2025年のマッスルゲート開幕戦は2月11日の大阪高槻大会、高槻城公園芸術文化劇場で行われた。ひときわ大きい歓声があったのは、メンズフィジークジュニア(23歳以下)の部とメンズフィジーク新人の部176cm超級にエントリーした増田悠馬(ますだ・ゆうま/22)さん。春から社会人になる大学生の大会初挑戦はどんなきっかけで生まれたのだろうか。
「もうすぐ大学を卒業するので、最後に何か挑戦したいと思いました。地元高槻の会場で、タイミングも卒業前でぴったりだし、これしかない!という大会でした」
増田さんは小学生のころからバスケットボールに取り組んできた。筋トレは大学生になってからちょこちょことする程度だったが、大会出場を決めて、昨年の春から本格的に鍛え始めた。
「週5、6回ジムに行き、1時間半から2時間のトレーニングをしました。胸、肩、背中、脚、腕の5分割です。YouTubeを見て試行錯誤し、良いと思ったものを継続することで少しずつ身体が変わりました。一番参考になったYouTubeは『おかずもちの筋肉生活』です」
ポージングもYouTubeを見て練習したという増田さんを両親がサポートしたという。
「ポージングは両親に見てもらいながら、動画も撮ってもらって練習しました。実家に住んでいるので、母が食材やメニューを考えて減量食を作ってくれました。父も僕と同じ食事をしてくれることがサポートになりました。家族で食卓を囲むとき、僕だけが減量食なのではなく、家族みんなが同じものを食べてくれたんです。筋トレをしていない兄も同じ食事だったので、僕が減量を始めてからやせていってましたね」
増田さんがステージに登場し、ポージングをするたびに大歓声が起こったが、当日は家族全員のほかに、小学校の同級生とその担任の先生、バスケットボールで関わってきたチームメイト、大学の友達や先輩が応援に来ていたのだという。
「ほんとみんなめちゃめちゃ声を出してくれていました。いい仲間に恵まれたなぁと今日改めて思いました。結果を出すことができてよかったです」
増田さんは、メンズフィジーク新人の部176cm超級で優勝、メンズフィジークジュニアの部で3位の成績を収め、家族やこれまで関わってきた仲間に最高の形で恩返しをすることができた。春からは地元高槻を離れ、実家を出て一人暮らしを始めることになる。
「大会出場はこれで一区切りです。春からは社会人として仕事をがんばります」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:あまのともこ 撮影:岡 暁