「幼少期のように熱中できるものに出会えて、挑戦する喜びを思い出しました!」
6月8日(日)大阪国際交流センターにて、『サマースタイルアワード 関西新人類&ROOKIE CHALLENGE CUP西日本予選』が開催され、ルーキービューティーフィットネスモデル2位、ビューティーフィットネスモデルでは優勝し、ベストステージング賞も獲得した中村真央(なかむら・まお/27)さん。
普段は看護師として夜勤もこなす中、スケジュールを調整しながら週5回のトレーニングを続けている。大会初挑戦ながらも堂々としたステージングと身体で注目を集めた。初挑戦ながらビューティーフィットネスモデルでは1位を獲得。しかしルーキービューティーフィットネスモデルでは惜しくも2位。
「もちろん悔しかったです。でも、自分が今できる最高の仕上がりで挑めたと思っています。だからこそ、次は『あのとき2位でよかった』って思えるような圧巻の身体でステージに立ちたいです」
トレーニングを始めたのは1年前だと言う中村さん。当初はダイエット目的だったが、少しずつ変わっていく身体を通して、「もう一度あのころの自分を取り戻したい」という、幼少期の熱中を追いかける思いが呼び起こされた。
「ふと、『自分が一番生き生きしていたのっていつだろう?』って考えたんです。そのとき思い出したのが、小さいころに夢中になっていた器械体操。あのころは、しんどくても少しずつ成長を感じられ、毎日が充実していて生き生きしていました。ボディコンテスト出場も、それに似てるなって思ったんです。刺激のある日常、非日常を味わえる貴重な機会だと思いました」
看護師として働く中村さんは、日勤・夜勤と不規則な生活のなかで、どうにか週5日トレーニングの時間を確保している。夜勤前は思い切ってオフにし、日勤の合間に集中してジムに通う。家事との両立も、あらかじめスケジュールを立ててストレスを減らす工夫をしている。
「大人になると、リスクを避けて挑戦から遠ざかることが多いですよね。でも私は、年齢に関係なく挑戦し続けられる大人でいたい。その姿が、誰かの勇気につながったらうれしいです」
実際に中村さんのSNSを見た友人からは、「やる気が出た」「自分も頑張ろうと思った」といった反応が寄せられているという。トレーニングを始めて一番変わったのは「食事への意識」だ。
「それまで脂質のグラム数なんて考えたこともなかったんです。普通に揚げ物とかもたくさん食べてました(笑)。でも、増量期・減量期を経験することで、脂質の質と量を気にするようになりました」
とくに女性は、生理が止まらないようにある程度の脂質摂取が必要。そのため魚や卵、ナッツ類、MCTオイルなどの良質な脂質を意識的に摂取するようになったという。
「夜は疲労回復のために、サーモンや鮭などの魚をよく食べていました。主食は鶏胸肉や鶏モモ肉が中心で、高タンパク低脂質な食材を選んでいます。あとは、便通のためにキノコやわかめ、えのきも欠かさず食べていました」
大会という目標ができたことで、自然と同じ志を持つ仲間たちとも出会えた。
「大人になると友達をつくる機会って少ないですよね。でも、目標があると意識の高い人とつながれる。環境が変われば、人も変わるって本当だなって思いました。ここまでの成績を残せたのも一人では不可能だったと思います。そばで応援してくれた家族、友人、身体を一緒に作り上げてくれたコーチには感謝しかありません!」
ルーキー部門2位の悔しさをバネに、次なるステージを見据える中村さん。その眼差しはまっすぐ未来を見ている。
「大会で結果を出すことがすべてではなくて、そこまでの過程が自分を変えてくれると思っています。自分に自信を持てるようになったことが、私にとっては何よりの成果です」
『もう一度、あのころのように。夢中になれる何かに打ち込みたい』
そんな思いから始まったボディメイクは、いまや中村さんの人生を豊かに彩っている。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材・文:柳瀬康宏 写真撮影:岡 暁
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBFやマッスルゲートを中心に、毎年ボディコンテストに挑戦中。
-サマスタ選手, コンテスト
-サマースタイルアワード, SSA