サマスタ選手 コンテスト

「美しさとは無縁でした…」47歳・2児の母がコンテストで優勝の活躍 「姿勢は意識して直すものではなく、筋肉を正しく使えば自然と整うもの」

「美しい、きれいという言葉とは無縁だったので、美しいと言われたときは戸惑いながらもうれしかったです」

11月9日(日)に大阪市のドーンセンターで開催された『サマースタイルアワード(以下サマスタ)関西予選』で、医療系の仕事をしながら2児の母として子育てをしている鈴木育世(すずき・いくよ/47)さんは笑顔を見せた。これまでビューティーフィットネスモデル部門(※1)で数々の入賞を重ねてきた鈴木さんが、今回は初めてビキニモデル部門(※2)に挑戦。ビューティーフィットネスモデル部門マスターズクラスでは2位、そして初挑戦となったビキニモデル部門では、ルーキークラスで優勝、マスターズクラスで優勝、一般の部であるトールクラスでも4位と、出場した4カテゴリー全て入賞を果たし、新たなステージでの躍進となった。

※1 サマスタのオリジナルカテゴリー。モノキニを着て、健康的な美しい身体が評価される

※2 全体的に丸みがあるアウトライン、ビキニに合った品やかなポージング、ビーチが似合う身体が評価される。ビューティーフィットネスモデル部門と違い、ビキニを着用しているためVシェイプ~タイトな腹部、殿部の丸みが表現できる

【写真】鈴木育世さんの引き締まったビキニスタイル

“美しい”なんて言われたことのない人生からの挑戦

「会うたびにどんどん美しくなるね」と言われたとき、鈴木さんは戸惑ったという。これまで、「美しい」「きれい」という言葉とは無縁の人生だった。社会人になってからは仕事と子育てに追われる日々。筋トレを始める前の体重は64kgまでに増えていた。ダイエットのためにエアロビをやってみたがなかなか体重が落ちなかったという。

そんな鈴木さんを変えたのは3年前に始めたトレーニングだった。

「当初は『産後太りをなんとかしたい』という思いでしたが、指導を受けていたトレーナーに目標を持った方が良いと言われ、コンテストを意識するようになりました。初めはすごく抵抗があったんです。でもサマスタ選手の千原由理奈さんへの憧れもあり、筋トレを続けていくうちに身体も変わっていき『無くすものは何もない!』と思えるようになってきたんです」

筋トレで姿勢が変わる、お尻の形も変えられる

鈴木さんが筋トレをして一番驚いたことは「姿勢やお尻の形は筋トレで変えることができる」という事実だった。

「姿勢は意識して直すものではなく、筋肉を正しく使えば自然と整うもの。お尻の形も筋トレで変えることができました!」

まだ得意な部位はないと言いながらも、「自分で追い込むことは得意」と語る鈴木さん。どんなに多忙な日々でも、できる範囲で最善を尽くすことを忘れない。

「仕事は仕事で集中して臨みます。それ以外の時間にいかに有酸素運動や筋トレ、ポージングを日常にはめ込めるか……パズルのように隙間時間を埋めていく感じですね。ストレッチだけは毎日欠かさず行っています。どんな環境にいても、努力を重ねていけば必ず結果は出ると思っています。もしこの挑戦が誰かの勇気になれたら、それが一番うれしいですね」

「美しい」「きれい」という言葉と無縁だった人生が、いつしか憧れの選手と同じステージに立ち、今度は新たなカテゴリーで存在感を示した。挑戦を止めないその生き方こそ、多くの人に希望を与える「フィットネスの力」そのものだ。

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

次ページ:鈴木育世さんの引き締まった美ボディのビキニスタイル

取材・文:柳瀬康宏 撮影:岡暁

執筆者:柳瀬康宏
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。

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