サマスタ選手 コンテスト

右脚に抱えたハンディキャップを筋トレで克服した42歳が日本大会レギンス入賞 「筋肉を大きく喪失したぶん、残った筋肉を鍛えて補うしかない」

12月8日(日)、東京・ベルサール渋谷にて『サマー・スタイル・アワードFINAL[決勝大会]』と『ROOKIE CHALLENGE CUP FINAL[RCC決勝大会]』が開催され、河野文(こうの・あや/42)さんがルーキーレギンスモデル部門とレギンスモデル部門での3位入賞を果たした。右脚に抱えたハンディキャップを筋トレで克服、この大会でも見事なパフォーマンスで観客を圧倒した河野さんにとっての”ボディメイク”とは。

【写真】河野文さんの丸い肩とお尻のメリハリ

筋トレを始めたきっかけは「自分の脚で歩き続けたい」と切望したことだと言う河野さん。2019年7月、右大腿部に希少がん・横紋筋肉種を発症。抗がん剤治療、患部とその周辺の筋組織を摘出する手術と術後ケアのための入院は、約半年間にも渡った。

「手術で内側広筋のすべてと中間広筋、外側広筋の2/3ほどを摘出。術後は自力で立つことすらできない状態でした」

リハビリを重ね、なんとか歩けるようになったが、医師からは今後走ったりジャンプしたりすることは難しいと説明されている。

「この脚で人生の最期まで歩き続けることができるだろうか、と不安になりました。筋肉を大きく喪失したぶん、残った筋肉を鍛えることで補うしかないと」

2022年5月からパーソナルトレーニングと週5ペースでのジムでの筋トレを開始。

「1時間ほどの筋トレを週5日。治療薬の影響で筋肉がつきにくいとも言われていて、それでも鍛え続けて1年ほど経ったころやっと、見てわかるほど筋肉がついてきて……。本当にうれしかったです!」

かねてからのボディコンテストへの興味がこのとき「出場したい」という明確なモチベーションへと変化。2024年9月の九州予選への初出場を決意した。

「日々の筋トレに加えてポージングのレッスンも開始しました」

もともと食への関心が高くベジタリアンだと言う河野さんには、筋トレ飯にもこだわりが。

「朝食の定番は野菜と卵白を加え、酒粕や味噌で調味したオートミール雑炊とフルーツ。昼食には大豆・蒟蒻由来の麺にブロッコリー、オクラ、ピーナッツバター、醤油麹を添えて。大豆ミートやひよこ豆などをプラスすることも。夕食にはきんぴらなどの野菜のおかずや卵白のスクランブルエッグなどを載せた白米をよく食べています」

九州予選では、ルーキーレギンスモデル部門とレギンスモデル部門でW優勝!

「そこでもっと身体を絞った方がいいと気づいて、筋トレの質と量は変えずに有酸素運動を追加しました。朝1時間の散歩後に出社、フルタイムで仕事をして、その後にジムへ。移動は徒歩か自転車で。運動量を増やすために買い物やジムへの往復に使っていた車を手放しました」

また大会出場に向けトレーニングを強化し始めた矢先になんと、課長に昇進!「15人ほどの課員を抱え、その翌月にはさらに隣の課の課員15人のフォローというタスクも加わって……。趣味の語学学習の時間を削って、トレーニングと仕事の両立に奔走しました(笑)」と振り返る。

河野文さん

「今回決勝大会という憧れの舞台に立てて感無量です。そして、闘病を支えてくれた家族や友人、お世話になったトレーナーさんたち、SNSなどで交流がある同じ病気を経験した方やその家族など、たくさんの方々がこのチャレンジを喜んでくれたこと、元気が出たと言ってくれたことが、本当にうれしかったです。自分のために始めた筋トレで誰かを力づけることができると知ったことは、私にとって大きな発見でした!」

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材:大塚真奈美 撮影:夏目英明

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