「有酸素運動をやると筋肉が落ちてしまうのでは?」
ボディメイクで筋肥大を目指したり、引き締まった身体を目指す方にとって、有酸素運動の取り入れ方は悩ましいポイントです。せっかく大きく育った筋肉を失ってしまうのは、トレーニーにとっては避けたいことですよね。
身体を絞るためには有酸素運動は絶対に必要な要件ではありません。しかし、有酸素運動にしかないメリットもあります。
運動のメカニズムとタイミングを理解しておこなえば、有酸素運動は筋肉を守りながらパフォーマンスや見た目を高める強力な武器になります。
【動画】#15 有酸素と筋トレは順番を間違えると筋肉減少?筋肉を残すための最適なバランスとは
1. 秘訣は「ゾーン2」!筋トレ後の有酸素運動で「脂肪燃焼」を最大化できる
ボディメイクにおいて重要なのは、「筋肉を残しつつ余分な脂肪を削る」ことです。
筋トレのような高強度の運動では主に体内の糖質(グリコーゲン)が消費されます。糖質の貯金が少なくなった状態で有酸素運動を実施すると、身体はエネルギー源として体脂肪を優先的に使い始めます。有酸素運動というとまず思い浮かぶのはランニングかもしれませんが、学生時代に部活でおこなっていた「走り込み」のようなゼーハーするペースではなく、
「ゾーン2」と言われる楽なペースが重要なのです。
おすすめのペース
筋トレ後の有酸素運動は「隣の人と会話ができるくらいの軽いペース」でおこなうこと。息が上がりすぎる高強度でおこなうと、エネルギー不足による筋肉の分解を招きやすくなるため、軽めのジョギングやウォーキングがベストです。
2. ミトコンドリア活性化と心肺機能(VO2 MAX)の向上
有酸素運動を継続的におこなうと、細胞内のエネルギー製造工場である「ミトコンドリア」の機能が高まり、酸素を効率よく取り込む力(VO2 MAX)が向上します。心拍センサー付きのスマートウォッチやフィットネスバンドを用いれば、手軽に計測できるのでおすすめです。
ボディメイクへのメリットとしては、心肺機能が高まることで、普段の筋トレでもセット間の呼吸を整えやすくなります。インターバルで回復しづらいという人も、トレーニング全体の質とボリュームを維持しやすくなります。一定の負荷をかけてトレーニングメニューを組んでいる人は、今のセットにも良い影響があるでしょう。

3. 「筋肥大」と「持久力」を両立させるスマートな取り入れ方
「有酸素運動は筋肉が減ってしまう」と耳にしたことがある方は、特に有酸素運動を避けているかもしれませんが、そう簡単に筋肉が減ることはありません。筋肥大を促すシグナルと有酸素運動のシグナルは、同時におこなうと互いの効果を打ち消し合ってしまう(干渉効果)ことがあります。ただし、正しく対策すれば怖がることではありません。両方を高いレベルで伸ばしたい場合のポイントは次の2つです。
時間を空ける(6〜8時間)
「朝に有酸素、夜に筋トレ」のようにそれぞれのトレーニング間隔を空けることで、筋肉の合成シグナルを邪魔することなく、両方の運動効果をしっかり引き出すことができます。
同日に行う場合は「筋トレ ➔ 軽い有酸素」の順番を守る
筋力・筋肥大の優先度が高い日は、エネルギーが充実している最初に筋トレを行い、仕上げに低強度の有酸素運動をプラスしましょう。強度が低く、短時間であればまったく問題ありません。
4. 筋トレ効果を底上げする!「1日30分のゾーン2運動」の実践法

では、具体的にどれくらいの頻度と負荷で運動をすればよいのでしょうか。 筋トレと両立し、心肺機能の土台をしっかり作るためのおすすめは最初にも触れた「ゾーン2」。これに該当する運動を1回あたり30分程度からはじめることです。
おすすめの種目:早歩き(ウォーキング)、または軽いジョギング
ゼーハーと息が上がるような激しい走り込みは必要ありません。ゾーン2の指標となる「隣の人と笑って会話ができる程度のペース」を保てる種目が最適です。
頻度と時間:まずは1回30分・週2〜3回から
ゾーン2は関節や筋肉への負担が少ない強度のため毎日行うことも可能ですが、まずは週2〜3回、筋トレをした日の仕上げに30分取り入れるところから始めてみましょう。
この30分のゾーン2運動を継続することで、育てた筋肉を犠牲にすることなく心肺機能が徐々に向上します。体力がついてくれば、筋トレのセット間の回復も早くなり、より質の高いトレーニングができるようになるはずです。
まとめ
有酸素運動は、やり方次第で「体脂肪を減らすこと」にも「タフな動ける身体を作る基盤」にもなります。
ご自身のパフォーマンス向上に合わせて順番や強度をコントロールし、無理のないペースで理想の身体づくりに有酸素運動を組み込んでみましょう!
著者:前田 修平(まえだ・しゅうへい)
NASM-PES、はり師・きゅう師。ストレッチを中心とした身体のセルフケアを学べるYouTubeチャンネル『前田のまいにちセルフケア by GronG』を運営。登録者は28万人以上(※2025年1月時点)。科学的な根拠をもとに、健康的な身体づくりのためのセルフケア方法をわかりやすく伝えている。










