12月8日(日)、東京・ベルサール渋谷にて『サマー・スタイル・アワードFINAL[決勝大会]&ROOKIE CHALLENGE CUP FINAL[RCC決勝大会]』が同時開催され、伊井谷太優(いいのや・たかひろ/24)さんがルーキースタイリッシュガイ部門、スタイリッシュガイ部門トールクラス、さらにスタイリッシュガイオーバーオール優勝を合わせた3冠に輝いた。コンテストには今年初挑戦にもかかわらず圧倒的な身体とパフォーマンスで魅せた伊井谷さんのボディメイク術に迫った。
5年前ごろからジムに通い、週2日ほど軽く自主トレーニングする生活を送っていた伊井谷さん。ところが昨年9月に一念発起、常々憧れていたサマスタ選手らのような身体を目指して本格的なトレーニングを始めた。
「もともとは長袖の服の袖がちょっと余ると感じるくらい、身体の骨格の大きさや厚みが物足りなくて。とにかく身体を大きくすることが目標でした」
ジム通いは週2から、3日連続で行って1日休むサイクルの繰り返しへとペースアップ。毎回2時間半以上かけて、自分で考えたオリジナルのトレーニングメニューを黙々とこなす日々が始まった。
「筋トレと向き合ってみてわかったのは、重要なのは種目や回数、重量などではなくて、狙った筋肉がしっかり使えているかどうかなんだということ。だから最初は鍛えたい筋肉がちゃんと伸びて縮んで使えているか、手で触って確認することを徹底していました」
このボディメイクの延長線上で「大会にも出てみよう」と思い、まずは今年7月開催の東京予選&ROOKIE CHALLENGE CUP 東京予選出場を目標に、1月までは増量を、そしてその後じっくりと時間をかけての減量を行った。
「食事の内容や摂りかたも基本的には自己流です。パーソナルトレーニングを受けたのは5回ほど。大会1週間前からの最後の調整だけはパーソナルのトレーナーさんにアドバイスをいただきました」
この東京予選では、ルーキースタイリッシュガイ部門、スタイリッシュガイ部門トールクラス、そしてスタイリッシュガイオーバーオールでトリプル優勝を果たした。
「初めてのチャレンジでこのような評価を頂けてすごくうれしかったです!それと同時に学べたこと、明確化できた課題なども多くあって、とにかく一度出場してみることの重要性を痛感しました」
ここで初めての減量を経験した結果、食への意識が変わった。
「最初はもちろん教科書通りの減量食から始めたんですが(笑)、最近は鶏むね肉と野菜の鍋をよく食べています。いま同棲している彼女と一緒に食事を楽しみたいので、野菜の種類は彩りやおいしさを重視して特に制限していません。いろいろなものを日替わりで食べることで栄養バランスも整えばと思っています」
またこの12月の決勝大会直前、思いもよらない事態に直面した。
「東京予選に続いて今回も大会直前の調整と当日のサポートとをお願いしていたトレーナーさんの身体に病気が見つかって、緊急入院されてしまったんです。僕自身にも大きな動揺と調整への不安がありましたが、ご自身こそ大変な状況のなか遠隔でサポートしてくださって、今日のステージもオンラインで見てくれています」
決勝大会で輝く姿を届けられた今、その表情には変わらぬ心配と安堵とが浮かぶ。
「トレーニングはもともと身体を大きくしたくて始めたことで、大会出場はその線上にあるものだという認識はいまも変わっていません。最終的にはスポーツモデル基準の体型を目指しているので、これからも変わらず筋トレに励んでいきたいと思っています」
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:大塚真奈美 撮影:夏目英明
-サマスタ選手, コンテスト
-サマースタイルアワード, SSA