ジムやスーパーもない環境で、夏が一番似合う男性・女性を決める大会『サマースタイルアワード』に挑戦している選手がいる。2023年の札幌大会で3位に輝いた立花聖羅(たちばな・せいら/25)さんだ。立花さんは、コンテスト当時は非常勤隊員として自衛隊の事務をしており、現在は北海道の離島・奥尻島で主婦をしている。
「旦那が自衛官で筋トレ好きで、影響されて筋トレYouTuber動画を見ていました。最初は簡単なHIITから始めて、旦那との散歩が習慣に。もともとガリガリ体型で、ウェディングドレスの試着で前腕と二の腕の太さが変わらないくらいでした(笑)」
当時の立花さんは、細いほど美しいという間違った認識に縛られ、体力もなく、体調も崩しがちだったという。
住んでいる奥尻島にはジムがないため、トレーニング環境は自宅に設置した可変式ダンベルや懸垂バー、ベンチなどの宅トレだ。あるときに見ていたYoutubeがきっかけでコンテストに興味が湧いて出場を決めたという。ただ、コンテストに出場するには環境は整っていなかった。
「ジムもないし、日焼けサロンもないし、ポージングレッスンも受けることができない環境で正直不安はありました。でも環境に左右されずに行動しないと何も変わらない。できることをしよう!と思って行動しました。日焼けは自宅のベランダで行って、ポージングも月1回のオンラインレッスンのみで、普段は自宅の鏡の前でYoutubeの映像を見ながら練習をしました」
スーパーもないため、食材の入手方法も独特だ。週に1回フェリーで来る宅配を使っての購入で、1週間分の献立を考えながら運んでもらっているという。
「普段の食事は、一汁三菜でタンパク質を意識的に摂ることです。また、漁師さんから奥尻島で獲れた魚を購入して、地域のものをたくさん食べるようにしています。実際の食事は、ご飯150g、ホッケのひらき、わかめのお味噌汁、ブロッコリーと鶏胸肉のサラダ、カボチャの煮物とかですね。特に低温調理した鶏胸肉と蒸したかぼちゃは、減量期の定番メニューです」
現在、一児の母となった立花さんは、「子育て中でもトレーニングは続けています。息子に誇れるママになるため、また大会にもチャレンジしたいです。『ど田舎からでも輝けるんだ!』ってところを見せたいですね(笑)」と目標を語る。
人それぞれ置かれた環境が違うが、まずはやりたいことをやれる範囲で行動することで、新しい道が開かれていく。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
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取材:柳瀬康宏 写真提供:立花聖羅
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