サマスタ選手 コンテスト

「人前で身体を見せびらかすのは嫌」だった音楽家が人気ビキニ選手へ 「ガリガリが正義」の価値観が一変

「10代から音楽活動をしていて、ボイストレーニングの一環で筋トレをしていました。ただ、そのころの見た目は『ガリガリが正義』で、事務所からも厳しい体重制限を指導されていたので、ダイエットや筋トレは辛くて嫌なものというイメージがずっとありました」

【写真】いろいろな水着を着こなす日置玲奈さん

日置玲奈(ひおき・れな/36)さんは、ボディコンテスト『サマースタイルアワード』にて、トレードマークのブロンドヘアーと170cmの長身が映える健康的に鍛えられた肉体で人気を博す注目選手だ。今や全国戦で活躍する日置さんだが、元々はトレーニングが大の苦手であり筋トレやコンテストに対しての印象も悪かったという。どのような心境の変化で現在に至ったのか、その結果何を得たのかを聞いた。

「20代後半で音楽活動をやめてから体型が崩れがちになったのをきっかけに、初めてジムに自主的に通いました。スタッフやお客さんに本当に恵まれて、初めてトレーニングの楽しさを知りました。コアなジムでアスリートや大会出場者ばかりのなかで揉まれていくうちに、どんどん自分が変化していくのがわかりました」

トレーニングを始めて目覚ましく変わったのは食事管理もだ。一日一食、チョコレートやグミで済ますような生活から、動いたことで自然にお腹が空き、3食をきちんと食べるようになった。米を炊いて肉や魚を食べるというのは、日置さんの今までの生活からは考えられない変化だったという。

「食事を変えて、一番成長を感じたのはメンタルです。体型以上に変わったと思います。朝に散歩をするようにもなり、陽の光を浴びて健康的な食事を取るようになってから不安定で落ち込みがちだったメンタルが安定して、毎日を元気に過ごせるようになりました」

ただ、筋トレに本気で取り組み始めてからも、「大会」というものには拒否感が拭えなかったと語る。

「人前で脱いで身体を見せびらかすという行為が何となく受け入れられませんでした。プールや海も苦手だったので、そもそも露出するということに抵抗があったからだと思います」

その価値観が変化を見せたのは環境の変化だった。

「宮古島に移住して、海の良さを知ったことです。水着を着て過ごすことが多くなり、身体を見せるということに慣れていきました。ただ、やはりステージで身体を見せびらかすイメージの悪さは根強く、現地で通ったジムのトレーナーに『サポートにつくから出てみたら』と出場を勧められて出てからも、やらされている感というか、自分の意思ではなくやっているという気持ちでした」

根深いボディメイク競技への偏見は、出来上がった大会写真を見たときに変わったという。

「バンド時代は写真を撮られる機会が多く、久しぶりに被写体になった自分を見たときに当時の高揚感みたいなものを思い出しました。ちゃんと真剣に頑張って、もっときれいに撮られたいと思いました。そこから本気でコンテストに取り組むようになりました」

日置玲奈さん

こうして大きな紆余曲折を経て今に至る。痩せ細った不健康な身体と沈みがちだった性格は、今は全く面影はない。

「今年はビキニにプロカテゴリーができたので、プロ獲得に向けてまずは4月の初戦で成果を見せたいです。自分でもここまで変わるか、と思うぐらいボディメイクを通じて心身ともに変化したので、やるからにはとことん頑張ろうと思います」

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取材:にしかわ花 写真提供:日置玲奈

執筆者:にしかわ花
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。

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