「後ろ姿の酷さに愕然としていました」と話してくれたのは、高橋千東(たかはし・ちはる/27)さん。
【写真】醜いと思っていた背中を強みに!高橋千東さんの魅せるボディ
「当時はお尻に左右差があり、下半身が太くて目立つことがコンプレックスでした」
そんな悩みを抱えていた高橋千東さんは、今ではボディコンテスト団体「サマースタイルアワード」のビキニ(ベティ)部門で活躍する存在に。今の美しい身体をどのように手に入れたのか、その過程を伺った。
「まずは食事管理から始めました。食べたものはすべて記録し、減量期には1400~1800kcalを目安に設定。PFCバランスも身体の状態を見ながら微調整していました。タンパク質は多め、脂質は最低でも40gは確保。残りのカロリーを炭水化物で補うような形で、炭水化物源は主に野菜やオートミール、きのこ類など、食物繊維を意識して摂るようにしていました」
ただ数字を追うのではなく、「今の自分に合う食事」を探しながらの管理だったという。
「身体の反応を見ながら、どんなPFC比率が合うのか、何を食べると調子がいいのか。常にトライアンドエラーの繰り返しでした」
そして、食事と並行してトレーニングにも力を注いでいた。
「脚を細くしたいのにブルガリアンスクワットをやるの?と最初は思っていました。でも、お尻の下部に効かせることで左右差が気にならなくなり、結果的に下半身全体が引き締まりました。以前は“太い”ことがコンプレックスだったのに、今では“強み”だと胸を張って言えるようになりました」
さらに変化は下半身だけにとどまらなかったのだ。
「“変わりたい!”と思ったときにパーソナルトレーニングを受け始めました。最初は週1回でしたが、今では24時間ジムに通って自分ひとりでメニューを組んでいます。動画や写真で自分の身体を記録し、どこが足りないかを分析して、必要なトレーニングを取り入れてきました。以前は“肩なんていらない”と思っていたけれど、今はメリハリのある身体づくりに必要不可欠な存在です」
視野が広がり、自分の身体を冷静に見つめ直せるようになったことで、トレーニングの方向性も変わっていったという。
「今では上下のバランスが整ってきたと実感しています。身体の一部分だけにこだわるのではなく、全体のバランスを見て鍛えることで、コンプレックスもポジティブに捉えられるようになりました」
ボディメイクによって変わったのは、身体だけではない。
「筋トレを始めて、“自分の行動次第で自己肯定感ってこんなに上がるんだ”って気づいたんです。メンタルが安定しましたし、以前は休日に寝てばかりいたのが、今ではアクティブに動くことのほうが楽しくて、充実感も違います」
そう語る高橋千東さんは、これからもさまざまな挑戦を続けていくに違いない。コンプレックスを“強み”に変えたその背中は、同じように悩む多くの人たちにとって、きっと力強い希望になるだろう。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
執筆者:佐藤佑樹
主にFITNESS LOVEで執筆中。自身も大会へ出場するなどボディメイクに励んでいる。料理も好きで、いかに鶏胸肉を美味しく食べるかを研究中。
次ページ:醜いと思っていた背中を強みに!高橋千東さんの魅せるボディ
取材:佐藤佑樹 写真提供:高橋千東