11月30日(日)、TFTホール1000にて『サマースタイルアワード JAPAN PRO GRAND PRIX』が開催され、射手矢味香(いてや・みか/30)さんがプロ・ベティ部門トールクラスで優勝、さらにはオーバーオールでもチャンピオンの座に輝き、絶対王者として年々高まる期待に応えて見事、8連覇という偉業を達成した。
「今年改訂された規定のポーズをどう魅せるかに試行錯誤してきました。また身体づくりでは、上半身と下半身のバランスを良くするべくトレーニングの頻度を調整、上半身はサイズアップよりポージングのバージョンアップを目的に、下半身はこれまで通り丸みとボリュームのあるラインを作るべく取り組んできました」
この改訂でサイドポーズがなくなり、フロントとバックのみになったことから「新しいフロントポーズは絶対に格好良くキメたいと思っていました!」と振り返る。特に目を向けたのは「"軸"と"女性美"」だと言う。
ポージングに"軸"と"女性美"
「軸に関しては、身体の中央に位置する腹部のラインの見え方をより意識して全体のバランスを見るようにしました。フロントの軸を左右どちらで取るか非常に悩んだのですが、大会4カ月前に決めていた側から、実は2日前に見栄えで妥協できない部分があり逆側の構えに変えたので、当日のステージでは正直どんなシルエットになっているのか、少し不安もありました」
それでは"女性美"の面ではどうか。
「無駄な力みによって強さだけが強調されることなく、リラックスした状態で筋肉美を魅せられるよう、ポージングでは特に肩の力みのコントロールを意識しました。また、今回の最終調整では、絞りの中で丸みやボリュームをどう維持するかという点で、ウォーターローディングや半身浴での水抜きを敢えてしなかったのもひとつの実験であり経験、学びでした」
身体のラインやコンディションはもちろんのこと、ポーズ、動き、そして表情や佇まいまでが問われる大舞台に向けて、1年間じっくりと準備してきた。そして迎えた大会当日、ポーズ改訂に由来する、予想外のことがあったとも教えてくれた。
「例年ではトップ5が前に出て以降、誰がどの並びに居るか把握できますが、サイドポーズがないこともあったかもしれませんが、実は最後の一騎打ちになるまで隣に残ったのが誰か分からず少しハラハラしました(笑)」
そして見事に8連覇を成し遂げた大会シーズンを終えた今、すでにもう先を見据えている。
「ここ2年間は年末のSSAプロ戦のワンステージだったので、2026シーズンは海外戦も視野に、また新たな挑戦をしていきたいと思っているところです!また、改めてサマスタのベティを更に極めて盛り上げていきたいなという気持ちが強いです。これからもバージョンアップしていくつもりなので、ぜひ楽しみに応援してくださるとすごくうれしいです」
筋トレ、コンディショニングにヨガも
長年ボディメイクを続けている射手矢さん。日々の生活には、筋トレ、コンディショニングのほかに「ヨガも欠かせないもの」なのだと言う。
「朝起きてまず水を飲み、太陽を浴びながら太陽礼拝を1回。気分が良い日は2回行います。そのあと、近くに気持ちのいい森林があるので30分ほどウォーキング。有酸素運動をしながら心と身体の状態を確かめる時間にしています。先月発売された雑誌『Yoga&Fitness』でもっと詳しくお話していますので、そちらもぜひご覧ください!」
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:大塚真奈美 撮影:舟橋賢
執筆者:大塚真奈美
編集者・ライター。ヘルス&フィットネス、美容、グルメなどの分野で企画・編集・取材・執筆。群馬県出身、東京都在住。











