ボディメイクを始めるのに遅いということはない。そう改めて教えてくれたのは大河原浩(おおかわら・ひろし/64)さん。長年続けてきたサーフィンを離れたことをきっかけに、本格的な筋トレに取り組み、現在はボディコンテスト団体「サマースタイルアワード」のグランドジェネレーションクラス(50歳以上)で活躍している。
「もともと40年以上サーフィンを続けていましたが、サーファーズイヤーになってしまい、冬の海はドクターストップがかかりました。そこで、代わりに始めたのが筋トレだったんです」
筋トレは、失ったサーフィンの“代替”として始まったものだったが、そこから徐々に熱が入り、やがて本格的なボディメイクにのめり込んでいった。
「ウエストが太いことがずっとコンプレックスでした。だからこそ、暴飲暴食をしない、トレーニングの時間をしっかり確保する、そして身体のメンテナンスを怠らない。まずはその3つを徹底しました。」
始めた当初から、自分自身でルールを決め、真摯に向き合ってきたという。
「ジムでは身体の大きな人のトレーニングフォームを観察して、それを自分で試す。曜日ごとに鍛える部位を分けて、腹筋は毎日欠かさず。土日は完全なオフにして、しっかり休息をとります。」
パーソナルトレーナーを付けることなく、すべて自己流で学び、試行錯誤を繰り返しながら自らの身体を変えていった。そしてトレーニングと並行して、食事管理にも力を注ぐようになったという。
「PFCバランスを管理し、カロリー計算も欠かしません。増量期・減量期で食事内容は極端に変えず、量で調整しています。特に脂質の摂り方には注意していて、摂取する際は必ず良質な油から摂るように心がけています。」
こうした地道な取り組みによって、大河原浩さんは、体重56.5kg・体脂肪率5%という、64歳とは思えない引き締まった身体を手に入れた。
※体脂肪率は市販の体組成計によるものです。
「週5日、1日1時間半の筋トレを続けています。ジムが会社と自宅の中間地点にあるので、通いやすく、時間も有効活用できています」
さらに、日常生活でも健康意識を忘れなかったという。
「睡眠は毎日7~8時間確保しています。疲労回復のためにも、しっかりと身体を休ませることを意識しています。日常的にもエレベーターを使わず、階段を使うようにしています」
ここまでストイックな生活を続ける中で、モチベーションが下がることはなかったのだろうか?
「精神的にはサーフィンで鍛えられていたので、特につらさは感じませんでした。むしろ、体型が少しずつシャープになっていくのを実感できると、どんどん楽しくなっていきました」
64歳という年齢を感じさせないエネルギーと実行力。大河原浩さんの姿は、年齢にとらわれず挑戦を続けるすべての人に勇気を与えるのではないだろうか。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:佐藤佑樹 写真提供:大河原浩