昨年末、東京・ ベルサール渋谷ガーデンにて開催された『サマースタイルアワード JAPAN PRO GRAND PRIX』にて、プロ・フィジーク部門で1位を獲得した伊佐真吾(いさ・しんご / 41)さん。全身の筋肉量とボディバランスが求められるこの部門。筋肉自慢が集うなか、彫刻のような肉体美を披露した。今大会では背中の強化に励んできたという伊佐さん。大会当日に多くの観客を魅了した大きな背中は、こだわり抜いたトレーニング内容の賜物であった。
「基本的にはケーブルトレーニングで背中は仕上げてきました。そのなかでも私が大切にしていたのはフォームの意識づけです。肘の使い方や下ろす位置のわずかな違いで効き方は変わります」
ボリュームのある肉体を作り上げるとなると、多くの選手はトレーニングに割く時間を増やすもの。しかし伊佐さんの驚くべきポイントは、そのトレーニング時間の短さだ。
「仕事のある日のトレーニングは40分以内に終わらせる意識を持っています。理由は食事や睡眠を十分に確保するため。インターバルを短めに設定し、密度と強度の高いトレーニングを行っています。その代わり休日は、朝夕それぞれ1時間半のトレーニングを行っていました」
筋量が求められる同部門はトレーニングでかかる身体への負担も大きいため、30代の選手が多いのが実情。40代でも対等に戦う身体を維持するため、疲労管理にはこれまで以上に気を配った。
「ここ数年、減量期に入ると2時間程度しか寝れなくなることが自分のなかでずっと気がかりでした。年齢も若くはないですから、自分では元気になったと思っていても完全に回復はしていないことが多くて。だからこそ睡眠をしっかり取るよう意識しましたね。また、これまでの減量期は糖質不足により手足の冷えに悩まされていたこともあり、今年はご飯やお餅から糖質を摂取。すると血流も良くなり、筋肉の張りも感じられるようになりました」
「いまや筋トレは生活の一部」と笑顔で語る伊佐さん。継続のモチベーションを伺った。
「健康意識が高まることは筋トレをする大きなメリットであると考えています。また、日頃から運動をしていると、 ”若々しい” と言っていただけることも多くて。この言葉はとてもうれしいですし、大きな原動力となっています。コンテストへ出場していると、自分より年上の方が頑張っている姿を間近で見る機会も少なくありません。先輩方の姿を見ると、負けてられないと感じますね。体型維持を意識することはトレーニングを継続するコツと言えるでしょう!」
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:池田光咲 撮影:夏目英明
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