トレーニングを通じて、身体だけでなく人生が変化したという人は多い。小平彩花(こひら・あやか/26)さんもその一人だ。
縦に割れた腹筋、筋肉に支えられた丸いヒップ、細かく造形された背中。美しい肉体で会場を魅了し、6月14日(土)に開催された『サマースタイルアワード名古屋予選大会』ビキニモデル部門で総合優勝。さらにベストステージング賞も獲得と輝かしい活躍を見せた小平さんは、4年前には「若いのにお尻が垂れていて大きい」ことを気にする、ごく普通の会社員だった。
「今大会では昨年までのビューティーフィットネスモデル部門では経験できなかった優勝と、オーバーオール戦の舞台に立てて本当に夢のようでした」
留学の際にホームステイ先にジムがあったことでなんとなく始めたトレーニングから、ステージのトップを争う選手へ。さらにパーソナルトレーナーとして美を提供する側へと、わずか4年間で生活そのものが大きく変わった。
仲間との「合トレ」で成長加速
小平さんの今年のトレーニングの鍵は「合トレ」だ。一人で始めたジム通いだったが、今ではモチベーションの高い仲間たちに囲まれ、互いに高め合う環境が小平さんの進化を支える。
「補助がついたことで、自分だけでは辿り着けない領域まで追い込む、粘りのあるトレーニングができるようになりました。新しい種目にも挑戦できて成長が加速したとともに、辛くなりがちな減量期も楽しく取り組めるのは、仲間の存在が大きいです」
「フィットネスのハードルを下げ、ボディメイクを通じて人生を豊かにする手伝いをしたい」
トレーニーとしての成長に励むと同時に、パーソナルトレーナーとして自分を変えたい人々を支える側としても力を注ぐ。
「トレーニングやボディメイクは一般的には未だにハードルが高く、自分には続かないのではと不安を持って来られる方が多いです。私は、その最初の一歩を踏み出したクライアントの方の気持ちを無駄にしないようにしたい。より早く成長を実感できるよう、適切なトレーニング法や栄養の知識を提供できるように学びを深めています」
特に女性には、脂質の極端な制限や睡眠・水分不足が筋肉の成長やダイエットに悪影響を与えると強調する。
「私は週6日のトレーニングに必要な量として、1日約4リットルの水分摂取をします。また、早朝にトレーニング時間を固定することで早寝早起きが習慣になり、生活の質が上がりました。きれいな肉体をつくるには、トレーニングだけでなく生活習慣の改善が欠かせません」
ボディメイクを通じて不健康な習慣からの脱却をサポートし、心身ともに充実した生活を送れる人が増えていくことを願っているという。
今後の目標は、ビキニモデル部門でのプロ戦挑戦、またさらに筋肉量が求められるベティ部門への転向も視野に入れる。「プロの舞台で結果を残したい」と意気込みを見せる瞳には、人生に挑戦を見出した楽しさと覚悟が見える。
小さな変化の一歩一歩は、やがて大きな目標や新しい世界の発見に続いていく。熱中できることに巡り会えるのは、長い人生をより楽しくしてくれる。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。
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