたボディビル元世界チャンピオンの鈴木雅さんからは課題改善の大きなヒントになりそうなアドバイスがあった。「鈴木雅さんに、脚の絞りについて『骨盤が前傾しているので、ニュートラルにするように』と言われました」
アドバイスを踏まえ、「コンディショニング的な部分から取り組んでいる」という佐藤選手。
「トレーニングとしては、週6回、1日オフを取っています。去年のオフシーズンは、挙上重量を求めるばかりで、雑になりがちでしたが、今は骨盤や呼吸法を意識して、狙った部位にきちんと効かせられるよう、1回1回丁寧に行うようにしています」
「筋量ももっと増やしたい」、佐藤選手は言う。
「肩をもっと大きくしたいのと、もっと厚みをつけたいです。去年の初戦で、久しぶりに他の選手と会って実感したのが、やはり厚みの違いでした。前年より厚みはついたものの、やはりまだまだ足りていなかったので、こちらも意識しながらトレーニングしていきたいと思っています」
「世界選手権では多くの学びがありました。自分の出場しない日は、日本選手のサポートに入るという経験もしました。特に勉強になったことは、日本のトップ選手の方々とご一緒させていただけたことです。パンプアップの様子や、トレーニングの様子を見させていただくことができました」
コーチ陣からのアドバイスをはじめ、トップ選手とともに国際大会を戦った経験を2025シーズンにどう生かせるか。改善された下半身に注目したい。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:あまのともこ 撮影:中島康介、中原義史(世界選手権)