ボディコンテストで活躍する選手を取材する当メディアの投稿型企画「私のコンテストデビュー戦」。本企画では、現在コンテストで活躍している選手に自身初コンテストを振り返ってもらい、その上でこれからコンテストデビューを考えている人へのアドバイスを語ってもらった。
「ステージ上では信じられないくらいの手の震えが襲ってきました。緊張で吐き気と頭痛を感じるほどで、当日のステージは何も覚えていないくらいあっという間でした」
そう振り返るのは、2024年の7月に開催された『マッスルゲート東京スポルテック』のウーマンズレギンス163cm超級に初出場し、見事優勝を勝ち獲った榎本希さん(えのもと・のぞみ/37)さん。
「糖質制限などで体調も優れず、初めての減量だったので自分の理想とする身体には程遠かったと思います。なんとか優勝はできたのですが、そこからは試行錯誤を繰り返し、よりウーマンズレギンスで評価されるような適度な筋肉と健康的な身体作りに励みました」
自身をどんどん磨き続けた榎本さんは、なんとウーマンズレギンス50歳以下&163cm超級の2カテゴリで、4大会連続の優勝達成。
「食事や体重など数値を日々記録することで自分を客観的に知り、今後のコンテストに向けての対策は怠らないようにしています。評価して比べることが世間的にはあまり好まれない時代ですが、私は評価されることでより自分に自信が持てるようになると思っています」
順風満帆に思えるが、コンテストに出場しようと思ったきっかけは、2023年の親族との死別だった。辛い経験から何もやる気が起きなかった榎本さん。しかし、何か目標を追いかけて自分を変えたいという思いからコンテストの道へ。
「伯父が亡くなって100日、コンテストまでのカウントが残り100日と重なったのも運命に感じてエントリーしました。大会当日も家族が応援に来てくれたので、私の中で止まっていた時間がやっと動き出しました」
家族とともに未来へと走り出す榎本さんの挑戦はまだまだ続く。
文:林健太 写真提供:榎本希
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。マッスルゲートにも出場経験あり。