コロナ禍になった2020年に「ダイエット目的でトレーニングを開始した」と話す関裕美(せき・ひろみ/27)さんは、3年後の2023年にJBBFのボディコンテストへ初挑戦した。「減量では有酸素運動はしない」という関さんに、ダイエット初心者にもオススメの食事管理について話を伺った。
フィットモデルで日本4位になった関さんは、昨年の関西メンズフィジーク選手権176cm以下級で3位の夫、関素灯(せき・もとほ)さんと一緒にトレーニングに励んでいる。
「世間がコロナ禍となり運動不足を感じていたころ、毎日ジムに通っていた夫に誘われ、一緒にトレーニングすることにしたのです。夫の出場する大会を応援に行った際、初めてビキニ選手を目の当たりにし、『私もやってみたい!』という気持ちに火がつきました。ビキニ選手になると決めてからは兵庫県のMAXGYMでパーソナルトレーニングやポージングを教わりました」
現在は定期的なパーソナルトレーニングも続ける中で、週に6日トレーニングしているという関さん。
「周りからは結構驚かれて『身体を休ませることも大切だよ』とアドバイスされますが、私は休んでしまうとめんどくさくなってジムに行かなくなってしまうタイプなので(笑)。基本的に家でゴロゴロしていたい私にとって、トレーニングはボディコンテストへ出場するために必要な手段であり、トレーニングそのものが大好きという訳ではありません。一旦ジムへ足が向かなくなると、再開するために多くのエネルギーが必要となるので、やめないためにジムへ行き続けていますね。」
ジムでは決めた部位を順番にトレーニングするのではなく、自分のやりたい部位をやるのが関さん流。
「前回のトレーニングから4日以上空かないように、身体のバランスをみて強化したい部分をトレーニングしています。トレーニングを始めた当初は肩を育てるために毎日のように120回くらいサイドレイズしていました(笑)。1回のトレーニングは、1時半〜2時間くらい。減量中は有酸素運動は滅多にやりません。その時間をポージング練習に当てたいからです。前に1カ月ほど有酸素運動にも挑戦してみましたが、思うように体重が落ちなくて、やめると落ち始めたので疲労が溜まりやすいと判断して極力控えています」
関さんの1日の摂取カロリーは、減量末期でも1200kcal以下にすることはないという。
「具体的なメニューは、朝食はプロテインとバナナ、お餅を食べます。お昼はお米、鶏肉や魚、納豆、ブロッコリーなどの野菜。夜は昼ご飯と同じメニューで1日4食に分けています。ある程度同じ内容を食べ続けないと、減量がうまく進んでいるかの分析ができません。私は毎日食事管理アプリを使い、定期的に写真を残して都度、見返しています。PFCも計算しますが、特に重視しているのは1日の総摂取カロリーです」
大会に出る競技者の減量ならともかく、一般的な体型管理のためのダイエットでは継続できるかどうかがカギになる。そこで関さんに、簡単に継続できるための工夫を教えてもらった。
「まずはカロリー計算を堅苦しく考える前に、1日の毎食の食事をスマホで撮影しておく。その後見直し、それを毎日続けてみる。記録していくことでその時々に食べる物が気になってくるので、自ずと食べる量を抑制しやすくなります。あとから見返したら、このとき食べ過ぎだなとか振り返ることもできますよね。いちいち調べて計算するのがめんどくさい、というような人にはこの方法をおすすめします」
そんな関さんがダイエット初心者にオススメするメニューは、『一人鍋』。鶏むね肉、鶏もも肉、ささみなどで高たんぱく質を取り入れつつ、野菜をたくさん取ることでダイエットに不足しがちな食物繊維も摂れて、満腹感も得られる。その日の気分で味も変えれるため、同じ食材を使い続けやすいと関さんは話す。『続ける』ために、自分に合った方法を探し、より自分らしく工夫していく関さんのアプローチは、ダイエットが続かない人々のお役に立つだろう。
次ページ:関裕美さんの3Dに張り出した肩&ビキニステージ写真
取材:山口夏織 撮影:中島康介
フィットネスからグルメ&レジャー、経済紙まで様々なジャンルで執筆&撮影を行う、歌う筋肉クリエイター。自身もボディコンテストへの参加経験があり、日々鍛えている。どちらかといえば猫派、某チョコはきのこ派。