ストレッチを中心とした身体のセルフケアを学べるYouTubeチャンネル「前田のまいにちセルフケア by GronG」(登録者は24万人以上※2024年7月時点)を運営する前田修平(NASM-PES、はり師・きゅう師)さんが科学的な根拠をもとに、健康的な身体づくりのためのセルフケア方法をわかりやすく伝える本連載。記念すべき第1回目は「肩こり解消におすすめのコンディショニング」だ。
トレーニングに勤しむ多くの方は、日常生活で従事する別の仕事をお持ちのはず。家庭でも職場でもスマホやPCを使用する機会が多くなると、気になるのは「不定愁訴」と呼ばれる慢性的な不調や不快感。特に肩こりは現代人を悩ませるやっかいな症状だ。「筋トレはすべてを解決する!」といいたいところをグッと押さえて、その場でできる簡単なセルフケアを身に着けておこう。
目次
肩こりの原因とは?
肩こり解消に効果的なストレッチ
まとめ
1. 肩こりの原因とは?
肩こり※の原因は多岐にわたる。具体的な要因とそれぞれのメカニズムについて詳しく解説する。
※ここで解説するのは原因となる疾患(五十肩・頚椎症など)があきらかでない慢性肩こりに限ります。原因となる疾患が明らかな場合は、医師の診断を受けることをおすすめします。
肩こりの主なメカニズムは、筋肉の緊張と血行不良によるものがほとんど。
長時間同じ姿勢を続けることや悪い姿勢、運動不足、精神的なストレス、不適切な作業環境、睡眠不足などが原因で筋肉が硬直し、血流が悪くなりやすい。
結果として、筋肉に酸素や栄養が行き届かなくなり、痛みやこりが発生してしまう。
【肩こりになりやすい場面】
1. 長時間同じ姿勢を続ける
デスクワークやスマートフォンの長時間使用
2. 姿勢が悪い(猫背や前かがみ)
前かがみの姿勢
3. 筋肉の緊張や疲労
運動不足による筋肉の過緊張
4. 精神的なストレス
自律神経の乱れによる筋肉の過緊張
5. 不適切な作業環境
机や椅子の高さが合っていない、パソコンの画面が目の高さに合っていない
6. 睡眠不足
身体の疲労が回復しない
2. 肩こり解消に効果的なストレッチ
ストレッチは身体の状態を快適に保つための運動として有用である。筋肉には「適切な長さと張力を維持してこそ、本来の力を発揮する」という特徴があり、硬直させないためにも定期的な運動によってその長さを変化させることが重要になってくる。
肩こり解消のためには、筋肉のアンバランスを整えることが大切。ここでいうバランスの良い状態とは、特定の部分に負担が偏っていないこと。
同じ姿勢を続けたために硬くなったり、運動不足により弱くなったりしてうまく使えていない筋肉は以下のようなストレッチを取り入れるのがおすすめ。
2.1 首のストレッチ
1. 頭を右に倒し、右手を使って軽く右側に引く。30秒キープ。
真横に倒すのがポイント。
2. 反対側も同様に行う。
2.2 肩甲骨周辺と背中のストレッチ
1. 両腕を前に伸ばし、手を組む。
2. 肩甲骨を外側に広げるようにお腹をのぞき込み背中を丸める。30秒キープ。
2.3 胸のストレッチ
1. 両手を背中側で組み、胸を開くように腕を斜め下に引く。
2. あごを引き、両肩を下げた状態で30秒キープ。
2.4 YWストレッチ
1. 両手をYの字になるように天井に伸ばし、胸を張りながら肘を曲げ、Wの字になるように引く。
2. あごを引き、両肩を下げた状態で30秒間繰り返す。
これらのストレッチを毎日続けることで、肩や首の筋肉を柔らかく保ち、血液のめぐりが良い状態を維持することができる。
3. まとめ
肩こりは多くの人が日常的に感じる不快な症状であるが、適切なストレッチでセルフケアを行うことが解消への第一歩。
現代人がついつい陥りがちな「長時間同じ姿勢を取り続ける行為」は、身体がバランスの崩れた筋肉の長さを記憶し、痛みを引き起こすメカニズムにつながってしまいやすい。
対策のストレッチを日常生活に取り入れ、定期的に筋肉の長さを本来あるべき状態に調節することで、快適な身体を手にしよう。
初心者の方でも無理なく始められる内容なので、ぜひ今日から実践してみてほしい。肩こりの原因を理解し、予防や改善のための対策をすることで、きっと肩こりのない快適な生活を送ることができるはず。
著者:前田 修平(まえだ・しゅうへい)
NASM-PES、はり師・きゅう師。ストレッチを中心とした身体のセルフケアを学べるYouTubeチャンネル『前田のまいにちセルフケア by GronG』を運営。登録者は23万人以上(※2024年6月時点)。科学的な根拠をもとに、健康的な身体づくりのためのセルフケア方法をわかりやすく伝えている。