「高校生のとき、ダイエットをしようと思って。当時知識がなかった私が実践したのは、 “とにかく食べないで、毎日走る”というダイエットでした」
そう語るのは、クロスフィットコーチとして活動する白藤輝(しらふじ・ひかる/27)さん。今でこそ、ヘルシーな身体づくりを伝えている彼女だが、その原点には、思春期に経験した“極端なダイエット”とリバウンドがあった。
【写真】白藤輝さんの激痩せ、激太り、ヘルシー美ボディへの変遷
食事制限ではなく、食事改善を
「3カ月で13kg落ちたんです。体重自体は減ったのですが、不健康な痩せ方だと気づかなくて。体重が一気に落ちたので生理が止まったのですが、落ちた分戻せばいいやと軽く考えていました」
その後、語学留学でオーストラリアへ。「落ちてしまった体重をとりあえず戻そうと、ピザとかクッキーとかを食べて……。毎日のようにBBQしていたときも」と振り返る。結果、落ちた13kg以上のリバウンドをしてしまったそうだ。
そんなとき、白藤さんが出会ったのは「健康的な身体は食事がベースになっている」という学び。現地でクロスフィットを学ぶ際に受けたセミナー資料で、食事と身体づくりの密接な関係を知った。
現在でも“食べないダイエット”というのは巷には根深く残っている。我慢するだけという手軽さもあるかもしれないが、不健康な道へと進む可能性は大きい。白藤さんは自身の経験と学びをもとに、食事改善サポートも行う。
「食事は制限するものじゃなくて、改善するものっていうのを伝えています。健康という土台があってこその、身体づくりですから」
また白藤さんは、運動している時間だけでなく運動以外の過ごし方が重要だと言う。つまり、ジムで1時間運動しても、帰って寝ながらポテトチップスを食べていたら意味がないということだ。
クロスフィットは身体能力の向上を目指すトレーニングメソッド
白藤さんがコーチとして活躍しているクロスフィットとは、負荷を扱う運動、有酸素運動、自重運動をさまざまな方法で組み合わせたワークアウトを、高い運動強度で行うトレーニング。
SNSで流れるクロスフィットの動画では、非常に難しそうな種目をしているように見えるため、「自分が始めるには、ハードルが高い……」と思っている人も少なからずいるだろう。
しかし、「運動神経を良くしようっていうスポーツで、むしろ運動が苦手な人こそおすすめ」と白藤さん。
「グループセッションなので、みんなで運動するというイメージが分かりやすいかと思います。1グループに1名コーチがついて、やる人のレベルに合わせて強度を調整。1人で黙々というよりも、仲間と一緒にわいわいしながらやるコミュニティ文化が強いのがいいところですね」
世の中にはさまざまなフィットネスがある。しなやかな強さを持つ、ヘルシーな身体づくりの手段として参考にしてみてほしい。
次ページ:白藤 輝さんの激痩せ、激太り、ヘルシー美ボディへの変遷
取材・文:小笠拡子 写真提供:白藤 輝
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマった地方在住のフリーランスライター。インタビュー記事が得意で、IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門。